☆スイス・チューリヒ大学などの共同研究グループ発表
・ある音についての記事
今日は、私たちの心身の健康を保ってくれる「音」についてのお話。
さて、「ある特定の音」があります。
この音、リラックスや集中力アップに役立つと注目されているんです。
この音を聴きながら床に就くと深い睡眠を促すというんですね。
しかも、起床後の記憶力アップにつながる。
さらに、心機能にも良い影響があると最近分かってきました。
スイス・チューリヒ大学を中心としたグループの研究では、健康な男性がこの音を聴きながら睡眠を取ったところ、記憶力の改善と心臓の収縮機能の向上が見られたというんですね。
このように、「ある特定の音」は、睡眠や記憶力の改善、さらには心機能の向上に寄与する可能性があるというんです。
これ、今朝読んだ、医学ライターの井手ゆきえさんの取材記事。
ここに書かれた、ある特定の音とは、「ピンクノイズ」なんです。
なにそれ?って興味があったので、調べてみました。
・ピンクノイズ
さあそこで、ピンクノイズについて調べてみました。
出てきた情報をまとめると、こんな感じになります。
※General Healthcare Resourcesのサイトより。
ピンクノイズとは、周波数が低くなるにつれて強くなるカラードノイズの一種。
このノイズは、自然界や生体信号によく見られ、ヒトが心地よいと感じられることがある。
例えば、滝の音や波の音に似ており、リラクゼーションや睡眠の助けになるとされる。
科学的研究によると、ピンクノイズは睡眠の質を向上させる効果があるとされ、現代では多くの睡眠療法士が、より良い睡眠を得るためにピンクノイズを推奨している。
なんだか、ピンクノイズと言うのが、体に良い音だというのは何となくわかります。
しかし、そもそも、ノイズ(雑音)にピンク(桃色)がくっついてる理由が分かりません。
分からないままなのは悔しいので、もう少し調べてみました。
☆カラードノイズ(有色の雑音)
・ノイズ
ヒトの脳って、一度にいろんな音を同時に受け取ったとき、それをノイズ(雑音)として捉えるんですって。
ザックリ言うと、その雑音に含まれる音の種類によって、何パターンかに色分けされているのがカラードノイズというらしいんです。
そしてまず、一番最初に名付けられたのが、ホワイトノイズらしいんですね。
・色と光の三原色
印刷物や絵の具では、色んな色を混ぜ合わせると最後には黒になります。
これを「減法混色」と言うのですが、この大元の3つの色が、次の3つです。
赤紫(マゼンダ)、黄(イエロー)、青緑(シアン)
図にすると、こちら。
色の三原色、と呼ばれています。
一方、光では、色んな光の要素がまんべんなく加わると、最後には白(透明)になります。
これを「加法混色」と言います。この大元の3つの光が、次の3つです。
赤、緑、青
図にしたら、こうです。
光の三原色と呼ばれています。
・余談ながら、白と透明の違い
太陽の光は、全て混ざっているので白色光です。
あれ?透明でしょと思われる方もいらっしゃいますよね。
これは、白色光の性質が関係しています。
白色光がまっすぐに進むと、透明。
それが細かな水の粒(例えば霧とか)にあたってあちこちの方向に乱反射すると白色。
こうなるわけです。
そのイメージがしやすい絵を、森を背景に描いてもらいましたので、掲載します。
・ホワイトノイズ
このように、広い範囲の光をまんべんなく集めたのが白色光です。
このイメージで、広い範囲の音域を、まんべんなく集めたのが、ホワイトノイズというんですね。
どういうことかと申しますと、全ての領域で、同じ量のエネルギーを使っている音。
つまり、カラードノイズという考え方は、光の性質を音に転用して生まれたのです。
だから、最初に生まれたのがこのホワイトノイズという物なんです。
そしてこのホワイトノイズ。
ヒトにとって不快な雑音を消す効果もあるそうです。
素晴らしい。
そして、このホワイトノイズを基本として、各パターンのノイズを色で分類されていったみたいですね。
☆カラードノイズの種類
カラードノイズには、ホワイトノイズの他に5つの明確なタイプがあります。
それを書きますね。
・ピンクノイズ
しばしば自然現象などで見られ、周波数が1/√f(fは周波数)で減少するため、人間の耳にとってより快適で、自然に聞こえることが多いらしいです。
1/√fは、ゆらぎ、といって一時期物凄く注目されましたよね。
癒しをもたらす、1/fゆらぎ。これは生体の電気信号にそっくりなリズムで、世界中でいまだに研究され続けています。
ヒトはこれに、快適さを感じるようです。
この1/fゆらぎを持つノイズなんです。
・ブラウニアンノイズ
空気や水中に漂う微粒子の不規則な運動の法則を、ブラウン運動と言うのですが、そこから持ってきた名前だそうです。
この茶色の雑音は、周波数が上がるにしたがってパワー密度が低くなる任意のノイズのことらしいですが、良く分りません。
効果としては、集中力を高め、またリラックスを深めて寝付きやすくなるという事が挙げられるそうです。海外では話題の音らしいですよ。
・グレイノイズ
ホワイトノイズと比較して、このグレイノイズには、人間の聴覚は過敏になる周波数が存在している、とのことです。
(音響心理学の研究)
・ブルーノイズ
人間の感覚からして、最も「偏りが無く、均等にバラバラ」な雑音だそうです。
効果としては、学習能力向上と最適解への(つまりベストな解答への)時間短縮もできるらしい。
なんだか、工業的にも使われるそうなんですが、どうにも私には不得手な分野ですので、ここはパス!
・パープルノイズ
高音域に偏ったノイズ。
そして、高周波ほど強い。
バイオレットノイズとも呼ばれる。
☆それ以外のカラードノイズ
・グリーンノイズ
ここからは、しっかりと定義されていない、けれど需要と思われるノイズを二つ。
まずは、グリーンノイズ。
先ほどのホワイトノイズから、高い音域と低い音域を取り去った、中音域のノイズ。
自然をイメージさせ、ストレスを軽くし、集中力を高め、睡眠を深くするという雑音です。
聞いてみたけれど、聞きやすい音でした。
・ブラックノイズ
無音とのことです。
これは多分、人の耳については、無音という事でしょうか?
調べると、周波数20ヘルツ以下の超低周音のこと、とありました。
私たちの耳で聴きとれる音は、上が20000ヘルツから、下は20ヘルツですから、音はしているけれど聞こえない雑音ということでしょうか。
☆まとめ
雑音に色づけをしているなんて、知りませんでした。
そしてその音域帯によっては、心身の健康や、睡眠状態、そして脳の働きにも影響があるんですね。
まだまだ世界には知らないことがあふれています。
面白いです。
ちなみに、音色と言う言葉がありますが、こちらは音を中心に持ってきた言葉ですよね。
カラードノイズというのは、雑音の周波数によって性質が変わることを指します。
近いようで、違うものです。
しかし、音に色を付けた音色と言う言葉、つくづく日本人の感性に嬉しくなりました。
さて、最後までお読み下すってありがとうございました。
今日が佳い日でありますように💐