川の魚たちの話⑤

喫茶~言の葉
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☆川の魚 part4

加除式

カジカは、日本の固有種です。
落語に、鰍沢(かじかざわ)というのがありますが、あれは怖い噺ですね。

昔は、蛙(カジカガエル)のように鳴くと思われていたため、この呼び名が付きました。
魚編に秋と書くのは、秋の季語だから。
脂の乗った秋に好んで食べられたからだそうです。

そして、ガサガサした表面をしているので、瘡(カサ、、皮膚病)から変化した名前でもあるとか。

産卵する卵の大きさによって、大卵型・中卵型・小卵型に分けられます。

大卵型は、淡水生で本州四国九州に分布。

中卵型は、川と海を回遊。北海道や本州日本海側に分布。流れの緩やかな小石のゴロゴロした川底を好み、そこに粘り気のある卵をくっつけるように産卵するんですって。
近年、護岸工事やダムなどで、数を減らしていまして、保護の機運も高まっているようです。

小卵型は、四国や、本州の太平洋側に分布で川と海を回遊。琵琶湖にもいるのですが、そこの個体は、淡水生で、一生を琵琶湖内で過ごすという事でした。

おもな食べ物は、水棲昆虫やアユなど。
肉食ですね。

さて、そのカジカの内で、札幌の川で見られるカジカですが、以下の3種類だそうです。
カジカ

エゾハナカジカ

川の下流に多いです。
つまり、川と海を回遊します。(両側回遊性)
1980年までは、ハナカジカと同じ扱いだったそうですよ。
体長は大人でおおよそ25㎝。

見た目もハナカジカとそっくりですが、見分け方は以下のポイントです。

①:体の側面に走る4本の褐色横帯があるんですが、この幅が、ハナカジカに比べて狭いこと。
②:尾ビレの付け根(尾柄)が、ハナカジカに比べて細長いこと。
③:胸ビレの軟条(ヒレの中を走る指の骨みたいなもの)が、15~17本であること。
④:エラぶたの端に、棘がまっすぐに鋭く伸びること。

なかなか素人には難しいですが、知っておいて損はないかなと思いました。
漢字では、蝦夷花鰍。
カジカ

ハナカジカ

川の上流や中流に分布。
同じ川にエゾハナカジカが住む場合は、こちらのハナカジカが必ず上流側に分布することになります。
そしてその川にエゾハナカジカがいない場合は、下流まで生活の場を広げることも確認されているようです。
きっと何かのサインがあるのでしょうね、両者の間に。

そしてこちらは、川のみで暮らす淡水生。
北海道から東北地方にかけて見られるという事です。

体長は大人で、おおよそ15㎝。

ハナカジカの特徴ですが、以下の通りです。
①:体側面に、4つの暗色の斑があること。
②:胸ビレの軟条(ヒレの中を走る指の骨みたいなもの)が、13~15本であること。
③:エラぶたの端の棘が三本で、そのうち一番背中側の先端が、少し曲がっていて、鋭くないこと。

漢字では、花鰍。
カジカ

カンキョウカジカ

北海道の噴火湾、そして日本海やオホーツク海に注ぎ込む川に分布しています。
オスとメスとで大きさが違い、大人のオスで17cmほど、メスの大人で12cmくらい。
水質の悪化には弱い種類。

特徴は、体にある斑紋。
背中に暗色の鞍状斑(背中から腹側へ振り分けたような模様)があり、体全体には、緑褐色の小さな斑点が多数見られます。

腹ビレには茶褐色の筋模様。
エラぶたの端には、棘1本。

漢字では咸鏡鰍。
この咸鏡は、咸鏡道。
朝鮮半島北部でかつて使われていた地名。
そこの標本を元に新種として報告されたので、カンキョウカジカの名が付いた。
東北地方では、護岸工事などで、環境省が絶滅の恐れがある品種に指定されています。
カジカ

という事で、この回はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐

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Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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