☆太陽と植物
太陽の力を借りる植物
どなたもご存じのことですが、植物は太陽の力を利用しています。
それらを復習として、ちょいとまとめて以下に記します。
光合成
植物が、「二酸化炭素」と「水」を「太陽光」を使って、「酸素」と「ブドウ糖(グルコース)」を作る事を言います。
そして「酸素」を放出して、「ブドウ糖」を植物体の成長に利用することです。
生長と発達
光が植物の生長に影響を与えることは、多くの研究で示されています。
例えば、植物は光の方向に生長します(向日性)。
この現象は、光に対する植物ホルモンの反応によって起こり、特にオーキシンの分布の片よりによって植物の細胞伸長が促進されるからです。
光周期反応
植物は、開花のために日長を利用します。
特定の植物が日照時間の長さによって花を咲かせるんですね。
これが、植物が季節の変化を感知する仕組みの一つです。
もちろん、花が咲くというのは人を楽しませるためではなく、子孫を残るため。
つまり生殖活動です。
温度調整
太陽光は地表を温め、植物の生育環境の温度を調節します。
温度が植物に与える影響は、「種子の発芽」「生長速度」「開花」です。
蒸散
日光による熱は、植物の葉からの水分蒸発を促進。
これが、水と栄養素の循環に重要な役割で「蒸散」と言います。
その蒸散速度は、気温、湿度、風速、および太陽の光量に影響を受けます。
その結果、根からの水分吸収が促されるんです。
栄養素の吸収
土の温度が上昇すると、微生物活動が促進されます。
これにより栄養素の循環と活用性が上向きになります。
光合成
さてその中の、「光合成」について、もう少しだけ詳しく解説します。
詳しくというか、、、簡単に書くとこうなります。
光合成=(二酸化炭素+水+太陽光)⇒(酸素&ブドウ糖)
この式は、以下のような意味です。
植物が、水を吸って二酸化炭素を吸って太陽の光を浴びると光合成をします。
その結果、酸素とブドウ糖が作られます。
酸素は葉から外に出されます。
残ったブドウ糖(グルコース)は、植物が生きるために使われます。
余ったブドウ糖は、デンプンや食物繊維に形を変えて、植物体内に貯金されます。
という事です、これが光合成。
この光合成は、植物を理解するうえで大事なお話です。
ところが、あちこちで色んな方とお話する中で、正しく理解されてないことが多いですね。
なので、おさらいとして、ここで簡単に書いておきました。
☆色があるのは照射と反射のお陰
照射と反射
ではまず申し上げます。
色を色として感じるのは、目ではありません、それは人の脳です!
そしてその色を感じる仕組みですが、例えば手元にこういう絵があるとします。
この絵にはいろんな色が使われていますね。
これを私たちが「色」として感じるためには、まずそこからの光が目に入る。
そして目から脳に情報が伝わって、脳がその情報を分析して「色」として初めて感じられる。
こういう流れになっています。
そして、目に入る光には二種類あります。
照射(直接光)と反射光ですね。
照射にせよ、反射にせよ。
さまざまな波長の光が、人間の目で電気信号に変換。
そしてその信号が視神経を通じて脳に入力される。
そこで初めて色という感覚が生まれます。
色を決める要素
そのために「色」というものは、以下の三つで決まるといえます。
それは物体・光・観察者です。
この3つの状況によって色が決まるんですね。
ここで分かりにくいのは観察者ですよね。
ここを説明すると、視覚(目の状態)や脳(脳細胞の組み方)で、人によっても微妙に違います。
そして、人類と、他の哺乳類とか鳥類・魚類・昆虫などでまったく違ったりするんですね。
また反射光と違って、物体自体から光を発してる色の場合には、周囲の色に左右されて錯覚が生まれます。
これは、目の自動調整機能から、脳がそのように判断するからだそうです。
☆緑色光のパワー
最大勢力:緑色光
光の種類は、波長で決まると申しました。
それで緑色光の波長は、490~550 nm(ナノメートル)です。
そして晴れの日に最も強く降り注ぐ光、これが「緑色の光」(波長域550nm)であると解明されたんですね。
これは次項で述べる2016年の共同研究の結果なんです。
さらに、人間の目の感度が一番よいのが、緑色の領域なんです。
そのように進化して来たんです。
もう一つ、進化の結果で言うと、植物が芽を出すときは、特に緑色光を多く取り入れると言うんですね。
生まれた時は、食べ盛りという訳です。
緑色の腹八分目
さてこの最大勢力の光と言うのは実は厄介でして。
海などの環境に住む光合成生物たちも、「それぞれの環境に最も強く降り注ぐ光」を避けた光で光合成をしてきたのです。
植物は太陽の光から逃げることができないため、晴れの日には一日中降り注ぐ光を受け続けなければなりません。
動物で例えれば、暴飲暴食となります。
光の暴飲暴食です。
そのため、最も強く注がれる光には調整が必要なんですね。
そこで生物たちは長い進化の中で、取り込む光の波長の最適な吸収パターンを手に入れたんです。
つまり、植物が取り込んでいる緑色光は、他の光に比べて腹八分目になっているという訳です。
緑の光を跳ね返す葉
2016年の事です。
九州大学の久米篤教授、筑波大学の奈佐原准教授、秋津朋子研究員らの研究グループが、陸上植物の葉は、直達日射の最も強い波長域の吸収を避けるような性質を持ち、結果として植物の葉からの緑色光の反射が増えていることを明らかにした。
こういう研究結果が「Journal of Plant Research」誌にオンライン発表されました。
葉の中で光をとらえる葉緑体では、晴天時の直達日射の最も強い緑色光(550nm:ナノメートル、1nmは10分の1nm)付近で最も光を吸収しないことが実際に確かめられました。
緑葉には、2種の色素があります。
主に赤と青紫の光を吸収するクロロフィル。
そして、主に青緑の光を吸収するカロテノイド(カロテン、キサントフィル)。
つまり、葉緑素が主として吸収する波長は「赤色+青紫」光と「青緑」光なんです。
では緑色光はどうかと申しますと、これが面白い。
葉っぱは薄くできていますが、やはりそれなりの厚みはあります。
そこで緑色光だけは、他の色(波長)の光と違って、簡単には吸収されず、何度も葉の中で反射を繰り返します。
何度も反射を繰り返すうちに、ようやく吸収されて行きます。
ところが、この吸収率が他の色の光より少ない。
これは、元々太陽の光に緑色光が多いものですから、それである程度のバランスが取れるんですね。
そして最終的には葉の表面から緑色光を跳ね返して、食べ過ぎを防ぐことになるんです。
☆植物の葉は、なぜ緑色に見えるか?
ちなみに、植物の葉が全ての光を吸収していたとしたら、その色は黒になります。
つまり、葉が緑色に見えるのは、一番多く降り注ぐ緑色光を跳ね返しているから、なんです。
それを私たちが目で見て、脳に伝え、情報を整えて「緑だ」と認識するというわけです。
以前は、植物は緑色が不要なので、緑色光を吸収せずに反射している。
だから緑色に見えるんだという話がありましたが、現在ではそれは間違いだと証明されているんですね。
という事で本日はここまで。
大事な話なので長くなっておりますが、これも次回辺りで一区切りできそうです。
では、本日も最後までお読み下すってありがとうございます。
どうぞ佳き日でありますように💐