二十四節気~立春

春景色 喫茶~言の葉
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☆暦の上では、今日から春になります

立春の範囲

各地でまだ寒さ厳しい毎日となっておりますが、今日は立春です。
太陽は日毎に勢いを増して、昼の時間帯がハッキリと長くなっていく頃。
そして今日からは、春の気配が少しずつ深まっていくという日です。

立春も他の節目と同じように、太陽と地球の位置によって微妙に変わります。
ですので、新暦では、3日から5日のいずれかの日に来ることになります。
ただ今後80年ほどは3日か4日のどちらかなんですよ。
残雪

年の始まり

さてこの立春ですが、二十四節気では一番最初の節気に当たります。
つまり今日が、一年の始まりとなるわけです。

この二十四節気の内、時に重要な節気を四立(しりゅう)と申しますが、これは立春・立夏・立秋・立冬の事。
その中で、年の始まりの節気である立春は特に重要なのです。
花札で例えれば、松に鶴でしょうか。
花札(光札) 一月 松に鶴

また、年の始まりが立春だという事を理解すると、見えてくることがあります。
例えば、春節。
この時期がそう呼ばれ、旧暦使用国ではお正月休みになりますよね。
また日本では、新暦に移った今でも「初春」や「新春」などの言葉が残っておりますが、新暦のお正月に「春」という言葉が全く合わないのは、そういう事です。

また、一年の基準が立春であることの証として、八十八夜とか二百十日がありますね。
これは立春から数えて88日目が八十八夜
同じく、立春から210日目が二百十日
どちらも季節の変わり目として重要な、雑節の一つであります。

あ、そうそう。
今日から、寒中見舞いではなく、余寒見舞いに変わりますので、お手紙出される方はご注意を!
つくし

☆立春の期間

今年の立春の期間は、新暦の2月3日~2月17日。
まぁ春とは申しましても、北海道などの北国ではまだまだ寒さが厳しい時期が続きます。
札幌などはこれから1週間は最低気温がー5℃ほど。
これではいったいどこが春?という感じですが、太陰太陽暦が京都あたりを基準として作られた暦ですので、これは仕方のない事ですよね。

そして次の二十四節気が雨水。
その前日の2月17日(新暦)までが立春の期間となるわけです。
そこまでに徐々に春の気配がクッキリと現れてくるはず、、、です。

特に今年は閏六月がありますので温かい(暑い)年。
なので、春の訪れも早いと予測されています。
春景色

☆立春の七十二候

さていつものように、ここからは、この節気の七十二候を見て行きましょう。

初候:東風解凍(2月3日~2月7日)

「はるかぜこおりをとく」と読みます。
この期間は、旧暦では1月6日~1月10日までに当たります。

東風は「こち」とも読みます。
有名な歌「東風吹かば 匂い起こせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」
東からの風が吹いてきたなら、春が来たという印だからね。
それに気づいてきちんと、今年も香りを漂わせておくれ、梅の花よ。
お前の主人は居なくなってしまうけれど、春の到来を忘れないでおくれ。
梅の花

これはあの菅原道真公が政変で左遷され、飛ばされたのが京から西に離れた九州の大宰府。
つまり春になり、東からの風が京を吹き抜け大宰府に向かう。
なので私が丹精を込めて育ててきた梅よ、どうか春になったら東風に載せてその香りを私に届けてね。
こういう意味になります。

東風は、春の訪れを告げる象徴の一つなのです。
梅の花

次候:黄鶯晛睆(2月8日~2月12日)

「うぐいすなく」と読みます。
この期間、旧暦では1月11日~1月15日までに当たります。
旧暦の基準地、近畿地方では、この辺りの鶯の初鳴きは新暦の3月中旬となっております。
しかし、早いものでは2月中旬で聴かれることもあるという報告を目にしました。
さすが旧暦、練り上げられていますね。

鶯の初鳴きは、初音(はつね)とも言われます。
梅に鶯

但し、黄鶯は日本にはいない鳥です。
これの黄を無視して日本では、鶯(うぐいす)としました。
晛睆とは、鳥の声が美しいという意味です。

そして鶯の別名は、春告鳥。
まさしく立春の鳥ともいえるのです。

末候:魚上氷(2月13日~2月17日)

「うお こおりをいずる」と読みます。
この期間、旧暦では1月16日~1月20日までに当たります。
冬の間、川底で静かに寒さに耐えていた魚が、水温が上がってきて川の氷が割れた間から姿を現してくるという意味です。
凍った川

☆春の語源

春の語源もやはり穀物から来ていると言われています。

春は、張る、発る。
つまり植物の芽が張り詰めて若葉を出す時期という意味。
田んぼ耕起
または、田んぼに水を張る。
芽が出てくるという古い言葉の、発る。
旧暦の軸に有るのは、稲作の開始を表す言葉なのです。
田んぼと水路

それともう一つ。
春という漢字は、三に人に日。
ところが、です。

三の内の一番上の「一」が、実は草冠の原型です。
そして残った「二と人」とが「屯」です。
この屯は、土に潜り込んだ根が、やがて芽を出すという意味を表します。
そして文字通り、「日」は、太陽。
もしくは太陽からの熱や光。
なので春には「晴る」の意味もあると言われているのです。
新芽

という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
喫茶~言の葉
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