人類の遠い祖先が樹上生活から草原へ移って、二足歩行で生活するようになってから脳の大進化が起こったと書きました。
今日はその続きです。
☆ヒトの進化~緑に癒しを感じた日から
- ヒト属とチンパンジーの共通祖先分岐(200万-1,000万年前)
- 直立歩行(約400万年前)
- ホモ属の出現(約240万年前)
- ホモ・サピエンス(現代人)の出現(約30万年前)
さてこれが人類の遠い祖先がチンパンジーと別れてからの、大まかな進化です。
その中で、直立歩行は、先ほど書いたように大事件でした。
直立歩行から、ヒトは緑に癒しをシッカリと感じ始めたんですから。
また、これらの事によって、脳の量が格段に増えて行きます。
大ざっぱに言いますが、それが約400万年前のこと。
ここから脳が大進化していったわけですから、この時を基準に面白い見方をしてみましょう。
☆ヒトの進化~30歳の場合
とてもザックリとした計算なんですけれど。
ここに30歳の誕生日を迎えた人が、一人いると仮定してみてください。
ただし、その人は、かなり特殊な30歳です。
何と言っても、産まれた日が人類が直立歩行を始めた日なんですから。
※以降「30歳人類」と呼ぶことにします。
人類が直立歩行(脳に大変革をもたらした)を始めた時を「生誕日(午前0時0分生まれ)」として、今日現在(2024年)で「30歳の誕生日」を迎えた30歳人類は、以下のそれぞれの出来事が、その人の人生において、いつになるのでしょうか?
・世界四大文明の繁栄
メソポタミア、エジプト、インダス、黄河。
この地方で栄えた古代文明の事を、世界四大文明とも言います。
こうして私は学校で習ったんですが、世界四大文明って言葉を使ってるのは日本と中国だけらしいですね。
なんと!
いったいどういう教育を受けてきたんだ、私は。
世界的には、「文明のゆりかご(クレイドル)」と言うのだそうで。
さて、それぞれの文明は、大きな川に沿って発展していました。
メソポタミア文明は、約5500年前のチグリス川とユーフラテス川に挟まれた平野で。
エジプト文明は、約5000年前のナイル川流域で。
インダス文明は、約4300年前のインダス川流域で。
黄河文明は、約5000年前黄河流域で、、、などと言われていましたが現在では長江なども絡んできて現在も研究中らしいです。
そしてこの四大文明が現在に受け継がれていって、今の文明があるなんて言われてます。
では、四大文明を仮に5000年前とするなら、この時点での30歳人類は生後いかほどか?
その答えは「29歳11ヶ月28日、午後3時36分5秒」となります。
・産業革命と発展
話は変わって産業革命。
こちらは、18世紀後半から19世紀にかけて世界に大きな影響を与えた歴史的な転換期のことですね。
この時代の主な特徴は、以下の通り。
1、大量生産社会
機械による大量生産が始まり、安価な製品が大量に製造されるようになった。
2、都市化
工場が集中する都市への人口集中が進み、都市化が促進。
3、農村社会の崩壊
人々が都市へ移住することで、農村社会が徐々に解体。
4、貧民街の発生
農村からの大量移住により、都市の貧民街が生まれた。
5、大量の移民
国内だけでなく国際的にも人の移動が活発化し、大規模な移民が起きた。
さてこの産業革命で世界を一気に変えた蒸気機関の特許失効が、西暦1800年。
そして一気に蒸気機関が普及したのですが、この224年前が30歳人類にとってはこうなります。
29歳11ヶ月29日、午後11時32分54秒。
・パソコンとスマートフォンの普及
次にパソコンが日本に普及しだしたと言われるのは、Windows95が発売された1995年。
今から29年前ですから、30歳人類にとっては29歳11ヶ月29日、午後11時48分43秒。
そして今や中毒者さえ出している、とても便利なスマートフォン。
こちらはコンピューター機能付きの携帯電話ですが、こちらが普及したのは2007年のiPhone発売から。
17年前ですね。
これが30歳人類にとってはこうなります。
29歳11ヶ月29日、午後11時53分23秒
以上これらは、40,000,000年前を誕生の瞬間(0歳0ヶ月0日0秒)とし、2024年を30歳0ヶ月0日0秒とした場合の、大まかな計算結果です。
☆脳がお疲れ、の理由
・30歳人類の自分史
さてここで、30歳人類に、自分史を簡単に振り返っていただきましょう。
ここで言う「私達」は、直立歩行を始めた時の人類の脳の事です。
では、参ります、30歳人類の自分史。
出アフリカ
私達が生を受けたのは、植物が繁茂したアフリカ大陸。
みんな同じ誕生日の仲間です。
そこで伸び伸びと幼少期を過ごし、無事に成人をむかえ、木の実草の実小動物を頂きながら心身ともに結構に育ちました。
日の出とともに活動し、日が沈むと休む。
こういう健康的な生活をくりかえす毎日に、私達ふと疑問を抱いたのは29歳も終わりのころでした。
そしてふと、向こうのほうまで大地が続いているのに気づいたのが、29歳11ヶ月13日。
アフリカ大陸から仲間たちと旅立ったのは、その日の午前11時13分10秒でした。
世界を作る
なんと素晴らしくも厳しき外の世界。
そうした環境も変わって、それから2週間後の27日、午前4時12分11秒。
後の世で農業と言われているものの真似事をやり始めたのです。
そしてその翌日の28日、午後3時36分5秒。
私達は川のほとりで文明といわれるものを築けるまでに急成長。
そのまた翌日の29日、もうすっかり夜になった午後11時32分54秒。
私達はついに蒸気機関という物を手に入れて、一気に動物達や植物達の上位に昇りつめたのです。
まだアフリカを出てから16日半です。
なんと実り多き29歳11ヶ月でしょうか。
アフリカで自然に支配されて生きて来た私達が、まさかこんなに急に人生が激変するだなんて思ってもみませんでした。
情報化世界
そして今、私達は30歳になれました。
バリバリ働いています。
ところが。
実は、突如発生した大量の「情報」に戸惑っているんです。
便利で世界規模で玉石混交で、それで神の力も含んでいる「情報」
それが一気に発生したのが、今から11分17秒前。
さらに、片手に収まるほどの大きさの物から、世界中の情報があふれつづけ始めたのが、今から6分37秒前。
このように私は、29歳11ヶ月13日まで自然の中で自然のリズムに合わせて育ち、暮らしてきました。
そんな世界しか知らずに生きてきました。
ところがそこから、少しずつ冒険はしましたが、この30歳を迎える11分前からの忙しさには、心から驚いています。
そして私の心の底では、私の人生の大部分を過ごしたあの緑豊かな自然のリズムに合わせた生活に焦がれ始めています。
あの頃に帰りたい、せめて少しの間だけでも帰って一息つきたいと。
・脳は疲れています!
このように、30歳人類ということで、直立歩行開始からスマートフォン普及までの変化を書いてみました。
かなり乱暴で、端折りすぎ感は否めませんがご容赦を。
つまり、私もですが、誰だって30歳の誕生日に振り返って、産まれてから29歳11ヶ月と半分同じ環境で同じ生活を繰り返して来ていたら、そこが全ての価値基準の軸になりますよね。
ところが人類ときたら、30歳になる7分前ほどの激変世界を基準に生きていくしかない場所にいる。
これでは大変なのは当たり前です。
昨年夏に東京新宿の交差点を渡ったのですが、あれだけ人が大勢交差して、互いにぶつかって命を落とす方は一人もいませんでした
当然です。
なぜなら、歩く速度だからです。
これは30歳人類が29歳11ヶ月半までに馴染んだ速度だからです。
もしそれが仮に、ジェット戦闘機レベルの速度で歩く装置を突然付けられたのなら、あの日の新宿の交差点で生き残ってる人は誰もいません。
つまりそういう事なんです、私たちの脳の処理能力に対するスマートフォンからの情報量は。
私たちの脳は、疲れているんです。
☆日々のデフォルトモードが、脳を癒す
そこで、デフォルトモードの提案です。
精神科医の樺沢紫苑先生の著書や講義で知ったのですが、脳って、ボーっとしてるときや眠っている時に通常の15倍ほど活発に活動して、情報などを整理するんですって。
これを、デフォルトモードネットワークと言います。
これを植物教育の立場から提案させていただくと、こうなります。
1日朝昼晩、各5分ずつ、自分の好きな植物をボケ~っとリラックスしてただ見つめよう!
スマホを閉じて、目が疲れているなら目も閉じて、その場合は好きな植物の香りを嗅いだり、触れてみたりで充分です。
こんな単純なことが、とても大事なんです。
そしてこんな単純なことをお伝えするために、例え話がまた長くなってしまいました、反省
30歳人類は、現代人の多くの脳に住んでいます。
つまり、せめてたまに、ほんの少し、慣れ親しんだ緑の世界に帰してあげましょう。
それがひいては、ご自身の心身の健康につながりますから。
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳い一日を💐
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