花菖蒲~虫の目線で②

花菖蒲とハナバチ 古典園芸
この記事は約3分で読めます。

< 花菖蒲~虫の目線で①より続く

☆ハナバチの花粉集め

花菖蒲のオシベと花粉の位置

さて昨日の続きです。
あれからハナバチを観察しまして。
時間にして10分ほどでしたが、撮影できました。
花菖蒲 水の光
ハナバチはこの、外花被と花柱枝との間を通って、中に入ります。
花菖蒲 水の光
そして、蜜や花粉を集めるのです。
花菖蒲 水の光

拡大してみましょう。
花柱枝の上側についているこれがオシベで、黄色く見えるのが花粉です。
下の黄色は蜜標なので、別物です。
花菖蒲 水の光
それで一番奥まで潜ると、蜜にありつけて、更には花粉も沢山身にまとう事ができるという訳です。
ちなみにメシベは花柱枝ですから、こちらもハナバチが他の株から花粉を持ち込んでくれた時にハナバチの体から花粉を頂きめでたく受粉するという仕組みであります。
花菖蒲 水の光
この写真では、下の黄色が蜜標。
その上にチョンと突き出たように見える二本の線がオシベと花粉。
その上の横に走る折れたように見える線が、メシベの頭となります。

ちなみに花柱枝を少し持ち上げると、蜜標の奥が見えます。
花粉がいっぱい落ちていますね。
きっとハナバチたちが沢山通ったのでしょう。
花菖蒲 水の光

ハナバチの花粉集め

さてハナバチです。
朝の方が良く活動するのかもしれませんね。
涼しいですし。

ご覧になれますか?
蜜標の奥に入って行くハナバチです。
花菖蒲とハナバチ
しばらく入り口辺りで花粉を集めていました。
花菖蒲とハナバチ
そこから奥の蜜を集めに行ったのでしょう。
30秒弱の時間、姿が見えなくなりました。
花菖蒲とハナバチ
そして一仕事を終え出てきまして、ここで花粉を再び集めに入ったようです。
花菖蒲とハナバチ
多分ですが、蜜が体に付いているので、その粘り気で、より多くの花粉が集められるのでしょう。
ごらんのように、しっかりと花柱枝(メシベ)に背中がくっついております。
花菖蒲とハナバチ
ハナバチは食べ物にありつけ。
花菖蒲は受粉をしてもらい。
互いに持ちつ持たれつ。
これを共生関係と申します。
素晴しいやら美しいやら。
進化とは誠に絶妙な芸術だと私は思います。

最後はしっかり花粉団子と呼ばれるものを後ろ足付け根にくっつけているのが確認できました。
花菖蒲とハナバチ
なんだか私までお腹いっぱいになったような心持ち。
どうですこういうのは。
いえ、小学生の皆さん。
お父さんお母さんと一緒に野に出て、スマートフォンを借りて撮影しながらハナバチ観察。
こういう生き物に支えられて、人は生きていけるのですから。
なんと壮大な夏休み自由研究のテーマでしょうか。
などと、夏休みも始まっていないこの時期に提案してみました。

そうそう。
ハナバチは、普通にしていれば刺してくることもないおとなしい蜂ですので、どうぞ怖がらずに、感謝をもって観察してみてください。
とても素敵なドラマを素直に受け取る感性を育てるには、子供のころの体験がとてもとても大切なので。
この夏、是非。

では最後に、先に咲いていたもう一つの花菖蒲でも花粉集めをしていましたので、そちらの写真も載せておくことにしましょう。
花菖蒲とハナバチ
と言う事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
古典園芸
シェアする
KAZUHIKOをフォローする
タイトルとURLをコピーしました