☆おもしろい花の構造
もげた蕾を分解してみます!
昨日お伝えした椿の蕾ですが、このまま捨てるのも忍びないので、分解してみることにしました。
< 我が家の椿、事故にあう
中身がどうなっているか、気になる方もいらっしゃると思いましたので。
椿の花と申しますのは、ご存知の通り花の時期が終わりますと、首からポトリと落ちてしまいます。
花びらが一枚一枚ハラハラと散るものでは無いのですね。
これには理由がありまして、その理由とは、椿の花が虫ではなく鳥に頼って受粉するからです。
まずはちょいと、分解して蕾の中を覗いてみましょうか。
椿の咢(がく)
まず、昨日私のミスでもげてしまった蕾。
この内、大きい方を分解してみましょう。
まずは蕾の一番外側。
少々茶色くなって蕾を覆っているものを、咢と申します。
これを一枚一枚剥がして行ってみますが、もう硬く乾いていて、パリパリと割れやすくなっております。
ごめんなさい、どうしても割れてしまいます。
まだ内側の方が、割れづらいですね。
咢は一つの花に五枚付いておりました。
三枚の咢を取ったら、花びらがこのように見えてきました。
椿の花びら
では次に、花びらが重なっていますので、こちらも慎重に剥がしていきます。
最後の咢を取り去って、、、、
いよいよ、花びらを取り始めます。
写真向かって右上から取れた順番に並べて行きます。
五枚並んだら、次は二列目から右から左へ。
二十一枚取り去った時点で、蕾はこのようになりました。
椿のオシベ
まだ花びらが残っているように見えますが、こちらは純粋な花びらではなく、半分花びらで半分オシベという状態のものです。
少し内部が見えるように、指でほぐしました。
アップ画像です。
ボールペンの先で示しているのが、メシベです。
この画像のアップ。
黄緑色のメシベが確認できますよね。
ではこれから、オシベを取り去っていきます。
とは申しますものの、椿のオシベは木ノ子みたいになっていますので、ごそっとこういうふうに取れます。
上の方にあるのは、オシベと花びらを足して二で割ったような、、、
オシベが半分花びらに変化した器官です。
こうやってオシベは互いの根元でくっつきあって、メシベを護るように花の中にあるんですよね。
中央の黄緑色がメシベ。
そしてそのメシベの根元の楕円形に見える黄緑が子房、つまり後に種になる部分です。
椿の子房
椿の花をこうして分解してみましたが、実は花びらもオシベも根元で一つにくっついている特殊なつくりをしております。
だから花の時期が終わって、ポトリと丸ごと花が落ちるのです。
こうして花びらとオシベ全体がくっついている理由は、受粉してくれる鳥たちが、花びらやオシベの隙間から蜜だけを吸わないようにする椿の工夫です。
花びらとオシベがしっかりくっついていれば、鳥は正面から頭を突っ込んで蜜を吸うしか手がありませんので、その方向だけに花粉やメシベを向けていれば効率の良い受粉が行われるからです。
そして受粉が無事に終わると、椿の花は、メシベと外側の硬い咢だけを残して根元からするりと落ちてしまうのです。
咢が最後の最後まで、種が育つのを見守るのも凄いと思います。
見方を変えると。
椿の蕾はメシベがきちんと受粉するまで十重二十重にメシベを護って、ゆっくりと開いていくのですね。
何と巧妙な仕組みでしょうか。
そんな巧妙で繊細な蕾を二つも不注意で落としてい舞った昨日の私。
反省しきりの金曜日であります。
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊