☆川辺の植物忘備録
赤い根
柳は水を好み、根も強靭で地上部も強風を受け流すしなやかさがあります。
ですので古来より水害防止にと川べりに植えられてきました。
驚いたことに、川べりの柳から川の中に赤い根がユラユラと漂っていました。
そしてその根の色が赤紫色に色づいていたんです。
これは、太陽光の紫外線から根を防御するため、アントシアニンという色素を柳が出したためでしょう。
人で言うと、皮膚を黒くする日焼けです。
それにしても一部の根が水に飛び出ていても、平気な柳ってなんて強い木なのでしょうね。
茎伏せ
柳は本当に生命力の強い木です。
例えばあの細い枝を30cmばかりの長さに切って、その切り取った枝の切り口の方を地面に挿して置けば、たいてい根付きます。
こういう性質ですから、川辺に生えている柳の枝が大荒れの時に川に落ち、流れ下って川べりで根付くという事も起こります。
また、柳の木自体が折れて流れた場合でも、狩る卯に流れ着きそこでその上に土砂が積もって元の木から新芽が芽吹くという事も起こるのです。
こういうのは茎伏せといって、前にお伝えした取り木と同じ仕組みです。
柳枝工(りゅうしこう)
これは護岸工事の工法の一つです。
昔は、川岸に柳を植えるだけでしたが、現代ではこう言う事も行われています。
粗朶(そだ)というのは、直径数cmの細木を集めて束上にしたものの事です。
柳枝工というのは、まずこの粗朶や、少し大きめの石などの組み上げます。
そしてそこに、柳などの樹木を差し込む。
ここから時間と共に、生育によって張った柳の根が粗朶や石を抱き込むことで川岸安定化を図る法面の施工のことを指します。
洪水時には川岸の土砂流出を防止。
また、柳の枝によって川の流速を弱める効果が期待する工法です。
これとは別に植生護岸工という工法もあります。
これは、川岸全体を植物で覆い、それらの根を張らせることで、川岸安定を図る工法です。
こちらに使用させるのは、水生植物(アシ)など。
川岸浸食防止や凍害による表層の崩壊防止が目的ですが、自然環境にも良いですよね。
という事で今回はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
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