植物セラピー⑧(最終回)

水晶スピリチュアル 緑の癒し
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< 植物セラピー⑦より続く

☆植物と自然

さてこれまで7回にわたってお送りしてきました植物セラピーについて、本日が最終回となります。
まぁこれに関しては、深い話なのでとてもとても7回では収まり切れませんが。
ひとまず、の区切りとさせていただきます。

ということで、植物セラピー8回目の今日は、まとめ的な感じでお送りしようかと考えております。
では、参ります
サボテンの花

・進化から考える

人はどうして植物から癒されるのかということですが、たま~に波動がどうのとか、生命エネルギーがなんちゃらとか説明されてる方をお見かけしますが、それに対して私自身どうにもピンとこないんですね。
もっと正確に申しますと、この表現で多くの方に伝わるのだろうかと言う点で、ピンとこないんです

いえ、波動も生命エネルギーも分からなくも無いんです。
私自身の家系が源平合戦の折の、平氏側から源氏方に寝返った神職の一族で、実は私は、代々口伝で渡されてきた「そういうもの」の存在を教えられてきましたから。
そしてまた、私自身もそういう何かがあるというのは強く感じていますし、知っています。

しかしながら、こういう話は特定の方にはすんなり伝わっても、一般的には「はぁ~ん、スピリチュアルねぇ、、」とその時点で色眼鏡かけられてしまいますもの。
これではあまりにもったいない、どう思うんです。
つまりスピリチュアルが悪いわけではなく、それだけでは限定的にしか伝わらないという事なんです。
水晶スピリチュアル

そこで、科学的なアプローチも必要となってくるんですよね。
もちろん、科学的なだけでは面白味も無いので、私の場合、そこにもどっぷりつかっているわけではないですが、科学的な根拠も必要と言う話です

そこで、今回の植物セラピーでの科学的な切り口に据えたのが「進化」でした。

・一極独裁進化

それで、これまで地球規模の、そして人類視点の「進化」について書いてきました。
生命が発生してから、枝分かれし、ゆっくり時間をかけて今の形になったという話です。

ただ、それぞれが勝手気ままに進化してきたのなら、あちこちで利害の強い衝突が生まれ、自然界の「調和」は生まれなかったはずです。
これがまた巧妙に互いの生命の利害が嚙み合って、増えすぎず減りすぎず程よい関係を築いてきていた、、、過去形ですね。

そこに人類が産業革命以降は自然界の一極独裁主義みたいに世界を変えて行ってますよね、そしてそれは現在も続いています。
都会
さてこの自然界における一極独裁主義は、人類の(主に先進国の)我が世の春となっているわけですが、ふと冷静になると、待てよ、、となりますね、そう、これって勝手気ままな進化なんじゃないか、自然界の他の生命系との利害衝突が生まれてるじゃないかって。

こうしてこの急な身勝手進化が、ゆっくりゆっくり形を整えてきた自然界の中で人類を孤立させていってるんですね。だから、心の奥底の部分で不安や不満や孤独感も増して来てるんです。
もちろん、他の原因もあるでしょうが、一番の根本はここです!
大都会

・共進化

そして、現代人が心に留めておいてほしい言葉の一つがこちら「共進化」。
さてこれはどういうことかと申しますと、二つ以上の種(しゅ)が互いに影響を及ぼし合いながら進化することを言います。つまり、生物間の互いの作用が長い期間にわたって進化の方向や速度に影響を与えることを指しています。

例えば、植物の花と昆虫の関係、生物間の喰うか喰われるかの関係など。また、共生や寄生も、共進化です。
地球

これらは長い年月をかけて関係を作ってきました。
そう考えると、人類の共進化は何でしょう?
これは一般的にこう言われています。
1、ヒト免疫強化とそれに対する、菌の免疫突破機能の進化競争
2、ヒトの生活環境変化とそれに対する、家畜や作物の進化
3、ヒトの食生活の変化とそれに対する、体内細菌(腸内細菌など)の進化
4、寄生虫のヒト体内での生活適応それに対する、ヒトの生物メカニズム変化
5、地球上の環境変化それに対する、ヒトの適応

ここで注目したいのが、5の環境変化に対するヒトの適応なんです。
共進化

・生命維持に必要なのは、という観点

ヒト(人類)が環境変化に対する共進化をやってきました。
なので、地球上の様々な場所に住むことができています。
そこで、環境に適応していったヒトが、そこの何に安心感や喜びを感じたのかを見てみましょう。

青空

空の青も心を癒してくれますね。なぜならこの景色は穏やかで、雨や雪の心配が無く、太陽光に恵まれ、植物も育ちますし、肉食野生生物も発見しやすいし、獲物となる草食動物も見つけやすい。
その結果、人類は青空を見ると、いまでも癒しの記憶が発動するという仕組みです。
空

海の青と空の青は親戚です。
なぜなら、海自体は無色。そこに空の青が映って、海の青となります。
つまり、晴れた日の穏やかな海は、癒しになるのです。
また生き物は元々海の生物ですから、記憶の奥底、本能の部分に残っているのかもしれませんね、故郷の記憶が。
なので、寄せては返す波の音も効果抜群なんです。
海

川は、水場です。
なので、陸上生活での命の維持に欠かせない物でした。
つまり良い川の確保は、大事だったことでしょうし、他の生物を捕獲するのにも便利だったと思います。
例えば、川のせせらぎに私達心が落ち着くのは、そういう記憶の残照かもしれませんね。
川

ここには森がありますね。平野に降りる前の樹上生活の記憶だと思われます。
特に静かな森には、癒し効果あります。
フィトンチッドと言う樹木が出す揮発性の物質にも、ストレス軽減・免疫力強化・空気浄化・睡眠の質向上・心身のリラクゼーションに効き目がありますので。
山

人類が誕生した時は、アフリカの大地での樹上生活だったと言われています。
つまり、木が人の命の活動の場であり、安心できる居住地でした。
その名残が、木造建築はそこに暮らす方の心身に好影響を与えると言われている原初の理由です。
そして知性が生まれてきたヒトは、人より長寿である樹木に一種の神性を感じていたと考えられます。
これが、古代日本人やインディアン(ネイティブアメリカン)やアボリジニ(アボリジニオーストラリアン)の自然観に現れていると言えます。
木

草原

樹上生活から視界の開けた草原に降り立った時、人類は二足歩行に進化して行きました。
これまでとは違った高い位置での視線は、遠くの敵や獲物を発見するのに有利。
さらに、植物の緑が広がる草原には木の実や草の実も時期がくるとたくさん取れます。
こういった記憶が、安心・安全・喜びの記憶として定着して行きました。
そう言う意味で、植物を眺めると遠く本能に近い部分からの安心の記憶が呼び起されるのです。
草原

これらに加えて、火も大切な要素です。
人類は、火使えるようになって格段に進化していったと言われています。
例えば、夜の照明と肉食動物の夜襲を防いでくれた火。
そして、食物を美味しく焼いてくれた火。
さらに、寒さをしのいでくれた火。
これらの火との記憶が、いまでも私たちを癒してくれるのです。
ロウソク
そしてもう一つ、すべての根本と言ってもいいものが、「日」、つまり太陽です。
これは世界を作り安定させるうえで、絶対に欠かせないものですから。
太陽

ただし、この火については、自分の力でコントロールが効くレベルの小さな火を指します。
(太陽だけは、空に分類される要素も含んでいます)
間違っても、大きい火はダメです。こちらは、危険の記憶につながりますし、実際に危険ですから。
また、この派生で、炭火の明かりにも癒し効果がある事が知られています。
この炭火の穏やかな明かりと温かさが、私たち人類の祖先から受け継がれている記憶と重なるのでしょう。
炭火

☆来歴を知る重要性

・進化の視座でのセラピー効果

このように、環境変化の共進化という視座で眺めると、先ほど述べた観点は以下の3つに分ける事ができます。
これは、ヒトが繫栄していった産業革命以前までの感じ方でもあります。

1、常に姿が変わらずそこに在り、なおかつ穏やかに恵みをもたらすが、時折荒れたりする存在。
こちらが、空や海、そして川。場合によっては、雨も含む。

2、ヒトの手が届き、直接的に食べ物になり、またヒトと違う形態の命が繁茂する世界。
こちらが、森や木、そして草原。場合によっては、共存関係にあった他の動物、今ならペットも含む。

3、ヒトが手にし、それを使うようになってから、多くの自然の驚異有利になったもの。
こちらが、小さな火や炭火、そしてその明かり。

これらはすべてにセラピー効果があります。
その内、2の特徴は「命あるもの」と言えますよね。
つまり、自然セラピーと言う場合は1~3のすべてを含みますが植物セラピーとした場合は、2の一部に限定されることになります。
湖

・来歴を知る重要性

これらのセラピー効果として、ただ見つめるだけでも効果がある事は広く知られています。
ところがそれを、さらに強化する方法があるんです。
それが「来歴を知る」という事!

特に、植物セラピーの場合、人類と植物の共進化の歴史を理解することで、植物を眺めるときの体験はより豊かなものになります。
この深い理解は、自然や時間とのつながりを感じさせ、より深い満足感や敬意を生み出します。
これが大事なんですね。
この、「つながり」や「満足感」や「敬意」が、進化の過程で得て来た仕組みで、脳内にセロトニンやエンドルフィンなどを分泌させるのです。そしてその植物の命に対して、共感も生まれてくるようになります。
新緑の樹木

つまり、植物とは何か、ヒトとは何か?
そして互いにどうやって共に生きて来たか、それをある程度で構いませんので理解しておくと、格段にセラピー効果も向上するという事です。
長い長い進化の過程で私たちが手にした、他の命との心の共感と交流能力。
これが植物セラピーの正体だと私は考えます。
天空

☆植物セラピー記事一覧

さて、締めに。

昨日ブログをいじっていて、発見したんです!!
これまでの私がやっていた、記事全体へのリンクではなく、その記事の項目だけに貼るリンクのやり方を!!
これはまさしく、私の中の進化と進歩だ~!!と狂喜乱舞中でありますです。
どうぞ一連の植物セラピー記事、ご覧くださいませ。

では早速その、発見したテクニックをご披露しつつ、本日はここまで。

●最初の記事「植物セラピー①」目次

☆園芸は人類最古のセラピー
・セラピーとは?
・園芸とは?
・用語解説「花卉」とは?
☆園芸は、人類最古のセラピーなのか?
園芸セラピー

●次の記事「植物セラピー②」目次

☆園芸?植物?自然?各セラピー
・園芸と言う言葉
・ガーデニングブーム
・園芸セラピーと植物セラピー
・自然セラピー
自然セラピー

●三番目の記事「植物セラピー③」目次

☆人類のライフタイムライン
・ライフタイムラインとは
・ヒトのライフタイムライン
☆人類進化を距離で表してみた!
歴史

●四番目の記事「植物セラピー④」目次

☆ストレスと脳と治癒力
・ポイントは、人の脳
・大怪我、私の場合
・順応~私の場合
☆イメージ~地球歴史散歩
・地球史:東京駅からの実際の距離ではどこまでか?
・地球と植物の歴史~距離①
・ヒトの登場~距離②
・情報過多時代~距離③
☆ストレスの正体
・ヒトの歩く速度と環境変化1
・ヒトの歩く速度と環境変化2
・情報量と順応とストレス緩和
歴史

●五番目の記事「植物セラピー⑤」目次

☆ヒトはなぜ、植物に癒しを感じるのか?
・記憶の遺伝(エピジェネティクス)
・樹上から草原へ
・直立歩行と安心の記憶
・植旅確保のサイン
☆植物からの癒しの仕組み
☆植物と、ヒトの幸福ホルモン
・セロトニン
・ドーパミン
・オキシトシン
 オキシトシンと古代自然観
・エンドルフィン
☆まとめ
犬

●六番目の記事「植物セラピー⑥」目次

☆ヒトの進化~緑に癒しを感じた日から
☆ヒトの進化~30歳の場合
・世界四大文明の繁栄
・産業革命と発展
・パソコンとスマートフォンの普及
☆脳が、お疲れの理由
・30歳人類の自分史
~出アフリカ
~世界を作る
~情報化世界
・脳は疲れています!
☆日々のデフォルトモードが、脳を癒す
おさるさん

●七番目の記事「植物セラピー⑦」目次

☆生物ピラミッドでの植物の重要性
・万物の霊長
・人が動物を食べるという事
・植物がいなければ、動物は絶滅する
・動物がいなくても植物は生き残れる
・菌類がいなければ、植物は絶滅する
☆万物の霊長であるならば、、、
・謙虚に、つつましやかに
・0.0091%でのパニック状態
食事

長文、最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳い一日をお過ごしくださいませ💐

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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