☆重要なポイント~中心温度
これまでの経緯と、ソミュール液漬け込み期間
さてこれまでに、燻製の前処理という事で2回書いてきました。
< 燻製の前処理①
< 燻製の前処理②
今日でソミュール液に漬けこんでから1週間が経ちました。
この記事を書く切っ掛けが、燻製に関するご質問を頂いたからでありまして。
< ご質問にお応えして
今月末(連休)には親子で燻製づくりに挑戦したいとの事でした。
ですので今回の私の燻製づくり・ソミュール液漬け込みは1週間としました。
(私の場合、通常は2週間ほど漬け込みます。)
初心者向け下処理の試み
とても重要な燻製の中心温度
ゆで卵や、チーズなどを燻製にかける時は気にしなくて良いのですが、生肉を燻製する時にとても大事なことがあります。
それは、食中毒を防ぐための肉の中心温度です。
勿論それが、ある程度高温(例えば90℃)であれば問題ないのです。
でも燻製の場合、あまりに温度を上げ過ぎると、脂身(白身)の部分もすっかり溶け落ちてしまい、勿体ない。
けっこうこの白身の部分が良い味を出しますからね。
そこで、中心温度がこれぐらいになったら大丈夫という目安がありますので、燻製の時はこのお肉の中心温度が以下になるように火を調整します。
65℃で30分以上。
または、、、。
75℃で1分以上。
これは生肉から燻製を作る場合、この「お肉の中心温度の決まり」は絶対に守ってください。
そうでないと、腸管出血性大腸菌などが居る場合が怖いですから。
この温度を意識することが生肉からの燻製づくりでは何より大事です。
でも。
初めての燻製づくりで、燻製時の炭火だけでこの温度と時間を(しかもお肉の中心温度ですから)維持するのは難しいですよね。
そこで、ご提案!
ソミュール・ボイルという今朝の私の挑戦
炭火で生肉の中心温度を65℃とか75℃を、決められた時間維持するというのは大変難しいですよね。
まぁ、慣れたらそれが楽しいのですけれど。
でも今回は初めて挑戦されるという事で考えました。
漬け込んでいるソミュール液をお肉ごと鍋に入れて加熱するというソミュール・ボイル法。
いえ、ソミュール・ボイル法というのがあるのかどうか知りません。
そんな言葉が正しいのかも分かりません。
それで、これで、美味しさが損なわれないのかという確証もありません。
今朝思いついたことですから。
という事で、まず私がやってみました。
今朝4時に起きて。
ソミュールボイル手順①
鍋に、漬け置きしていたお肉とソミュール液を入れます。
そして煮詰まって濃くならないために、水を100ccほど(適当)に加えます。
私の場合、せっかく作るのでお歳暮用に多めにしてますので、大きめの鍋に入れてもこんな感じになりまして。
これでは多すぎて、お肉の中心温度を測れませんので一旦やめて。
一度、お肉を全部取り出して。
再度、鍋底に並ぶ程度に、そうですね、お肉一つか二つ程度が良いでしょう、置きまして。
ソミュール液が75℃くらいになるまで加熱。
これ以上温度を高くしますと、白身が溶けてきやすいので、とにかく75℃を維持。
ソミュールボイル手順②
お肉の中心部に熱が伝わって、お目当ての温度まで来るのに時間が掛かります。
ガス台の火を点けたり消したりしながら75℃を保っていますと、お肉の大きさにもよりますが、30分~1時間で良い具合に温度が上がってきます。
時間が掛かるので、気持ちをゆったり持って、待つ間は本を読んだり、珈琲を味わったり、音楽を聴いたり、猫にエサをあげたり遊んだり。
ソミュール液の温度が75℃~65℃の間を保てれば、まぁ良いかなという感じで、とにかく気楽に過ごしましょう。
ソミュールボイル手順③
今朝の私の場合、お肉の中心温度を70℃にしました。
、、、というより、なってしましました。
まぁ65℃より高いわけですから殺菌効果は有ります。
これで30分、お肉の中心温度が65℃以下に下がらないようにガスコンロの火をたまに点けて調整。
(75~71℃で1分です。そこには1℃届かなかったので、中心温度65℃の時間を適用しました。)
ここでの加熱がしっかりできていれば、ソミュール液を失敗しようが、燻製の燻し方を少々間違えようが、大した問題ではありません。
ですので、ここはしっかりと行ってくださいね。
☆風乾~次に重要なポイント
以上の事が終わりましたら、後は燻製するお肉の表面の乾燥です。
網に入れて、外の風に当てて半日以上乾かすのもありです。
また燻製箱に入れて、炭火で表面を熱乾燥させるのもありです。
私の場合は、楽なので、この炭火で乾燥を行っています。
この時にはまだ、スモークチップを入れてはいけません。
あくまで、炭火だけです。
炭火乾燥のポイントは、少しでも炭火が起きていれば良いという事です。
高温にする必要はありません。
燻製箱の中が温かいかなぁ程度で充分です。
理由は、こうです。
燻製する物の表面に水分が残っていると、そのに煙の酸性物質がくっついて、酸っぱい燻製が出来上がることになります。
なので、表面の水分をシッカリ飛ばすことが重要なのです。
キッチンペーパーを使う方もいるようですが、私は炭火での乾燥が好きです。
その理由は、乾燥が終わればそのままスモークチップを入れて、燻製に移れるから。
つまり、楽なのです。
写真は、燻製肉とソミュール・ボイル肉の比較。
こうして前処理①~③までを終えたお肉に、煙を浸み込ませて、中に残った水分も飛ばして。
そうすると、見た目もこんな感じで変わってくるのです。

という事で本日はここまで。
明日は燻製本番のレポートをお送りします。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊

