☆朝露が凍りだす直前の頃
今日から二十四節気の寒露(かんろ)の時期に入ります。
こちらは、外の気温が下がり、朝露が凍りはじめる一歩手前の頃という意味です。
寒露になると当然肌寒くなり、服も冬仕様となって来ます。
ところが全国の最低気温予測を見てみますと、これからの二週間はおおよそこのようになっています。
北海道で14~8℃
東北で15~12℃
関東・甲信で20~15℃
北陸で17~15℃
東海で20~17℃
近畿で20~16℃
中国で19~16℃
四国で22~16℃
九州で21~16℃
沖縄で26~24℃
やはり北海道だけが旧暦の寒露に当てはまるのかなと。
京都基準で作られた旧暦がこのようにズレるのは、温暖化という事でしょうか?
はたまた、現代の気温予測が外れるのでしょうか?
さて、どうなりますやら。
☆寒露の期間
今年の寒露は、今日10月8日~10月22日まで。
上記のザックリとした地域分けと最低気温がどうなっていくのか、ちょっと注目してみようと思っています。
ちなみに、秋の気温が高いと野草もまだまだ元気で花を咲かせ受粉し、種を作り飛ばします。
ということで来年春の、いわゆる雑草が大変なことになり、農家さんなどは大変困ることになります。
文字にすると簡単ですが、実際に忙しい春先から雑草が多いと、農家さんの労力というものは格段に大変になるのです。
さて、ここからはいつものように七十二候に参ります。
初候:鴻雁来(10月8日~10月12日)
鴻雁来(こうがんきたる)と読みます。
これを、「がんきたる」と読む場合もあるようですが、私はやはり鴻雁(こうがん)と読みたいですね。
雁(がん)とは、鴨(かも)よりも大きく白鳥よりも小さい水鳥たちの総称です。
鴻(こう)とは、大きな水鳥とか、単に大きいという意味。
コウノトリという名前も、鴻から来ているのでしょうね。
そして鴻雁と続けて書くと、これはカモ科マガン属のヒシクイのことです。
この仲間で日本に渡ってくるのは、オオヒシクイとヒシクイの二種。
ヒシクイの名前は、硬い菱(ひし)の実も食べる事から。
1971年に、国の天然記念物に指定されています。
鴻雁と書いてヒシクイ。音読みでコウガンとなります。
次候:菊花開(10月13日~10月17日)
菊花開(きくのはなひらく)と読みます。
旧暦の九月九日は、今年は新暦の10月11日に当たります。
この日は、重陽の節句であり、別名が菊の節句。
菊が日本に入ってきたのが奈良時代。
薬として輸入されました。
そして鎌倉時代の初めに、後鳥羽上皇が菊の花を天候家の家紋となり、秋を象徴する花となりました。
そういう背景もあり、菊の花が開くこの時期は、日本人の季節感にとっても特別の意味になったのです。
ちなみにその後は菊も改良され、春以外は年中菊の花の収穫出荷が行われています。
末候:蟋蟀在戸(10月18日~10月22日)
蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
秋に鳴く虫が、家の戸口まで来て鳴く時期という事ですが。
蟋蟀と書けば、今では「キリギリス」とは読みません。
コウロギと読みますよね。
ここがまた日本語の歴史の微妙な所で。
万葉集の時代には、コオロギは、秋に鳴く虫のこと全てを指していました。
秋風の
寒く吹くなへ
我が宿の
浅茅(あさじ)が本(もと)に
こほろぎ鳴くも
ここでは、秋に鳴く色々な虫がいる景色が詠まれています。
余談ですが、、、飽きて泣くから、お前は泣き虫だなんて言われるようになったのでしょうか?
それはさておき。
あの新古今和歌集に、キリギリスが登場します。
きりぎりす
鳴くや霜夜の
さむしろに
衣片敷き(ころもかたしき)
ひとりかも寝む
ここでいう、キリギリスとは、実はコオロギだと言われています。
こんな風にして、漢字と大和言葉と、その意味と指すものとは交じり合いながら今の形に落ち着いて行ったのです。
なので蟋蟀と書いてキリギリスと読んだのは、そういう言葉が混沌とした時代の名残りだという事でしょう。
長くなりましたが、夜に戸口近くで鳴く虫の声に、秋の終わりをしみじみと感じる時候という事であります。
☆最後に、今日の札幌
どれ朝露の写真でも撮影しようかと朝4時に起きたのですが、天気予報に反して雨。
現代科学であっても、6時間後の天気予報が外れるんですから、先述の全国の2週間天気予報も、、、
皆まで言いますまい。
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊