紅葉の理由

もみぢ 命の不思議
この記事は約3分で読めます。

☆離層形成という仕組み

紅葉と黄葉

寒暖の差が激しくなってきた札幌です。
今朝は雨、そして強い風。
これが季節の代わり目がやってきている証拠。

この変わり目を感じた植物達で、紅葉(黄葉)を始めるものもあります。
例えば、楓(かえで)。
これは紅葉の代名詞となる植物でもありますよね。
銀杏(イチョウ)も、そうです。

我が家の楓と銀杏の今の様子がこちら。
先に楓。
こちらが紅葉。
紅葉と離層形成
そして銀杏。
こちらは、黄葉。
紅葉と離層形成
秋に見られる落葉樹の葉の色変わりを、赤も黄色も同じように「こうよう」と発音するところも日本語の妙ですね。

広葉樹について

広葉樹(こうようじゅ)と読みます。
樹木の葉が平たいものの事です。
栃の葉
一方、針葉樹(しんようじゅ)というのもあります。
こちらは、樹木の葉が細長く尖っているものです。
松の木

さて、広葉樹ですが、これは二つに分けることができます。
一つが、常緑広葉樹。
一年中、葉が緑もしくはそれに近い色で、季節に関係なく常に葉をつけている樹木の事です。
そしてもう一つが、落葉広葉樹。
こちらは冬に葉を落とす樹木で、その落葉前に葉を紅葉させるという特徴があります。
楓を「もみじ」と呼び、それが代名詞となってはおりますが、本来は「もみじ」=楓ではなく、落葉広葉樹が、秋に紅葉(黄葉)する現象のことを指します。
もみぢ

もともとは、「もみち」
紅花(ベニバナ)で染色した反物を、川の中で揉んで余分な色を流し出すことが由来です。
揉んで血のような赤を流し出す、というのが「もみち」であり、その行為を「もみつ」と言ったそうですね。
もみぢ
それが平安時代以降、もみぢ→もみじと変化して行ったのだそうです。
そう言えば京都の清水寺に向かう産寧坂あたりに、もみぢ屋というお店があって、嬉しくなった思い出があります。
もみぢ

紅葉の仕組み

ここから、落葉広葉樹の秋の色変わりを、紅葉に統一しましょう。

なぜ、落葉広葉樹の葉が、秋になると色づき、やがて落ちるのか。
その仕組みは、こうです。
紅葉と離層形成

寒くなると、葉の付け根に「離層」と呼ばれる壁が作られます。
紅葉と離層形成
この膨らんだ部分が、我が家の楓の離層でして。
紅葉と離層形成
紅色と橙色の境目に離層ができています。
このために、葉で作られた栄養分が枝に流れることができずに段々溜まっていきます。
なので葉の色が変わるのです。
つまり、もみじとは、葉に栄養がいっぱい溜まっていく状態でもあるわけです。
そして目一杯、葉や葉の軸(葉柄といいます)に栄養分が溜まった時に、ハラリと離層から離れて地面に落ちる、これが落葉であります。
山歩き

つまり、栄養たっぷりの葉が地面に落ちることで、その土の栄養になって行くわけです。
そうして肥えた土は、春になって多くの植物を育んでくれるという循環が生まれるのです。
もちろん、植物だけではありません。
植物が豊かに茂るという事は、そこで暮らす昆虫や微生物、そして動物達にも多くの恵みをもたらしますから。
紅葉と離層形成
どうです?
銀杏の離層、ハッキリしてますでしょ。
紅葉と離層形成
そんな感じで我が家の庭もにぎやかです。
私は落ち葉をゴミに出したり、燃やしたりは致しません。
先ほどの理由で、土に還すのが一番だと思うからです。
もみぢ
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
命の不思議
シェアする
KAZUHIKOをフォローする
タイトルとURLをコピーしました