☆端午の節句:こどもの日
昨日は、子供の日でもありました。
別名、端午の節句。
五節句の内の一つですよね。
ただ昨日は、立夏でもありましたので、まずはその話を先にしました。
という訳で、今日は一日遅れでこの話。
なぜ馬??
5月5日は端午(たんご)の節句です。
端っこの午。
この午とは、馬のこと。
旧暦では、日を十二支で表していました。
そこで、端っこの午というのは、その月の最初の午(うま)の日を指します。
なので元々は、その月ごとの最初の午の日を端午というのです。
ところが、旧暦では一年十二ヶ月に、それぞれ十二支をあてますので、それで言うと五月が午の月になります。
と同時に、午は「ご」とも読みますのでそれが5月5日の節句行事として定着とも言われています。
ちなみに2024年の5月5日は、「つちのとみ」(土の弟巳)ですから、蛇の日でした。
十二支の午
十二支、これは子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥ですよね。
これにそれぞれ旧暦で、月が割り当てられています。
先ほど、旧暦の五月は午の月と申しましたが、ここで疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
子から始まる順番では、なんだなんだ?
午は七番目で七月じゃないか!
なんて。
これは、子を1月に当てるのがそもそもの間違いで、子は11月なんですね。
なので旧暦の1月は寅の担当という事で、その後、卯・辰・巳と続きまして。
そうすると、午は5月になるという寸法です。
この十干十二支(じっかんじゅううにし)については、またいつか、日を改めて書きますね。
なぜ五月人形??
元々は邪気が集まるというのが、月初めの午の日とされていました。
そこで各月の端午に邪気払いの風習がありました。
そしてそれが五月の月行事として定着してくると、葉菖蒲を邪気払いとして軒先に吊るすようになったという事です。
ここから武家社会が台頭してきた鎌倉時代に、菖蒲は尚武(武道を大切なものとして尊重する精神)につながるとし、男の子の生長を祝う行事に変わって行ったという事です。
そこで、甲冑(かっちゅう)姿の武者人形も飾れるようになりました。
武士にとって刀は精神的な象徴でもありますし、武器でもあります。
と、同時に、身を守る甲冑も、同じように武士の精神的な象徴でした。
つまり端午の節句の武者人形は、甲冑で身を固めていますが、これは無事に育ってほしいという親心も表しています。
ちなみに甲冑の甲は、胴を守る鎧(よろい)のこと。
冑は、頭部を守る兜(かぶと)の事を指しています。
☆端午の節句
もともと端午の節句も、年齢性別問わず、全体の穢れを祓う日だったんです。
ところが、時代と共に端午の節句が男の子、上巳の節句が女の子のものと様変わりしました。
端午の節句も元々は忌み日ですから、何重にも祓い清めの手段が組み込まれています。
例えば、菖蒲酒。
これは本来の大人の行事としての名残りですね。
ここでいう菖蒲は、先述の葉菖蒲のこと。
(※花菖蒲とは別物です。)
薬草として用いられていました。
(効能は、健胃と鎮静)
また、葉菖蒲には香りがあるので、(これも邪気払い植物の特徴)風呂や枕の下に入れても使われていました。
この端午の節句では、上巳の節句と同様に、ヨモギも同じ目的で使われることが有ります。
また、鯉のぼりに関しては、甲冑姿の武者人形との対で、甲冑武者といえば戦いの幟(のぼり・はた)です。
これが江戸時代に、登竜門伝説を重ねて鯉のぼりにしたということです。
ちなみに登竜門伝説とは、黄河にあるかなりの急流「竜門」。
この竜門を無事に上流に向かって泳ぎ切った鯉は竜になるという伝説です。
それをかけての鯉のぼりと洒落たわけですね。
つまり、我が子よ、社会の急流を無事に泳ぎ切って立派に出世してくれという親心の表れなんです。
さてこの鯉のぼり。
色んな色の鯉がおりますが、その意味については以下をご覧くださいませ。
< まとめの雑談~こいのぼり
☆その他の祓い清め
ちまき
ちまきは、粽と書きます。
こちらは元々、中国大陸の保存食でしたが、平安時代には既に日本に伝わってきていたようです。
中国大陸の伝統風習が、日本にそのまま定着したのでしょうね。
柏餅
柏は、日本に広く自生する木です。
そして葉が秋に枯れるのですが、そのまま枝に残り冬を越し、翌年春に新しい葉が萌え出るのを待って落葉するという不思議な習性があります。
この事から、世代交代が順調に進むという願いを込めて、柏餅が行事食になりました。
ただその歴史は、江戸時代から。
また柏の葉が冬に落ちない事から、神の宿る神聖な木と位置付けられました。
その柏の葉で、餅をくるむというのは、植物の持つ神聖な力を体内に摂り入れるという意味があるようです。
実際に柏の葉には抗菌物質のオイゲノールが含まれており、食べ物の保存の面からも意味があります。
また、オイゲノールには独特の心地よい香りがあり、これもまた食欲をそそると同時に、邪気払い植物の特徴を示していますね。
☆端午の節句と、こどもの日
こうして元々は年齢性別問わず、全体の穢れを祓う日だった端午の節句が、男の子の生長を祝うという行事に形を変えていきました。
そこに昭和23年、つまり西暦で申しますと1948年。
法律で、こどもの日が制定されました。
制定するにあたって、端午の節句をこどもの日に推す声が多かったと言います。
そこで5月5日が、端午の節句でもあり、こどもの日でもあるようになった。
しかも昨日はそこに、立夏も重なったわけですから。
もしかすると、こどもの日と端午の節句と立夏が同じ意味だと思う方もいらっしゃるんじゃないかと思い、昨日今日の連続投稿となりました。
余談ながら、こどもの日。
この日の意味は、「子どもの人格を重んじ、子どもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日」となっています。
つまり、端午の節句とこどもの日は全く別々の物なのです。
本当にややこしい。
そして、こどもの日から除外されている全国のお父さん、頑張りましょう。
何を頑張るのかは、まぁ、、それぞれお考えください。
ということで本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳い一日になりますように💐