☆祝箸とは
・不思議な箸
今年最初の週も、今日まで。
あっという間ですね、明日から今年ももう第二週に入ります。
さてそこで、今日はめでたい祝箸についてのお話をいたします。
私が最初にこれを見たのは、従兄弟の結婚式でした。
お箸の両端が細くなっていてどっち側でもお食事を掴めるようになっている。
これは便利と、一方は普通に食べるために、もう一方はデザートなど甘い物を食べるために使いました。
これは味が混ざらなくて便利便利、なんて。
でもよく考えると、もう片方は宙に浮くわけですから、キレイな食べ方ではないので途中でやめた覚えがあります。
それ以降、不思議で変な箸だと思っていました。
誰も教えてくれませんでしたからね。
たぶん周りの大人も知らなかったんでしょうね。
・神人共食
祝い箸と言うんだと知ったのは、それからずっと後の事でした。
両口箸とも、丸箸や俵箸とも言ったりするそうです。
それで、おめでたそうな紙袋に入ってましてね。
なんで祝い箸なのかともうしますと、このお箸の一方では私たちが食事しますよね。
それで、もう片方は天に向かっていますので、同時に神がそこで食事されてる。
こういうお箸なんだそうです。
お祝いの膳を私たちが美味しくいただくことによって、神も美味しくいただけるという事。
これを、神人共食と言うんだそうです。
「しんじんきょうしょく」と読みます。
つまり、祝箸を使って食事をする場合は、感謝しながらより美味しく感じながらいただく。
これが大事なんですね。
間違ってももう片方をデザート用にしてはいけなかったんです。
その節は、本当に失礼いたしましたと今でも思います。
☆祝箸の作法
祝い箸は長さも決まっていて、24㎝。
これは尺貫法で八寸。
なぜ八寸に決められているのかと言うのは、八は末広がりで、縁起が良いからなんです。
それで、このお箸は、やはり神との共用の道具でありますから、以下の作法も定められています。
①箸の中央を持つ。
②食事に使うのは、箸先一寸(3cm)のみ。
③正月料理に使う場合、紙袋に使用する人の名前を書き、大晦日に神棚か鏡餅の脇にお供えする。
④松の内はその箸を毎回洗って使用し、どんど焼の折にお焚き上げする。
さてこうしてみると、この祝箸も正月神事に深く関わっていることが分かりますよね。
前に申し上げました、鏡餅や松の内、そして、どんど焼きと歳神様に関係しているんですね。
☆共食のカミは?
こうしてみると、御節料理の場合、私達の祝い箸で共に食事をされるカミは明白です。
そう、歳神様ですね。
前にも申しましたとおり、歳神様には、来訪神・穀物神・祖霊・歳徳神の面がありますので、そちらに感謝しつつ頂くのが良いようです。
もともと、カミが召し上がる食事には特別な力が宿るとされております。
つまり、祝い箸で頂く食事には、カミの霊力自分の体内に取り込むという意味があるんですね。
そう考えると、食事もなんだか特別な気持ちで頂けるという物です。
ところで。
私が最初に書きました従兄弟の結婚式。
そこで祝い箸が出され、大失敗したのですが、、、、。
様式は教会でウエディングドレス姿でした。
この場合、、、
いえいえ、ここは野暮なことは考えずにおきましょう。
最後までお読み下すってありがとうございました。
今日がどうぞ佳き一日となりますように💐