冬囲いは、なぜ必要か?

雪囲い 喫茶~言の葉
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☆北国の、雪の怖さと大変さ

・北国の、サラサラの雪

さて、いよいよ来週末には札幌でも最高気温がマイナスになるとの予報が出ました。
これはもう、樹木の冬囲いをやらねばならないギリギリまで来たという事ですね。

冬囲い。
南の方にお住まいの方は、あまり良く分らないかもしれません。
南で生まれて育った私は、実際に札幌で暮らし始めた頃は、分かりませんでした。

簡単に説明しますと、北国の雪はサラサラです。
周りがあまりに低温なために、雪合戦の雪玉も作れないです。
例えるなら、雪がサラサラすぎて、まるで小麦粉で玉を造ろうとする感じ。
そして、なんとか玉になっても、投げた瞬間、パッと粉になって全く飛ばせないのです。

こんな軽くサラサラの雪のままなら、大丈夫なんです。
でもそんなサラサラの雪でも、日数の経過とともに様子が変わってきます。
雪囲い

・雪の重さと、毎年の被害

日が経つにつれて、一日の気温変化で、サラサラだった雪は重く硬い氷に近い状態へと変わります。
こうなると、家屋の屋根を押しつぶしたり、落雪に当たって命を落とす方まで、出てくるんです。
なので、高い位置に降り積もった雪はなるべく早い時期に、下へと落としておきたい。
下に積もった雪は、早めに移動させて、人や車の通路を確保しておきたいと、こうなるわけです。

ところが、話はそう簡単ではありません。
雪は降ったり降らなかったり。
ただ困るのは、1時間に20cmとか50cm、一気に積もる事もあるんです。
こういう場合、すぐに雪はね(雪を通路などから移動させる事)できればいいんですが事情があってできなくて、数日ほっといたら大変重くなるわけです。
この、雪の重さや積もる深さによって出る被害を、「雪害」と言います。

実際にどれぐらい重いのかと申しますと、姿勢の悪い雪はねなどをやってらっしゃる方は、ぎっくり腰に簡単になります。
私も当初、そうでした。
それぐらい重い。
雪囲い

・樹木への冬囲い

・木を折る雪

さあその雪が、樹木に降り積もったらどうなるか?
想像してみましょう。

樹木は枝を広げています。
そこにサラサラの雪が幻想的に降り積もる。
それはそれはキレイな風景です。

ところが数日たつと、その雪は段々と固く締まってきて重さを増す。
そうすると、枝に積もった雪はがっちりと絡みつき、その枝を下へ下へと曲げて行きます。
さらに後日、また雪が降りつもり、固まり、重さを増していきます。
これを繰り返すことにより、弱い枝はいつか根元からパッキリ折れてしまうでしょう。

このように、自然界にある樹木は、雪やその土地の気象に合ったものばかりなんです。
最初から、弱い枝は折れ、弱い樹木自身は枯れ、そこの自然に合った姿になって行くのです。
雪囲い

・冬囲いとは?

さて、私たちが身近な樹木や大切にしたい樹木に対し、冬囲いをするのはなぜか?という事ですが。

まず頭に入れておきたいのが、冬囲いの意味です。
これを行うのは、個人の庭木や、観光庭園などに植えられた樹木に対してですね。
販売用に育てている木にも言えますか。

さてそれらは、人が手を加えて姿を整えてお世話をしている木ですから、すこぶる自然の驚異に弱いんです。
重たい雪がまとわりついたら、せっかく丹精込めて伸ばした大事な枝も折れかねません。
なので、変に雪が樹木にまとわりつかないように、大切な樹木を一つの法則にのっとって荒縄などで縛ったりすることをするのです。
これを、冬囲いと言います。
雪囲い

・冬囲いの基本

冬囲いには、いくつかの基本のポイントがありますので、書いておきますね。
では、以下のつ、ここが大切な考え方です。

1,樹木の頭部(上部)に雪が多く乗らないように、頭部が細くなるように縛る。
2,広がった枝に雪が乗りすぎないように、枝をすぼめるように縛る。またはやや上側に向かって引っ張り上げるように縛る。
3,全体を、持ち主が望む形に近づけるために、その理想の形に矯正するように縛る。
雪囲い

この時、樹木を縛るのに使うのが、先日お伝えした荒縄であります。
荒縄

ということで、本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
あなたにとって、今日が良き日でありますように💐

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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