☆弥生杉
先日の超大型台風10号ですが、超低速なうえに迷走し、各地に被害をもたらしました。
この台風で、屋久島にある樹齢3000年と言われている弥生杉が下の方から完全に折られてしまったというニュースが数日前にありました。
弥生杉は、高さが26.1m
おおよそ大人の胸の高さでの幹回りが8.1m
実に立派な杉で、観光名所の一つにもなっていました。
それが根元から1.5mほどを残し、瞬間最大風速46.8mの暴風雨に折られてしまったのです。
これはとても残念な事ではありますし、自然が好きな方の多くは哀しく受け止めていらっしゃるかもしれません。
ただ、今回の倒木は、自然の出来事の中で起こった事ですから、私達はありのままに受け止めるのが一番だという気がしています。
植物というものは、ずっとずっと大昔の祖先が、動物達と同じでありますが、違う進化の道を進んできています。
なので今回の出来事は、46.8mの暴力的な風に私がヘソから上を折りとられて命を奪われてしまうのとは意味合いが違います。
あきらかに、違うのです。
写真は、無事な時の弥生杉
☆倒れてしまった幹の希望
幸いに、と申しますか。
杉の木は、挿し木(さしき)ができます。
これはどういうことかと申しますと、例えば。
私の髪の毛を1本切って、土に差し込んでおくとやがてDNAも全く同じの私がそこから生まれてくるという増殖法のこと。
つまりクローンが、植物の多くで挿し木を用いて案外簡単にできるのです。
杉の木は、その葉を切って簡単増やせますので、倒れた弥生杉から葉が弱らないうちに沢山挿し木をしておけば、再生すると思います。
当然、屋久杉はプロが管理されていますので、そういうことがもう、すぐにでも行われてるんじゃないかと思います。
これは、種で生まれた命ではないですので、やはり3000年続く命の、一つの形です。
それとも何か法律で、屋久杉の挿し木増殖禁止などというつまらない決まりがあったなら、無理ですが。
ご参考までに、新潟森林研究所の杉の挿し木の関する記事へのリンクを以下に貼っておきます。
森林研究所たより~スギの挿し木
☆株元1.5mの希望
植物の一番大事な部分というのは、根です。
極端に例えるなら、人で言う脳と腸。
まぁこの例えは大ざっぱですが。
今回、この弥生杉の株元が1.5m残っていますので、それまで26.1mをずっと支え育み続けた根は健在なわけです。
ここさえ傷んでいなければ、、、傷んでないと思われますが、折れたところから新しく芽吹きが起こると思われるのです。
ちなみにこちらは、切り株更新と言われる現象です。
大きめの木の切り株から、その木の新芽が芽吹いてくる現象です。
人で例えますと、生まれ変わりではなく、若返りであります。
今回折れてしまった弥生杉の根元から出てくるかもしれない新芽は、壮大な姿ではありません。
しかしDNAは完全な弥生杉ですから、それを分かったうえで見ると、とても愛しいものです。
屋久島の場合、こうした芽吹きが起こったならばきっと、こう命名されることでしょう。
二代目弥生杉と。
もちろん、その二代目というのは人間の感覚でして。
弥生杉にとっては、折れた3000年分も、新しく芽吹くかもしれない小さな新芽も、自分は自分なのです。
3000年生き続けていることに、何ら変わりはありませんので。
私は弥生杉芽吹きのニュースに期待して、耳を澄ませておきます。
がんばれ、弥生杉!!
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊