札幌の川の貝

タニシ 喫茶~言の葉
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☆巻貝3選

加除式

さあ、これまで札幌の川の中でみられる生き物について書いてまいりましたが、いよいよ今日はそのシリーズの最終回。
川に住む貝について。

「デトリタス」というのは、生物の死骸や、生物由来の細かい破片の事です。
それらにくっついて繁殖している微生物も含みます。
水滴と波紋 水

カワニナ

殻の長さが30mmほどに成長する巻貝で、全体的に丸みを帯びた円錐形。
パンのチョココロネみたいな形です。

殻の尖った部分は、段々と削れて行き、先端が鈍く短くなっているものもあります。
食べ物は、藻や落ち葉、そしてデトリタスなどです。

好む場所は、川の流れが緩やかで、落ち葉などが溜まっているところ。
その上、有機物にあふれたちょっと汚い川が好きです。
泥質の川底では、カワニナが歩いた痕がスジ状になっていて分かりやすいです。
これが巨大だったら、まるでナウシカのオームだよ!っておっしゃった方がおりましたが、なるほどと納得したものです。

また、カワニナはホタルの幼虫の食べ物としても知られています。
なので、ホタルを増やすために、カワニナを放流したなんて話も聞きますよね。
カワニナ

サカマキガイ

普通の巻貝の多くは殻が右巻きです。
ところがこのサカマキガイは、左巻き。
だから、逆巻き貝。

原産地は、ヨーロッパまたは北米とされています。
つまり、外来種。
それでもう、日本に定着しているので帰化外来種と呼ばれています。

日本には、明治時代から第二次世界大戦前までに、水草などに稚貝がくっついて侵入したと言われていて。
現在でも、アクアリウムショップで販売されている水草にくっついの移動もみられるので要注意です。

環境の変化や、汚染に強く、汚い水の指標生物とされています。
そして好きな場所は、止水域。
止水域というのは、湖や沼みたいな、水の動きの小さな場所です。

雑食で、生命力も強いです。
殻は薄く光沢があるので、それも簡単に見分けが付くポイントです。
サカマキガイ

タニシ

漢字で書くと、田螺。
この螺の意味は、巻貝。
つまり、田んぼに居る巻貝という意味です。

日本に水稲文化が根付いたのは弥生時代ですから、日本人とタニシの付き合いも長い歴史を積み上げてきたという事です。

さてこのタニシ。
食事の取り方が面白いです。
トリプル食性とも言われています。

まずは、藻類を削り取って食べる「刈り取り食」
そして、沈殿物を食べる「デトリタス食」
更には、水中の汚れをエラで漉しとって食べる「濾過摂食」

こういう摂食パターンの広さから、適応能力も高いです。
また、汚れた水槽にタニシを入れるだけで、徐々に水質も良くなり水槽もきれいになるという効果がみられます。
タニシ

という事で、札幌の川でみられる生き物の記事はこれで終わりです。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
喫茶~言の葉
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