☆津軽三味線・和太鼓奏者 木村善幸
こんにちは、いつもお読み下すってありがとうございます。
今日は、ちょいと植物から離れて、音楽についてお話します。
・植物に関する伝承技術
さて、私が最も大切にしているのは、昔ながらの穏やかな植物とのかかわり方なんですが、その源流は江戸園芸に見ることができます。
戦乱が終わってこの国が統一されて、平和と安定が訪れた江戸の町。
戦が無くなって武士たちが手を染め始めた一つが、園芸なんです。
なので今でも、古い方の園芸ハサミは、日本刀の技術を受け継いでいたりするんですよ。
もちろん今の時代みたいに、教える側が手取り足取りご機嫌取りで教わる側に接したりなんかしません。
技術は、教わるより盗めの世界です。
これは、調理人なんかもそうらしいですね、聴くところによると。
師匠がまず教えてくれない。
だから弟子は、真似るんですね、まず模倣する。
そこから技術は手渡しで受け継がれていったものです。
・木村善幸さん
ところで、私が古くから応援している演奏者に、木村善幸さんという方がいらっしゃいます。
この方は、お一人で津軽三味線そして和太鼓も習得されていて、それぞれの道で一流を極めている方です。
いわゆる二刀流。
詳しくは私の別blogに記してありますので、こちらをご覧ください。
< 木村善幸さんについて
さてその木村さんが、昨日札幌でコンサートを開催。
コンサートホールは満員。
真言宗の僧侶の声明から始まって、津軽三味線演奏、それに江差追分や和太鼓演奏もあり、実に日本文化を堪能できたコンサートでありました。
そしてそこには、多くのお弟子さんたちの姿もあったんです。
・和音の伝承
私は木村さんを古くから応援してきたと書きましたが、そんなに音楽について詳しいわけではないのです。
ただ、聴いていて心地良いかどうかが判断基準です。
木村さんの奏でる音は心地よかったですね、最初から。
正確に書くと、私の印象は、こうです。
最初のころは、不安な感性と言う刃を両手で超高速に振り回している感じ。
半ばあたりでは、強さの中に厚みが加わっていく感じ。
そして昨日は、音に体温を感じたんです。
変な表現ですけれど、実際そうだったのだから仕方ありません。
昨日は、穏やかな体温と拡がりがあった
これには驚きました、これまでと違う響きを感じましてね。
芸は生き物だ、なんて申しますでしょ。
あれはまさに、生きてましたね。
そして、ここ数年、私がとても心地よいのは、木村さんとお弟子さんたちの関係性です。
関係性だなんて書くと、いかにも取ってつけたようで嫌なんですが、この言葉がやはりしっくりくる。
演奏を聞いてますとね、師匠とお弟子の息がぴたっとしてるんです。
お弟子は師匠を信頼して、それぞれの表現者として自由闊達に奏でてる。
そして師匠は、そのお弟子それぞれに間を合わせながら奏でている。
これはもうそれだけで満足するぐらいの良い景色でした。
なるほど、音の世界も植物育ての世界も、根は同じなんだなと感じた昨夜のコンサートでありました。