☆医学の父:ヒポクラテス
さて昨日は、呼吸器疾患と免疫を高める対策について書きました。
今日はその続編です。
まずは、古代ギリシアの医師で哲学者ヒポクラテスについて。
このヒポクラテスについてだけでも最低1週間はびっしり書き続けたいほど、私が興味をそそられる人物です。
何と言っても現代医学にも多くの影響がみられるのですから。
そのヒポクラテスの格言で、こういうものがあります。
「患者に発熱の機会を与えよ、さすれば、いかような病も治してみせる」
これは昨日の「体を温める」に関わる言葉です。
そして彼の格言の中で、こういうものがあります。
「全ての病は、腸から始まる」
紀元前350年あたりに生きたこの偉大な哲学者は、どうしてこのような事を見抜いていたのかと驚かされます。
実際、ヒトの免疫細胞70%が、腸にあるのですから。
☆腸と免疫
免疫細胞と腸内細菌
結論から申しますと、ヒトが持つ免疫細胞の70%は、腸の壁の中にあります。
さらに腸内細菌は、成人でおおよそ100兆個、その重さだけで1~2kg。
腸内細菌は別の生命体ですから、私達は100兆の別の命を腸内で飼っているとも言えますよね。
この腸内細菌たちが、善玉菌、悪玉菌、日和見菌というグループに分けられまして。
この中で善玉菌と呼ばれるグループが、ヒトの健康に良い腸内環境を整える働きをしてくれるのです。また腸の壁の中で控えている免疫細胞にエネルギーを与えてくれたり、腸の壁を保護してくれたり、病原菌が入ってきたらそれを抑える働きもしてくれるのです。
いわば、私達の免疫細胞を育ててくれているのが、腸内細菌の善玉菌ともいえるのです。
そこで善玉菌が腸内で優勢になるようにしてあげると、結局は私達の免疫も上がり、健康になれるわけです。
では、善玉菌を優勢にするために、私達は何をすればいいのでしょうか?
その答えは、まず食事にあります。
(その他は、環境とか睡眠時間や運動量とかに左右されます)
食事と腸内細菌
腸内細菌の種類やバランスは、個人個人で独特なものになっており「腸内フローラ指紋」と呼ばれるほどに、人によって違うものですし、その人固有のものです。
ただ、指紋とは申しましても、変えることはできるのです。
それはまず食事です。
それも、善玉菌が喜ぶ食材を、私たちが意識して腸まで届けてあげなければなりません。
そうすることで善玉菌が元気になり、たくさん増えることで日和見菌も善玉菌のような働きをし出し、悪玉菌は影をひそめるようになるからです。
おススメ食材
では善玉菌が喜ぶ食材は何かを。いくつか以下に挙げておきますので参考にされてください。
・善玉菌を含む食材
ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌、ぬか漬けなど。
・腸内の善玉菌のエサとなる食材
バナナ、ごぼう、海藻類、リンゴ、アスパラガスなど。
これらを毎日の食事の中に取り込んで、良く歩き、タップリ毎日眠って、ストレスをあまり抱え込まないように気楽に構えて毎日を過ごしていると、数ヶ月でゆっくりと腸内環境も整ってまいります。
気になる方は是非、実践されてみてください。
良い腸内細菌が増えれば、それに育てられている私達の免疫細胞もより元気になり、ひいては私達の健康が守られるという事につながっていくのですから。
あ、そうそう。
病気で抗生物質を飲む場合は、腸内細菌にも影響がありますのでその点は頭の片隅に置いて置かれるとよろしいかと思います。
☆腸脳相関
腸脳相関とは、20世紀後半に、ヒポクラテスの言葉を受け、アメリカのマイケル・ガーション博士が研究を始めた体の仕組みの事。
博士は「腸は第二の脳である」とも仰っています。
この研究では、腸と脳が互いに影響を与え合っていることが証明されました。
例えば、緊張すると下痢をするとか、腸内環境が乱れると不安やうつ症状が出やすいとか。
これは以前にお話しした話ですが、ヒトはまず、腸から発生しています。
これは発生学でもきちんと証明されている事実です。
そう、腸みたいな生き物、見た目はミミズのイメージです。
その後、腸は、いろんな場所をコントロールしてもらうための脳を発達させました。つまり腸は第二の脳と言うよりは、腸を守るために生まれたのが脳と表現する方が正しいのではないかと私は思います。
そして脳は体の各部や心までを管轄するように発達を続け、現在に至っております。
ということは、腸内の環境を上手く整えておくことができれば、免疫系のみならず、近年爆増中の精神的な病の予防や治癒にも大いに役立つという事につながるという訳です。
この考え方は、広い意味で結構大事なのではないかと私は考えております。
☆最後に
色んなウイルスが悪さをするこの時期。
免疫を高めるために、腸の健康に目を向けましょう。
マスクをして腹巻をして、水分(ぬるま湯)をしっかりとって、なるべく歩いて睡眠もきちんととるように心がけて。
そして食事は、脳が求める食べたい物で選ぶことも多いです。
ところが、何が腸内細菌が喜ぶのかを考えて選んで、しっかり噛み砕いて食べることを心掛ければ、ずいぶんと心身ともに健康を保てるはずです。
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊