朗報~国産肥料の話

肥料 植物最新情報
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☆ガンバレにっぽん!

・工場排水の再利用

おはようございます!
今日も読んで下すってありがとうございます。

先ほどネットを見ていたら、嬉しいニュースを見つけました。
それがこちら、「工場排水を、植物の肥料に」
なんてすばらしい事でしょう。
危険?って思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

でも、大丈夫。
工場排水が全部危険なわけじゃないんです。
農水省のホームページに、その紹介記事がありますので、リンクを貼っておきますね。
< 農水省関東農政局静岡県拠点トップページよりの資料

・植物に必要な「リン酸」という肥料

ところで、「チッソ・リン酸・カリ」という言葉、どこかで聞いたことありませんか?
もしかしたら学校で習って、覚えてる方もいらっしゃるかとも思います。

これらは植物が育つのに必要な、三大栄養と言われています。
そのうちの、リン酸。
ただ、「リン」とも呼びますね。
このリンを、工場排水から肥料として作ることができてるって言うんです。
これ、最高ですよ、ほんと。
今までは、海外からの輸入に頼るしかなかったんですから。
肥料

・政治の道具になる肥料

さて、そのリンは、植物にとって必要な肥料ですが、もとは「リン鉱石」という石から作られています。
実は今、そのリン鉱石が、採掘されて少なくなってきているというので世界的に問題になっているんです。

日本の場合を見てみると、これまではアメリカからの輸入が主。
ただそのアメリカも資源が少なくなってきているので、輸入先を中国とかに移してきたんですね。
そこに起こったのがロシアのウクライナ侵攻です。
世界の流通は不安定になり、リンを買わせてくれていた国が、もう外国には売らないと言い出したので値段は高くなりますよね。
「売らない」といえば値段が高くなる、植物の世界に人間の政治が関わってくるのです

実際に、肥料の値段がここ2年でかなり高くなって行ってます。
冗談でしょというレベルでの高騰。
当然、野菜や果物、家畜のエサになるのも植物ですから、私たちの食べ物も値段が吊り上がってくるのです。
リン鉱石 採掘現場

・リンの環境汚染が、かなりヤバい事になってます

一方で、私たちが肥料として使った残りのリンが、海に流れ出して環境を変えつつあります。
環境省の、「平成30年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」によりますと、リンが海に流れ込む量が、もうとっくに限界を越えており、大変不安定な状況になっているとのこと。

これは海の生き物の大量絶滅を招く恐れがある、というレベルに近づいているらしいのです。
この大量リンの海洋流出は、気候変動の問題と同じぐらいに危険なものだというんですね。
あまり知られていない話ですが。

・リン再利用の大事さ

そんな背景の中、今朝知ったnewsが「工場排水を植物の肥料に再利用」だったんです。
これはいい。

工場排水と言っても、「車の塗装の前の段階で、塗装をしやすくするために、リン酸を多く含んだ水」を使うそうなんですね。
そのリン酸を多く含んだ水が、これまでは一日およそ13トン出ていたそうです。

その排水から、リン酸を取り出して肥料にしているという話。
肥料の名前は、「工場の恵み」と言います。
「こうばのめぐみ」と読みます。

資源も少なくなってきており、さらに輸入に問題がある。
加えて環境破壊も進んでいて、植物や人間にどうしても必要な要素のリン。

あ、そうそう。
人体の約1パーセントは、リンでできています。
この内2割弱が筋肉、残りは骨や歯ですから。
人にとっても大事な栄養素なんです。

こういうリンだからこそ、少ない資源を再利用することが大事なんですね。
そして、こういう企業を私たちはもっと応援していかねばならないと思うのです。
TF-METAL、凄いです。
肥料

最後までお読み下すって、ありがとうございました。

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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