気孔帯(腺・線)~針葉樹の見分け方

ヒノキ 命の不思議
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☆気孔(きこう)

植物には、気孔という呼吸のための穴があります。
気孔
呼吸と言うと動物っぽいですが、イメージとして伝わりやすいのでそう書きましたが。
正確にはそれ以外にも、あの光合成や水分調整のための蒸散(人で言うと汗のイメージ)にも使われる場所です。
気孔

では気孔はどこにあるのかと申しますと、主に葉の裏(例外もあります)
下の図は、葉の断面を描いています。
気孔
図の上は、太陽が当たる葉の表面。
そして葉の下側は、葉の裏側。
黒い粒は、葉緑体です。

それで、葉の下側に隙間がありますよね。
ここが気孔です(赤い丸内)。
気孔

気孔の形は、唇型。
空気(ガス)の交換、
そして水蒸気の蒸発の時に開き。
気孔 開

必要のない時には閉じるという細胞です。
気孔 閉

☆気孔帯

そこで、針葉樹の種類が何か調べる時に、気孔帯(気孔腺・気孔線)を見ることがあります。
この気孔帯というのは、葉の裏の白っぽい模様のことなんですが。

これは気孔が白いのではなくて、気孔を守るために植物が分泌したワックスが白く見えるという事なんです。
※植物とワックスでは、リンゴの実を布で磨くとつややかに光りますが、これが植物ワックスです。
そして、植物によって気孔帯の文様が違うんですね。
それで植物の種類が特定できるという事につながるわけです。
リンゴ ワックス

☆針葉樹のヒノキとサワラは、気孔帯で見分ける!

・ヒノキとサワラ

ヒノキが、檜と書きますね。
檜風呂だなんて、実に心地よいものです。
この檜は、もともと「日の木」であったり「火の木」であったそうです。
日は、実は太陽だけではなく、本来は最高に尊い物を指すんですね。
それで、火の木は、火を起こすために使った大切な木の意味。
檜風呂

そして、サワラ。
これが一見、ヒノキにそっくりなんです。
これが木材利用される時、ヒノキよりも柔らかく加工が楽という特徴がありまして。
ヒノキよりも「爽らか」というので、サワラだそうです。
ちなみに、爽らかというのは古語で、さっぱりしている様子を指します。
潔く木材加工に従うので、こう付いた名かもしれません。
サワラ
ヒノキもサワラも日本固有種の樹木なんですが。
先ほども申しましたように大変似ている。
そこでこれを見分ける時には、気孔帯を見るんですね。

・ヒノキとサワラの気孔帯

では、それらの気孔帯どのように見えるか、という事を次にお伝えします。

ヒノキでは、葉の裏の白い気孔帯が「Yの字」に見えます。
YYYYYYYYとたくさん見えるんですね。

それがサワラになると「Xの字」もしくは蝶々型に見えるんです。
ヒノキよりも、気孔帯の白が目立っている印象です

余談ながら、アスナロ
このアスナロはヒノキに似ている事から「明日はヒノキになろう」と言う意味で命名。
しかしこのアスナロは、属としてはこの1種のみで、化石種とも言われています。
葉はサワラより大きく、気孔帯もその分大きいので分類がより簡単です。

これら、ヒノキ・サワラ・アスナロ共にヒノキ科の植物。
少し詳しく申しますと、ヒノキがヒノキ科ヒノキ属。
サワラがヒノキ科ヒノキ属。
アスナロは、ヒノキ科アスナロ属。

なので、科と属が同じヒノキとサワラが似ているんですね。
ヒノキ
ちなみに、これらヒノキ属のほかで気孔帯が見られる樹木は以下。
モミ属、トウヒ属、ツガ属、コウヤマキ属、カヤ属となっています。

☆我が家の樹木三兄弟、みそ・しお・しょうゆは?

さてそこで、我が家のみそ・しお・しょうゆ、この葉裏を見てみました。
みそ・しお・しょうゆ

このアップ、がこちら。
みそ・しお・しょうゆ

さらにズームで寄ってみますと、、、。
みそ・しお・しょうゆ

我が家の常緑三兄弟は、サワラであると判明しました。
めでたしめでたし。
サワラ

という事で、最後までお読み下すってありがとうございました。
今日が佳い日でありますように💐

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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