土中微生物への贈り物③~竹酢液

竹酢液 水色商店街
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☆植物と木酢液

・木酢液とは

木酢液、「もくさくえき」と読みます。
ザックリ、木酢液が何かと言いますと、木炭を作るときに出るガスや煙が冷やされて液体になったものを言います。
この液が、植物を育てるときに何かと重宝するんです。
炭焼き小屋

・木酢液はどうやって作られるのか

  1. 木材の選択:松や桜など様々な木材が使われます。
  2. 乾燥: 木材を乾燥させて水分を減らします。
  3. 炭化: 木材を専用の窯で低温(約200~500度)で炭にします。
    この過程で木材からガスや煙が発生。
  4. 冷却と凝縮: 窯から出た煙を冷やすと、液体になります。この液体が「粗木酢液」です。
  5. 分離と精製: 粗木酢液に含まれるタール等を取り除いて、品質を高めたものが木酢液と呼ばれています。
    木酢液

・木酢液の成分

主要成分には酢酸、ギ酸、フェノール類、アルコール類、酢酸エステル類、ケトン類、木タールなどが含まれます。
その他の微量成分を含めると、200種以上の成分が入っているそうです。
木を燃焼させて作るため、煙のような匂いと独特のつんとする匂いが特徴です​​。
日本木酢液協会サイトより。
燃えている炭

・木酢液の使用法

土にまく濃さによって、その目的が変わってきます。
①30倍ほどでまく場合は、土の消毒として。
②50倍に薄めてまくと、植物の根っこの生長を助けます。
③300倍ぐらいに薄めてまくと、土の中の善玉微生物を増やす効果があります。
④炭に、薄めた木酢液をしみ込ませて土地にすき込むと、善玉微生物の拠点になります。
⑤400倍ぐらいに薄めて、植物の葉に掛けると、カビの病気や害虫の予防になります。
ここに上げたのは一例。
これ以外にも、あれやこれやと使えますので、ご興味ある方はお試しくださいね。
ただし、いきなり濃く使うのは御控え下さい。
植物によっては濃すぎると害が出る場合がありますので。
木酢液

☆植物と、竹酢液

・シリカ

さて、ここまでは木酢液についてみてきました。
ここからは、竹から作られる竹酢液についてお話していきます。

まず、木酢液と竹酢液がどう違うのかという事なんですが、原材料が違うので、性質も少し変わってくるんです
例えば、同じ効果としては「抗菌・抗ウイルス・防虫・防カビ・消臭・脱臭」という物が挙げられます。
ところが、木酢液にはなくて、竹酢液にあるのが「シリカ」と言う成分。

このシリカは、植物の根の張りをさらに良くしてくれる成分です。
また、水を綺麗にしてくれるので、土の中の状態もさらに良い状態に保ってくれるのです。
あとは、ヒトはある年齢以降このシリカ成分が不足してきますので、つまりは入浴剤としても重宝されています。
竹

・竹酢液の効果

そして竹酢液は、木酢液より良質の肥料を作る力が高いんです。
私はよく、稲わらや米ぬか、そして落ち葉などを微生物発酵させた肥料を作るのですが、その時に使うのが最初は木酢液だったんです。

ところが25年ほど前でしたか、関西の竹炭粉を取り扱ってる業者さんとお話させていただいた折、竹の持つ力と言いますか、魅力と言いますか、それを知りましてね。
それで実際に、これまで使っていた木炭だけなく竹炭と、木酢液と並行して竹酢液も使うようになったんです。

すると、けっこう良いんですね、竹の物が。
どうもカビ病なんかの予防でまくのは、竹酢液の方が効果が高い場合が多い。
もちろん、私が仕事していた環境が、たまたま竹酢液に合っていたのかもしれませんが。

それでついには、自分で作っていた微生物発酵肥料に竹酢液使ってみたんです。
そうすると、発酵の温度の上がり具合がぜんぜん違うんです。
この話は、パンとかご自分で作ってらっしゃる方には分かりやすいかと思います
つまり、微生物たちが活発に活動できている証拠なんですね。

このことがあってから、私は木酢液と竹酢液両方を使うようになってきました。
物によって、使い分けたり、もしくは状況に応じで比率を変えて混ぜて使ったり。
実に奥が深く楽しいものです。
竹炭

☆まとめ

木酢液と言うのはご存知の方も多いです。
なのでよく「竹酢液って何が良いのですか?」とご質問を頂きます。
つまりは、こういう事なんです。
どちらも同じ炭化作業の途中で出てくる液の事。
なので作用も似ています。

ところが、竹でないと得られない効果もあるんですよ、という事なんです。
ただ、木の炭より、竹の炭の方が生産量も少ない。
だから、木酢液よりも竹酢液の方が作られる量が少なく、したがって、単価も高めになることが多いという事です。

皆様も、もしご興味お有りでしたら一度、せめて半年ぐらい、木酢液と一緒に(比較しながら)お使いになるとその魅力を発見できると思います。
でもけして、木酢液がダメだという事ではありませんので、そこはそれ、です。
竹酢液

では、ここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
今日が佳き日でありますように💐

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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