☆川の昆虫 part2
加除式
札幌の川でみられる昆虫、まぁもっと正確に申しますと、川の中で暮らす昆虫ですが。
今回は、カワゲラ。
それと、トビゲラの仲間たち。
どちらもゲラと名が付きますが、オケラの仲間ではないんです。
ちなみにケラは、螻蛄と書きます。
「螻」だけで、ケラの意味。
それに「蛄」が加わっていますが、これもケラの意味。
植物の根を食い荒らす害虫とされていますが、私は個人的に好きな虫です。
お金がスッカラカンになることを、おけらになる、といいますが、これが螻蛄から来ています。
また、螻蛄芸という言葉もあります。
地面を掘る、地上を走る、水面を泳ぐ、空を飛ぶ、木に登る。
幼い頃はジャンプ(跳ぶ)もできるし、地中からかなりはっきりと鳴き声を出します(鳴く)。
これで、螻蛄の七つ芸なんて言ったりしますが。
螻蛄はこのように万能なんですが、実は掘る・鳴く以外はどれも下手。
なので螻蛄芸は器用貧乏の事。
それと、「虫けら」なんて申しますが、こちらの「けら」は螻蛄の事ではないと言われていますが、私は螻蛄だと思います。
虫は元々日本では、蟲で、動物や人までも蟲というイメージでした。
その頃、動くもので小さいものを、蟲螻蛄と言ったのではないでしょうか?
つまり、今でいう昆虫です。
まぁこれについてはいつか時間のある時に調べてみようと思いますが。
正面から見たら、ちょっと海老。
体にはビロードのような滑らかな毛。
螻蛄好きの私ですから、行けませんね、前置きが長すぎました。
ではようやく本題。
螻蛄とは関係ない川の螻蛄について。
カワゲラ
トンボやカゲロウと同じく、とても古い時代から生きている原始的な昆虫です。
上下から少し潰されたような平らな体をしていまして、成虫になるとそこに羽が生えて飛び立ちます。
つまり、幼虫と成虫とでは、羽を除いたらほぼ似たような体つきです。
エラは、胸とお腹にあり、常に水が流れて来て、新鮮な酸素が吸えるのが大事。
茶色い体に、黒の線が入ります。
頭の触角が二本。
尾毛も二本。
幼虫は肉食ですが、成虫になるとエサを取らずに交尾産卵して寿命を迎えます。
漢字で書くと、川螻蛄。
どうも、川に住む螻蛄と思われていたようですね。
加除式
さてここからはトビゲラの仲間の話。
カワゲラとは違って、こちらはどちらかというと小さな蝶や蛾に近い部類で、体は細長い筒状です。
そして細長い触角が二本伸びているのも特徴ですね。
こちらも、幼虫の頃は川の中。
羽化して飛び立つのはカワゲラと同じです。
水中では、幼虫の出す糸で小石や枯葉などをつなげて、巣を作ります。
自分の体に合わせて作るので、まるで水の中のミノムシです。
安定した流れの川を好むようで、そいった面から川の安定性を示す生き物として知られています。
漢字で書くと、跳び螻蛄。
ヒゲナガカワトビゲラ
体長12mm~20mm。
幼虫は黒褐色で、小さな浮き輪を重ねたようなモコモコした胴体をしています。
川の中で網を張って、流れて来た有機物の細かい破片を食べて暮らします。
トビモンエグリ(とびゲラの仲間)
湧水性の川に多く生息していて、落葉などを食べて暮らしています。
体長25mm。
ところが、産卵後の鮭の死骸を食べることも確認したと、北海道立総合研究機構から発表されています。
水中の植片や砂粒で、円筒形の巣を作ります。
ちなみに名前に「エグリ」と付く仲間は、成虫の羽の端が、えぐれているようにカーブを描いています。
そこでこの命名となったようですね。
ジョウザンエグリトビゲラ
ジョウザンと名前が付くからには、札幌市の奥座敷と言われている温泉街、定山渓が関係してるのかな?とは思いましたが、まだそこまでは調べ切れていません。
特徴は、成虫の羽に生えている細かく密集した毛です。
北海道の川に生息していて、幼虫は、植物の残骸を使って管状の作ります。
やがて成長していくと、今度は砂粒を使うようになります。
巣の長さは、27mmほどになることもあるそうです。
アツバエグリトビケラ
日本にも広く分布し、藻や有機物残渣を食べています。
そしてこちらも小石粒で巣を作ります。
体長は8mm。
カクツツ(とびゲラの仲間)
幼虫時代を川の中上流部に暮らすのが、カクツツ。
雑食性ではありますが、主に植物の葉や、藻を食べて暮らしてます。
特に生の葉が大好き。
なので植物の多い川の渕や岸辺付近に多く集まります。
そしてそういった植物の葉を四角に切り抜き、四角柱のようにした巣を背負って移動。
見た目が独特なので、すぐに見分けがつきます。
漢字で書くと、角筒。
体長は10mmほど。
ナガレトビゲラ
このナガレトビケラは、これまでのトビケラと違って巣を作らない種類です。
水中を移動し、他の水棲昆虫を食べて生活しています。
体長は20mmほどでしょうか。
流れ流れて渡世する素浪人のイメージです。
しかし困りました、、、画像が手元にないんです。
専門外という事で、ああ困りました。
とりあえず、水棲昆虫写真館というサイトへリンクを張っておきますので、よろしければそちらをご覧くださいまし。
水生昆虫写真館
という事で今回はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日を💐