染め物三大植物:楽しんで育てる

着物 喫茶~言の葉
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< 植物と、日本の染めものより続く

☆タデアイ・ベニバナ・ムラサキの魅力

さて、この三種類の植物。
以前に気になって育ててみたんです。
日本人の文化を作り上げてきた植物達ですから、是非一度はこの手で育てたかった。

というわけで、前の記事が長くなりましたので、今日はその補足という事で参ります。
日本染め物の三大植物についての、オマケのお話。
着物

☆タデアイ

我が家の場合

私の手元に種があります。
土地もありませんし染料にできるほどたくさん作ったことは無いんです。
アイの花
観察程度に育てているんですが、10月ぐらいに立派に育ったタデアイも年を越え、そして現在では室内でこんな感じになっております。
タデアイ
このように、ほぼ枯れて茎に青みを残すのみ。
つまり、タネがしっかり実ったという事です。
種はこんな感じです。
タデアイ 種
発芽適温は18~25℃ 生育適温は5~30℃。
札幌では、外が温かくなった5月下旬にまいてます。
種が隠れるぐらいに土をかぶせて、乾き過ぎないように水をあげていると、案外簡単に芽が出て来て育ちます。

タデアイの凄さ

生の葉はサラダに。
茹ででもいいみたいです。
アイの葉比較、採れたてと、乾燥3日後

さらに、化粧品としても利用され、抗酸化作用による美肌効果があると言われてます。
また、水虫菌への殺菌効果が報告されてるんですって。

そして、藍のお茶。

こちらは、漢方薬として古くから使用されています。
このお茶は、解毒や解熱作用などがあるとされています。

作り方は簡単。
葉と茎をきって、天日干し、カラカラに乾いたら完成!
後は普通に急須に入れてお湯を注げば出来上がり。
抗酸化作用を持つポリフェノールが多量に含まれているんですよ。

藍茶

藍を食す-薬草としての藍|藍の情報サイト【藍】~藍のある暮らし、はじめよう。~ (japanblue-ai.jp)

☆ベニバナ

我が家の場合

こちらの種は、ホームセンターで買いました。
紅花とか、ベニバナ、もしくはカルサムスの名前で販売されています。
ベニバナでも、赤花種と、なんと白花種もあるんです。
個人的にはやはり赤花種のほうが、趣があって好きです。

また、葉っぱは、ヒイラギに似てチクチク尖っているのです。
これが刺さると、まぁまぁ痛い。
ですのでこちらは、改良された丸葉種が好きです。

私はプランターに6月に種をまきました。
すると花が咲いたのが8月の終わりあたりから。
まず黄色の花が咲き、その花が橙色へ変化し、最後には鮮やかな赤になるんです。
ポイントは、ほとんど肥料をあげないことです。
あと、土は割合乾燥気味にします。
水をあげても、翌日にはサラッとなってるような土が良いです。
紅花

ベニバナの凄さ

紅花の種子から抽出されるベニバナ油は、不飽和脂肪酸であるリノール酸が豊富。
近年注目されていますよね、健康に良いとされて。

そして油煙から作る紅花墨は、書画用の墨として。

また油を搾った後の種子は栄養価が高く、家畜の飼料にも使われています。

さらに、摘み取った紅花の花は生薬として用いられます。
血行促進や浄血作用があるとされます。

紅花茶や紅花酒としても利用。
こちらはこの夏、挑戦してみる予定です。

ベニバナ茶

紅花(ベニバナ)茶の効果・効能・副作用|選び方のコツと飲み方 (xn--u9j257getb21tmzkil4b.com)

☆ムラサキ

絶滅の恐れがある植物です

奈良時代から主に染色のために栽培されていたムラサキ
それが明治時代に合成染料が入ってきて衰退。
今ではセイヨウムラサキとの交雑が進んでいて、純潔のムラサキは絶滅危惧種とされています。

セイヨウムラサキの栽培はとても簡単なのですが、染色用としての価値はありません
ところが日本に自生のムラサキは、染料として超一級。
ただし、栽培がとても難しいんです。
だから希少。
だから、価値が高い。

それで、ムラサキの染め物は、昔からなかなか高価なものだったようです。
そう言った理由もあり、聖徳太子が定めた日本最初の階級ともいえる冠位十二階。
この最高位の「徳」の色が、紫色だったとされています。

現在では一部の志ある方が、純日本産のムラサキを絶やすまいと活動されています。
ムラサキ

我が家の場合

関東のムラサキ保存活動をされているYさんから、保存活動遵守事項を取り交わして、純国産ムラサキの種を譲っていただいています。

ですが、一度も上手く行ってないという状況。
ほんと気難しいムラサキさんです。
ただ、Yさんのお話によると、種の厚いために、まいて数年後に芽を出すものもあるとのことでした
これは気長に、楽しみつつ待つしかないのかなとも思いますが、無事に芽がでたら勝手に増やさず、また自然に放たずで守ってデータを取っていきます。
しかし、、、、芽が出る気配が微塵も無いのです、、、かなしい。

でも江戸時代には、武蔵野あたりで群生してたんですって。
なにか決定的なポイントが見えてないんでしょうね。
自然に育っていた植物なのですから。
国産ムラサキ 種

ムラサキの凄さ

学校で習いましたよね、万葉集。
あの額田王の有名な歌。

あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る

あかねさすは、枕詞。
それでこの「紫野」が、なんとムラサキの群生している平地の事らしいのです。
万葉集と言い、冠位十二階といい、古くからのお付き合いですよね。

それとちなみにムラサキ。
お薬としても大切に扱われていました。
代表的なのが紫雲膏

紫雲膏

くすりのしおり (tsumura.co.jp)

以上、染め物三大植物、どれもなかなか魅力的です。

という事で、本日ここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き日でありますように💐

< 植物の葉は、なぜ緑色が多いのか?へと続く

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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