不思議な粘菌

粘菌 命の不思議
この記事は約3分で読めます。

☆落ち葉の下の出会い

昨日セミナーで、粘菌についての講義を行いました。
その後、実際に森を歩いて、粘菌を探してみるという実習。
その時に出会った粘菌の一部がこちら。
粘菌
枯葉表面に伸びた、白いものがそうです。
この粘菌、他にもまだたくさんの種類があります。
かなり多種で地味ながら、とても頑張ってくれている存在なんですよ。
今日はその、粘菌について少々お話ししましょう。

☆粘菌って、何?

・単細胞生物であり、、、

これは、ウネウネと動くアメーバみたいな単細胞生物の事を指します。
向こうの言葉では、スライムモールド。
そうです、ゲームとかに出てくるネバネバドロドロのスライムの語源です。

粘菌というぐらいですから、菌だとは単純に言えない存在。
例えば、周囲に餌があるときは、細胞一個の生き物として活発に動いて食べ廻るのです。
ところが餌が見当たらなくなると、まず仲間同士集まります。
そして、協力し合って一つの生き物みたいに移動を始めるんですね。
その数は10万個の単細胞生物の集まりとも言いますから、もう多細胞生物です。
粘菌

・多細胞生物でもあり、、、

多細胞生物、これは人間もそうですね。
目の細胞、脳の細胞、爪の細胞、そのほか色んな細胞が集まって一つの命として活動してる。
これが多細胞生物。
普段はたった一個の細胞が動き回って食事しながら増えつつ生きてる。
それなのに、食料が無くなると多細胞生物になる。いわば合体するんですね。
合体と言っても、そうなるとそれぞれの細胞が役割分担をしっかりしないといけない。
そうでないと、多細胞生物としてはない経ちません。
こう考えると、粘菌って、実にミステリアスでしょう。
私なんか、惚れ惚れしてしまいます、粘菌って凄いなぁって。
粘菌

・動物でもあり、、、

こうして、細胞がえさを求めて移動。
そして、食べたエネルギーで分裂増殖。
その上移動までやっていくというのは、まさしく動物の細胞の特徴です。

意味では、単細胞の時であれ、多細胞の時であれ、粘菌は動物の性質を示しています。
ところが、です。
粘菌

・植物でもあり、、、

多細胞生物として移動を始めた粘菌は、やがてどこかの時点で移動をやめます。
そこで、子実体(一般的にはキノコ、のイメージ)を作るんですね。
その子実体の柄の部分は死んだ細胞の集まりです。
それがミュ~ウと伸びまして、胞子を飛ばし、その胞子から次の世代を増殖させる。
この様子は、実に植物的なんです。
もう訳が分からないくらい、不思議ちゃんな生き物ですよね。
粘菌

☆単細胞で多細胞、動物のようで植物のようで。

つまりはこういう生き物が、私たちの暮らす地球上にはウジャラウジャラといらっしゃるという訳なんですね。
また、彼らの活躍によって、私達ヒトも生きてゆけるというのがこの世界の巧妙なカラクリ。
ヒトが生きていくには、ヒトの事だけを知ればよいというのは間違いです。
更には、植物を育ててみようという時に、植物の事だけを知っておけばいいというのも、同じように間違いです。

折角、心にも体にも良い植物育てをやろうという場合、これまでの視座を変えて視点も変えなければあまりにもったいない。
それにそうしないと効果も薄いんですよね。

さて、粘菌に話を戻しますと、これが単細胞で多細胞、動物のようで植物のような生き物だとお伝えしました。
じゃあ結局なにかと申しますと。
粘菌は、粘菌以外の何物でもないという至極当然の結論至るんです。

こんな不思議な生き物の上に、私たちの生活や文化や歴史が成り立ってる。
これを意識すると、森を散歩するだけでもかなり気分も変わってきますよ。
森の散歩

写真は、こちらも昨日歩いた森です。
参加者の皆さんも、実に楽しそうで、色んな粘菌を発見しては小さな歓声が上がっていました

では、今日も佳い日でありますように。
最後までお読み下すってありがとうございました。

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
命の不思議
シェアする
KAZUHIKOをフォローする
タイトルとURLをコピーしました