< 花菖蒲~虫の目線で①より続く
☆ハナバチの花粉集め
花菖蒲のオシベと花粉の位置
さて昨日の続きです。
あれからハナバチを観察しまして。
時間にして10分ほどでしたが、撮影できました。
ハナバチはこの、外花被と花柱枝との間を通って、中に入ります。
そして、蜜や花粉を集めるのです。
拡大してみましょう。
花柱枝の上側についているこれがオシベで、黄色く見えるのが花粉です。
下の黄色は蜜標なので、別物です。
それで一番奥まで潜ると、蜜にありつけて、更には花粉も沢山身にまとう事ができるという訳です。
ちなみにメシベは花柱枝ですから、こちらもハナバチが他の株から花粉を持ち込んでくれた時にハナバチの体から花粉を頂きめでたく受粉するという仕組みであります。
この写真では、下の黄色が蜜標。
その上にチョンと突き出たように見える二本の線がオシベと花粉。
その上の横に走る折れたように見える線が、メシベの頭となります。
ちなみに花柱枝を少し持ち上げると、蜜標の奥が見えます。
花粉がいっぱい落ちていますね。
きっとハナバチたちが沢山通ったのでしょう。
ハナバチの花粉集め
さてハナバチです。
朝の方が良く活動するのかもしれませんね。
涼しいですし。
ご覧になれますか?
蜜標の奥に入って行くハナバチです。
しばらく入り口辺りで花粉を集めていました。
そこから奥の蜜を集めに行ったのでしょう。
30秒弱の時間、姿が見えなくなりました。
そして一仕事を終え出てきまして、ここで花粉を再び集めに入ったようです。
多分ですが、蜜が体に付いているので、その粘り気で、より多くの花粉が集められるのでしょう。
ごらんのように、しっかりと花柱枝(メシベ)に背中がくっついております。
ハナバチは食べ物にありつけ。
花菖蒲は受粉をしてもらい。
互いに持ちつ持たれつ。
これを共生関係と申します。
素晴しいやら美しいやら。
進化とは誠に絶妙な芸術だと私は思います。
最後はしっかり花粉団子と呼ばれるものを後ろ足付け根にくっつけているのが確認できました。
なんだか私までお腹いっぱいになったような心持ち。
どうですこういうのは。
いえ、小学生の皆さん。
お父さんお母さんと一緒に野に出て、スマートフォンを借りて撮影しながらハナバチ観察。
こういう生き物に支えられて、人は生きていけるのですから。
なんと壮大な夏休み自由研究のテーマでしょうか。
などと、夏休みも始まっていないこの時期に提案してみました。
そうそう。
ハナバチは、普通にしていれば刺してくることもないおとなしい蜂ですので、どうぞ怖がらずに、感謝をもって観察してみてください。
とても素敵なドラマを素直に受け取る感性を育てるには、子供のころの体験がとてもとても大切なので。
この夏、是非。
では最後に、先に咲いていたもう一つの花菖蒲でも花粉集めをしていましたので、そちらの写真も載せておくことにしましょう。
と言う事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊