「ぼけなす」と、ボケ茄子

ぼけなす 喫茶~言の葉
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☆宮崎県門川町で作られた茄子

衝撃の命名「ぼけなす」

九州で暮らす叔母から、たくさんの野菜が贈られてきました。
本当に有難い事です。
やはり故郷近辺の野菜は、この歳になっても体が覚えておりまして格段に美味しく感じます。

これはただ単に美味しいというだけではなく、何と申しましょうか、懐かしさと、自分の心の寸法にピタリと当てはまるような。
そういう体の芯から感じられる美味しさの形です。

そんな野菜たちの中に、茄子も入っておりました。
ただその茄子の名前が、「ぼけなす」でして。
軽めの衝撃と同時に、好奇心も湧き上がって来まして。
ぼけなす

まず表記。
平仮名の「ぼけなす」なのか。
はたまた片仮名の「ボケナス」なのか。
ぼけなす

しかも「」の中に特大と書いてありまして。
おおこれは、ボケナスの大とか、中とか小とかもあるのだろうかという期待感。
もしかしたらボケナスなので極小とか、、、いや、それは無いかなどと想像して、もうこれだけで楽しい。

今回我が家にやってきたのは、そのグループの中で多分最高位の、特大なのです。
これはもうここまで来たら調べなければならない。
産地は、宮崎県の門川町。

それで特産品か何かかなと、門川町のサイトを調べてみてもヒットしません。
宮崎県門川町のサイト

結局、この「ぼけなす」という名前の茄子が、何者なのか、調べても調べても分かりませんでした。

罵りの言葉「ボケナス」

「このぉ!ボケナスめ!!」なんてどこかで読んだり聴いたり言ったりすることはあるのでしょうが、、、。
実は私はまだ一度もボケナスと罵られたことが無くて、また使ったこともありません。
それは私が優秀だからというわけでは無くて、こういう言葉が段々使われなくなっていった時代という事でしょう。

人に対して言う「ボケナス」は、どうもこう、ぼんやりとしてる人の事を指して使う言葉で、間違っても、いくら喧嘩している最中であっても、相手の方が自分より頭の切れが鋭かったり能力が優れている場合には、ウッカリ使ってしまうと自分が恥をかく羽目になるので要注意です。
なんだよボケナスって、それはお前の方だろうって切り返されたりして。
相手の力量を推し量れない自分の方がボケナスだったという話ですが。

まぁ喧嘩などの時にいちいちその語源を気にしていては喧嘩になりませんから、ジャンジャン思いつく罵詈雑言を次々相手に投げつけたりしますが、今日はちょいとその語源についても書いておきましょうか。
ぼけなす

茄子のボケ

茄子は水で作る、と昔教わったことがあります。
変なことを言うなぁ植物は全部水が必要だろうに、と思ったものです。

でも後で分かったのですが、茄子栽培では水の管理が大切なんですね。
勿論他の肥料とか土とか葉の状態とかも大事です。
でも何よりまず、水分が過不足なく届くようにしなければなりません。

それが出来ないと、茄子の実の表面に光沢がなくなり、ボヤンとしたものが出来る。
これを、ボケた茄子、ボケ茄子と言います。
表面がボヤンとしている茄子の実がどのような状態かと申しますと、光沢のあるものより表面の皮が厚みを増してしまっていまして。
こうなると食感も悪くなってしまってるのです。
茄子

ここから、ぼや~っとしてる人を罵る言葉が生まれたと言われております。

ついでの、罵詈雑言

「ぼけなす」を折角採り上げたのですから、こういう機会です、ついでにこちらも。

「おたんこナス」です。
おたんこ、これは元々は「おたんち」でありまして。
では「おたんち」が何かともうしますと、どうも牡丹餅面(ぼたもちづら)らしいのです。
牡丹餅

牡丹餅面というのは、円く膨らんで、のっぺりとして締まりのない顔の事。
そこからのイメージで、間の抜けた顔という意味もありまして。

その牡丹餅面に茄子というのはどういう事でしょうか?
諸説あるのですが、茄子は畑に行けばたくさんあるというので、どこにでもある価値の無い物という意味もあるのだそうです。

また、この言葉が使われ出したのは吉原遊郭だとも言われています。
遊女たちの所に通ってくる客の中に、無粋でボケっとしてる人に使われたようで。
この場合、茄子は少々意味合いが違うようで。
役立たずの小さい茄子などという、まぁねぇなんとも、、、。
茄子にとっては迷惑千万な話かもしれませんね。
茄子

正体不明の、門川町の「ぼけなす」

話が随分とあっちこっちに飛びましたが、ご容赦を。
すべて、宮崎県は門川町からやってきた「ぼけなす」のせいです。

この品種名??
まさか本当にボケ茄子であったらたまりません。
どれどれと見てみますと、実に光沢があります。
ぼけなす

では、栽培上の水管理の失敗によるボケ茄子ではないようです。
まぁそういう物が売られている訳はありませんよね。
ではやはり、、、品種名??

どうだと思う??と我が家の猫に尋ねたら、分からニャイと言っておりました。
ボケ茄子

という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊🍆

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
喫茶~言の葉
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