☆広島県 冠遺跡での調査
日本人の歴史更新
広島県冠遺跡から出土した石器が、奈良文化財研究所の国武貞克主任研究員の調査で判明した、というニュースがありました。
読売新聞の記事です。
この調査結果が出るまでは、日本では長い事38000年前に作られた石器が一番古い石器でした。
ところが今回の調査では、これまでの物より5000年ほど古い42300年前の石器と判明。
つまり日本列島には今から四万二千三百年前に人類が居たと証明されたことになるわけです。
日本では、旧石器時代→縄文時代→弥生時代→古墳時代→飛鳥時代→奈良時代(以下略)という時代区分になっております。
そして、縄文時代が始まったのは約14000年前からですから、今回の石器が作られた時代は縄文以前の旧石器時代という事になります。
その旧石器時代が、今回の発見で一気に5000年、過去に長くなったということなのです。
旧石器時代については、西暦2000年に起こった、民間業者によるいわゆる旧石器捏造事件が記憶に新しい、、、と書いてふと思いました。
もうあの事件は25年前になるのですね、四半世紀。
旧石器時代3つの区分
旧石器時代には、3つの区分があります。
それは以下の通り。
①前期旧石器時代(260万年前~20万年前)
人類はホモ・ハビリスか、ホモ・エレクトス。手斧が使われていた時代。
②中期旧石器時代(20万年前~4万年前)
人類はネアンデルタール人が勢力拡大。剥離石器が主流。
③後期旧石器時代(4万年前~1万3000年前)
人類はホモ・サピエンスが主流。石器も高度化して行き、言葉が複雑化。ホモ・サポエンス以外の他の人類は消滅。
新石器時代
余談ですが、旧石器時代があるのですから、それに対する新石器時代という言葉もあります。
ところがこれは、日本においては縄文から弥生時代となっております。
元々この新石器時代というのはヨーロッパの考古学上の言葉として生まれたものです。
ところが日本では旧石器(石器使用)から土器文化に移行したとされていますので新石器ではなく、縄文・弥生となったと聞いております。
うろ覚えな記憶なので、ご興味ある方は是非お調べになってください。
面白いですよ、遥か遥か大昔の話は、浪漫です。
ゴットハンド旧石器捏造事件
2000年に発覚した神の手旧石器捏造事件。
これはアマチュア考古学研究科で、「神の手」の異名を持つ藤村氏が25年間続けてきた自作自演の石器発掘捏造が、毎日新聞のスクープによって発覚した事件でした。
藤村氏は各地で、旧石器時代の石器を発掘。
その発見された地層から、これまでは日本には無かったとされる前期・中期旧石器時代の石器と認められ、日本には70万年前から人類が暮らしていたとして教科書にも記載されておりました。
藤村氏の提唱する、前期・中期旧石器時代の日本人の存在に対しては、発表当初には学会から反論反発もあったみたいですが、その後25年に渡り、自分で埋めて自分で発掘するという偽装を続けて前期・中期旧石器時代の日本人の存在を押し切ったわけです。
その藤村氏が発掘した石器はおおよそ3500点と申しますから、これが真実だったらまさしく神の手でありました。
ところが西暦2000年に自作自演が明るみに出て、藤村氏の嘘が判明し、日本の考古学は大激震。
そこで日本人の歴史は70万年前から一気に巻き戻されて、3万8千年の石器が間違いなく最古となり。
つまりはそれが、3万8千年には日本列島に日本人が居たという証明とされたのです。
もちろん、その3万8千年の石器の発見者は、藤村氏ではありませんでした。
いつから日本に人類が居たのか?
そんな流れで来て、今回の広島の冠遺跡での発見です。
4万2千300年前の石器と分かったわけですから、これは大変な発見です。
後期旧石器時代の始まりか、中期旧石器時代の終わり頃の石器が日本で発見されたのですから。
現在の日本文化の源流ともなった縄文文化。
その素地が中期旧石器時代まで遡るとなると、こちらも浪漫です。
こういうニュースに触れると、どうも朝からワクワクが止まりません。
まぁ中期旧石器時代の事ですから、それが分かったからと言って今日の私の食生活や予定が変わるという訳ではありませんが、浪漫ですからそれで良いのです。
と言う事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊