目を通さない世界

緑の癒し
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☆目と脳

・休むべき時

前の記事「目を通した、いろんな情報の世界」。
ここで、人の情報取得の大部分は視覚に頼っている、と書きました。
そして、私たちの脳の三分の一は、この視覚情報の処理に使われていると。

これを頭に置いておくと、とてもいいですよ!
例えば、毎日の仕事や生活の中でちょっと「休むべき時」と言う場面があります。
こんな時、目を閉じて、脳に流れ込んでくる情報の80~85%をカット。
それで脳を休ませる、と言うのが正しい事だと分かります。

間違っても、休憩中にここぞとばかりにスマホをひらいて集中してパズルゲームやったり、趣味の情報を探したりするのはよろしくないと分かります。
何と言っても、脳が休めないですから。
五感

・目を閉じると、五感はどうなるか?

目から大部分の情報を得ている人類ですが、もちろん目のご不自由な方もいらっしゃる。
この場合、他の感覚が鋭くなるのは知られています。

素晴らしい音楽を奏でる楽器奏者だったり。
また文学や政治家、そしてスポーツ界にと多岐にわたっています。

これは、大部分の外部情報を取り込む視覚が無くても、それ以外の感覚の割合が増えていることを示します。

という事は、人類は進化の過程で視力中心に能力を組み立てて来たけれど、いざとなると私たちの脳は、情報取得の割合を柔軟に変えられることを示しています。

では通常、視覚に頼っている私たちが意識して視覚を遮断したらどうなるでしょうか?
五感

☆目と仕事効率

大昔から、目を閉じることで、心が落ち着いたり、内なる自分と対話できたりすると言われてきました。
それが、宗教の瞑想だったり、武道での集中であったり。
色んな形になって行きました。

現代では目を閉じることで、脳がリラックスできて、情報整理が加速すると明らかにされています。
さらに、ストレス軽減や集中力向上効果もあると解明されています。

ですから、睡眠は効果絶大。
私たちが眠っている時には、脳は落ち着いて情報整理をしています。
それどころか、日中溜まったストレスを片付け、明日のための集中力を高めているわけです。

精神科医の樺沢紫苑先生の本によると、この睡眠効果を最大限に得るためには、毎日7~8時間の睡眠が必要とのこと。
それで私も実践しているのですが、これが本当にすごい。
特に翌日午前中なんて、あれ?私ってこんなに頭働いてたっけって驚くぐらい爽快で迅速、しかも元気で楽しい。

最初は戸惑いましたけどね、そんなに寝てらんないよって。
平均睡眠時間4時間でしたから。
それが倍の8時間でしょ。
ところが、仕事効率、最低に見積もっても3倍増。
目を閉じる、さらに睡眠って大事なんです、こういう意味で。
五感

☆異種感覚間可塑性

さてこの異種感覚間可塑性(いしゅかんかくかんかそせい)という言葉。
名古屋大学大学院医学系研究科分子細胞学分野の客員研究者 橋本明香里医師・和氣弘明教授の研究グループが解明したものなんですが。
どういうことかと申しますと、外から得られた「情報」は、脳内にある五感の各「専門部位」で主に情報処理されます。

ところが、視覚失った人では脳内の視覚専門部位が専門性を捨て、他の感覚情報を処理するようになる、という物なんです。

つまり、五感が普通に働く状態では、脳の各部署は専門分野のみに集中して働く。
けれどその専門分野の臓器がうまく機能しなくなったら、他の部署の仕事を積極的に分担する、ということなんです。

これは特に、視覚で言えることでしょう。
なぜなら視覚は、外部情報の80~85%、脳機能の三分の一は視覚情報処理に使われているのですから。
それらが他の部署の仕事に回るとなると、劇的な変化をもたらすことになるでしょうね。
五感

・目と耳

異種感覚間可塑性が、聴覚にもたらされる場合。

視覚情報に次いで比率が高いのが聴覚です。
これは視覚の次に長距離の情報が得られるから、という進化の結果なんですが。
どうも脳の中の働きとして、視覚と聴覚とはかなり密接な協力関係にあるらしいんです。

目からの情報が無くなれば、音の情報に敏感になります。
これは、生存のための本能でもありますよね。

勝新太郎さんの映画、座頭市。
これは盲目の侠客が、聴覚や嗅覚を頼りに、驚異的な抜刀術で悪人を倒していくという物語でした。
これも異種感覚間可塑性を示していたのだなと、今更気づかされました。

さて、私たちが目を閉じると、これだけでも視覚情報が遮断され、耳がすこし鋭敏になります。
この時に、不快な雑音があるのはよろしくない。
できれば、自然の虫の音や、小鳥のさえずり。
または、森や林の葉擦れの音、風の音、川のせせらぎや海の波音に包まれていると直接沁み込んできますので、こういう音環境を意識したいですね。
それが無理な場合は、好きな音楽を流したいものです。
五感

・目と鼻

異種感覚間可塑性が、嗅覚にもたらされる場合。

この嗅覚に関しては、情報パーセンテージが低いので、ハッキリ異種感覚間可塑性が起こるかどうかは分かりません。
ただ、こうは言えます。

目を閉じることで視覚的な情報を遮断。
それで、嗅覚に集中することができます。
脳の大きな部分を占める視覚情報はしばしば私たちの知覚を支配するんです
なので、それを排除することで、より純粋に香りを感じ取ることができるという仕組みです。
また、目を閉じることにより、感覚的な体験に没入しやすくなり、香りの微妙な違いや特徴をより深く理解しやすくなるんです。

アロマセラピーでは、くわっと目を見開いて香りを嗅ぎませんよね。
リラックスして、軽く目を閉じ香りに身を委ねます。
嗅覚世界に全集中で没入させるためです。
そこから、日常では見逃されがちな、嗅覚による癒し世界を感じることができるという仕組みです。
五感

・目と皮膚

異種感覚間可塑性が、触覚にもたらされる場合。

この触覚に関しても、情報パーセンテージが低いです。
しかし、全身の皮膚を通してもたらされる触覚は、他の感覚(顔面に集中)とはどうも異なるようですね。

名古屋大学大学院医学系研究科分子細胞学分野の研究によると、視覚の喪失は触覚の機能を向上させることが明らかにされています。
この研究では、視覚遮断を受けたマウスのヒゲ感覚が向上することが確認されました。
これは、脳の視覚専門分野が触覚情報を処理するように変化することが一因とされています。
つまり、触覚に関しては、異種感覚間可塑性が起こることが証明されているんです。

これを身近に思い出してみましょう。
触り心地の良いものに触れる時、私たちは目を閉じていませんか?
あれ、触覚から集中と安心(リラックス)をより深く感じるための無意識の行動なんです。
五感

・目と口

異種感覚間可塑性が、味覚にもたらされる場合。

これも嗅覚と同じで情報パーセンテージが低く、ハッキリ異種感覚間可塑性が起こるかどうかは分かりません。

ただ、料理を作る方なら分かって下さると思うのですが、味見をしますよね。
あの時、目を閉じた方が味が良く分るんですね。
これも、視覚を断った方が味覚に集中できるからです。

それと面白いのは、味見という漢字です。
味覚と視覚。
返す返すも、日本語って面白くて深いです。
五感

☆最後に

さて今日も!!、、、m(__)m
植物に関係ないお話でしたが、これをお話しておかなくては視覚は凄い!で終わってしまいますから。
ただこれも、今後いろいろお話していく植物教育の話で、折々に大切なポイントとなりますので書いておきました。
というところで、本日はここまで。
五感

最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ今日が佳い一日でありますように💐

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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