☆合歓!
陽樹
札幌の街を歩いていたら、ねむの木に出会えました。
本来なら、北海道には生えていない木ですから、庭園樹として植えられたのでしょうね。
5mほどの高さでした。
おおよそですが、木の高さが3mを越えたあたりから花を咲かせますので、まだ若い木でしょうね。
また、ねむの木は、陽樹ですので日当たりが大好きです。
そう言いつつも、あまり暑すぎる時は咲きません。
この日は札幌、32℃まで行きましたから、真昼には休んだかもしれませんね。
ちなみに私がこの花を見た時間は、午前10時。
気温が27℃でした。
このように、しっかりと咲いていたんですよ。
就眠運動
本州では、山や川岸に自生してるのを良く見ました。
大きいものでは10mほどの物もあったように覚えています。
子供の頃、見ていて飽きなかったですね。
暗くなったり、暑すぎると広がった葉が閉じるのですから、本当に不思議で。
この葉が閉じたり開いたりするのを、専門の言葉で「就眠運動」と呼びます。
なぜこんな行動をとるのかと申しますと、光合成をおこなう葉の表面が傷つくのを防ぐためとか、葉っぱからの余分な水分の蒸発を防ぐため、また、虫などから食べられないようにするためだとか言われています。
漢字で書くと、、、
ねむの木を漢字で書くと「合歓の木」となります。
単純に「合歓(ねむ)」とする場合もありますね。
この合歓、どういう意味かと申しますと、合わさって嬉しいということで合歓。
つまり、就眠運動から、夫婦が仲良く心を合わせることを連想させたのです。
なので夫婦円満の象徴として、庭に植えられることが多かったようです。
根粒菌
このねむの木はマメ科の植物ですので、根っこに「根粒菌」を持っています。
この根粒菌、便利なんですよね。
マメ科の植物の根っこで暮らしていて、空気中の含まれる栄養素の「窒素」を吸い取って植物に与えてくれるのです。
なのでねむの木は、栄養の少ない土地でも生きていけます。
つまり土が痩せていても、空気の中から栄養を取り出すことができるのですから。
凄いですよね。
そして塩にも案外強いので、海岸線の防風林や砂防林としても使われることがありました。
また、漢方薬として、ストレス緩和や鎮痛効果などをもつ木として知られています。
ともあれ、この花のきれいさよ。
まさか札幌で再会できるとは。
幼い日の思い出を重ねて、しばらく眺めておりました。
ねむの木と、オジギソウ
最後に。
ねむの木に似ている植物で、オジギソウがあります。
ねむの木は、木で、オジギソウは、草。
そう覚えると楽ですよね。
こちらは、オジギソウの葉っぱですが、ねむの木と同じです。
違うのはサイズと働きです。
こちらはねむの木と同じく、夜になると葉を閉じる就眠運動もします。
しかしそれ以外にも、触られたり、熱を感じたり、やや強い風や、振動などに反応して葉を閉じます。
これらは、就眠運動とは言わずに、ちょいと難しい言葉ですが、接触傾性運動と言います。
面白いのは、ねむの木には無い、茎に棘(トゲ)がある事です。
葉が全部閉じて葉の柄(葉柄:ようへい)がダラリと下がると、その付け根にある茎の棘がむき出しになります。
まるで、触ったら怪我するよとでも言ってるかのようですよね。
この現象はどうも、葉を食べにくるバッタなどから身を守るためだと、最近になって大学の研究で明らかになったようです。
葉が似ているのも当然で、オジギソウはマメ科ネムノキ亜科の植物。
ねむの木の遠い仲間であるとイメージしてください。
原産が南米なので、昆虫も多く、自衛のために棘や接触傾性運動を進化の過程で身に着けたのでしょうね。
ちなみにオジギソウの花がこちら。
草丈は、だいたい20㎝~40㎝ぐらいでしょうか。
反応が良いので、子供達に理科好きになってもらおうと以前はたくさん作って配っていました。
あの時の子供達も、今では40歳ぐらいになったのでしょうか?
みんな元気かなぁ。
オジギソウをみてると、あの頃を思い出します。
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊