☆川辺の植物忘備録
エゾニワトコ①
エゾニワトコの木を見つけました。
川沿いの小さな道脇です。
この実が印象的で、色づくとこんな感じになります。
水気が多く日当たりの良い場所が好きで、山などにたまに見られますね。
エゾニワトコの名が示す通り、北海道では普通に見られます。
ニワトコ
ではそれ以外の地域にニワトコはないのかとなると、これがあるんです。
こちらは、ニワトコ。
いえ、分布から言うとこちらがメインですね。
本州・四国・九州にと分布。
湿った土が好きで、しかも日当たりの良い場所が好き。
高さ3~5m。
花の時期は3~5月。
かわいい花でしょ♪
葉と枕詞
葉は対性、奇数羽状複葉という付き方をしています。
なので万葉集の時代では、迎ふの枕詞として使われていました。
写真のように互いが向き合って付くので、招く・出迎える・呼び寄せるの「迎ふ」の枕詞になったようですね。
なんとも、日本人の感性は素晴らしいものだと胸打たれます。
あ、そうそう。
枕詞に「ニワトコ」を探しても出て来ません。
「山たづ」というのがニワトコの別名で、「山たづの」が枕詞として使われているのです。
なので、山たづの~迎ふとなります。
また、たづは、鶴の古い呼び方なんです。
もう少し詳しく申しますと、詩歌に使う場合の雅言(がげん)です。
万葉集の中にも、こちらの「たづ」を詠った歌もあります。
例えば、このような歌。
「旅人の宿りせむ野に霜降らば 我が子羽ぐくめ天の鶴群」
(万葉集第9巻1791番歌)
「たびひとの やどりせんのに しもふらば あがこはぐくめ あめのたづむら」
これは遣唐使として大陸に向かった我が子を案ずる母の歌で、私の子が野宿して霜が降るほどに寒い明け方になりそうなときは、その羽で温かく覆ってあげてね、空を行く鶴の群れたちよ、という意味です。
まぁでもこの場合のたづは、完全に動物の鶴でありまして、山たづの出番では無いですね。
脇道に逸れ過ぎました。
ただ、山たづと鶴とが全く関係ないかというと、そうでもないんです。
たづ=鶴の場合、ニワトコの葉の並びが、羽を広げた鶴のイメージということで、山の鶴となったとか。。
言われてみれば沢山の鶴が舞っているような気もしてきますね。
では実際に山たづそのものを詠いこんだ歌はないのかと問われますと、、う~ん、、そこらに関しては調べ切れておりませんm(__)m
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊