暦の上では、今日から夏です

盆踊り 喫茶~言の葉
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☆本日は、二十四節気の「立夏」です

立夏・端午の節句・子供の日

5月5日は子供の日。
五節句で言えば、端午の節句です。
そして同時に、立夏でもある。

ややこしいですよね。
では、立夏と端午の節句と子供の日とが同じ意味かというと、これまた違う。
そこで今日は、立夏に絞ってお話します。
端午の節句とこどもの日については、近日中にという事で。
鯉のぼり

立夏は年によって変わります

さて、立夏というのは、二十四節気の一つです。
ここから夏が始まるという日。

ただこの節目は、太陽と地球の位置によって微妙に変わりますので、年によって5日になったり6日になったり。
前後100年でみると5月4日もあれば5月7日もあるんですよ。
そのように、年によって移動する日が立夏です。

つまり今年は、端午の節句と立夏が重なる年、という訳です。
端午の節句

☆立夏

さてこの立夏ですが、「春が終わって、いよいよ夏の気配が立ち始める日」という意味です。

日差しが強まり、日も長くなる。
これによって、夏が始まるという事なんですね。

またこの日は、昼と夜の長さが同じ「春分の日」と、昼の長さが一番長い「夏至」との、ちょうど真ん中の日。
なのでこれから夏至に向けて、ますます太陽の出ている時間が日一日と長くなっていくという事です。

おおよそ生き物は、太陽が出ている時間に生活サイクルが左右されますよね。
太陽が出ている時間に活動するものもいれば、太陽が出ている時間に活動を抑えるものも居ます。
これは、動物も植物も菌類も同じです。
そしてもちろんヒトも、そう。
青空に太陽

そして暦の生まれた一番の背景である農業。
つまり植物栽培においてもかなり重要な節目なんです。

ここで言う農業は、稲作です。
その点に絞ると、夏は、稲の種まきから稲の花が開くまでの重要な時期と言いかえることができるのです。
良い花がたくさん咲けば、良い米がたくさん実るということですから、稲作に関わる人にとっては大昔から気の抜けない時期でもあるんですよね、夏という季節は。
ひまわり

☆夏眠(かみん)

稲においては、そのように活動が活発になり大変重要な時期であります。
ところが方や、暑くなるとその期間活動を停止させる動物が居ます。

こういうのを夏眠(かみん)と言います。
そうです。
冬眠の真逆をイメージすると分かりやすいですね。
睡眠

冬眠というのは、一般に熊が有名です。
実際にパソコンの漢字変換でも、「とうみん」と打つと、サクッと冬眠に変換してくれます。
ところが、「かみん」と打っても過眠・仮眠・寡民などとしか変換できません(2024.5.5現在)。
だいたい寡民って言葉、何???
と私は思わず先ほど調べて、う~ん、そうなのか~と唸った次第。
睡眠

さてこの夏眠。
元々はどういう物かと申しますと、進化の過程で生まれたものらしいんですね。
香川大学医学部の西山教授が、夏眠様反応というテーマで発表されています。

それによると夏眠とは、生物が水中から陸上に進出した時に、体内の水分を守るために獲得した能力だとのこと。
そしてその名残りが、人にも見られるというのです。
まぁこれは実際に、夏に眠くなるとかいうのではなくて、体の中の浸透圧物質が作られる量の変化という物なので、実際に夏眠い方は暑さによる睡眠不足です。

それで、学問の世界では、実は冬眠よりも夏眠が一般的だと聞いたことが有ります。
それで、冬眠とは夏眠の一種として捉えるんですって。
睡眠睡眠

☆休眠

そうそう。
植物ではこの前お話した、春の妖精・スプリングエフェメラルも、この夏眠に似ていますよね。
夏が近くなると地面の上に出ている分を枯らして、地面の中で休むんですから。

しかし、夏眠は動物に対して使われる言葉とのこと。
では植物でのこういう現象はどう言うのか?

こちらは、「休眠」と言います。
かたくり

ところが、ここがややこしい所で。
休眠とは、生物の一生の内で、エネルギー節約のために、生長(成長)とか活動を最低限に抑える時期のことなんです。

さて、この休眠の動物版を、夏眠と呼ぶんですね。
そして夏眠には、冬眠が含まれる、、、。

こんがらがってきそうなので、この話題はここで休眠!!
睡眠

☆夏の語源

さて最後に、夏の語源少々。

夏という漢字は、仮面をかぶってスリ足で躍っている人を表すそうです。
これは、先祖崇拝の祭りを表したもののようで、夏の時期のそういう祭りと言って思い浮かぶのは盆踊りですよね。
大昔には、夏場にそういう祭事も多く行われていたのだと思います。
盆踊り

そして夏の音読みは、「カ」です。
これは大陸から伝わった読み方(表音文字)ですから、意味はありません。

そして訓読みが、「なつ」です。
こちらは日本でつけられた読み方(表意文字)ですから、意味がちゃんとある。
ではなぜ、夏を「なつ」と言うのか。
これを最後に。

まず、暑い(あつ)から来たものであるということ。
これは熱(ねつ)かもしれません。

そして、未熟な実が成る(なる)というのも可能性が高い。

あと一つは、泥む(なずむ)ですね。
こちらは色んな意味があるのですが、一番こうなのかなと思われるのは、「植物が生気なくしおれ始める事」という意味です。
ひまわり

春と秋と冬の語源を考えると、四季の名前はどうも植物由来でありますので、夏だけ例外というのは無いと思うんですね、私は。

ちなみに夏の語源のひとつとして朝鮮語・アルタイ語・満州語からの外来語説がありますが、訓読み音読みの理屈から言って、これは後付けの大嘘だと私は思います。
きゅうり

という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
喫茶~言の葉
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