☆川辺の植物忘備録
豊かさの象徴
ハルニレ。
けっこう大型になる木で、札幌では30m前後の物もよく見かけます。
寒冷地の平地や丘や山地で、水分がしっかり吸える豊かな土壌の有る場所を好む木なんです。
ですから、北海道は明治の開拓があった場所ですよね。
なのでこのハルニレが育っている場所を目印として開拓を進めて行ったらしい。
土中に豊かな水かがあって、土も肥えているわけですから、ハルニレの周辺の土地は作物も育つという事ですね。
なので今でも北海道では、畑の中にポツンと大きなハルニレが立っている場所もたまに見ます。
これは、その土地を拓いた開拓者の記念碑として、また開拓以前から生きているハルニレへの敬意として、畏敬の念をもって遺されたのでしょうね。
不定根
そう言う事で、ハルニレは川沿いにも良く見られます。
やはり水の流れに乗って栄養も運ばれ、ハルニレにとっては好都合な場所なんです。
しかも、川はたまに増水、ひどいときは氾濫しますよね。
すると土砂がドドッと押し寄せて、川沿いに生えている草木をなぎ倒したり埋めたり、となります。
こういう時に、ハルニレが頑張るんです。
突然土砂が押し寄せて、傾いたり埋まったりしますよね。
こうなった時、ハルニレの幹で土に埋まったところから、なんと「根」を出すんです。
本来なら、根というものは決まった場所からしか出ないものです。
ところが、植物によっては「場合によっては、こんなところからも根を出すよ~ん♪」と根を出すものがある。
こういう、決まった場所ではない所から出てくる根の事を、不定根(ふていこん)というのですが、ハルニレはこの不定根を出すんです。
だから川辺に適応した樹木といえます。
ハルニレとエゾリス
余談ながら、ハルニレの葉と実は、エゾリスが良く食べます。
という事は、ハルニレが生えている場所にはエゾリスが来やすいということですね。
散歩中にエゾリスに出会うと、なんだか幸運がやってきたような気分になります。
今度から、ちょっとワクワクしながらハルニレを眺める楽しみができました。
それと、落葉広葉樹ということで、ハルニレのある土地には秋に豊富な落ち葉に恵まれます。
土地の栄養だけではなく、落ち葉を分解する微生物も多いという事を意味します。
ということで、この話はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳い時間をお過ごしくださいませ💐😊