白樺には、なぜ木登りしにくいものが多いのか?

白樺 喫茶~言の葉
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☆白樺の秘密

無くなった下枝

まだ若かった私が不用意に白樺の木に登って、そこでかなり怖い目に遭った話を昨日しました。
< 白樺の美しさ

あの時に、他の樹木みたいに下の方まで枝があったなら、そこまで怖い思いはしなかった筈です。
いやもうそれは本当に怖い体験でした。
あの時もし落ちていたなら、たぶん、、、。

ではどうして白樺の木には、下の方にも木登りしやすい枝が無いものが多いのでしょうか?
樹木ですから、最初から地上近くに枝が無いという事はありませんよね。
どんな白樺でも、最初は地面の際から生えてきて、上へ上へと生長していくわけです。

こうして背(樹高)が高くなるにつれ、何故か下の方の枝が無くなっていくのです。
面白いですよね。
白樺

先駆樹種

この現象には、当然理由があります。
今日はそこに少しだけ触れてみましょうか。

まず白樺という木は、まだライバルが少ない場所に最初の方に生えてくる先駆樹種と言われる植物でして。
例えば白樺の生えやすい高冷地あたりで山火事など起こった場合、まずそこの樹木が焼き払われますよね。
そういった、他の樹木が少ない場所を好んで根付く樹木を、先駆樹種と言うのですが、白樺はまさにそれなのです。

開けて条件の合う場所であれば、白樺は真っ先に駆けつけ(あくまでイメージですよ)その拓けた野山や野原に真っ先に根を下ろす樹木グループの一角なのです。

つまり。
先駆樹種とは、まだ他の樹木が多くない場所で、太陽からの光を独占するのが好きな樹木群とも言えるわけです。
言い換えれば、ある程度強めで多めの太陽光が無いと生きていけない樹木群と言う事なのです。
白樺

クラドプトーシス

強めで多めの太陽光が好きな白樺は、森が育ってきて他の樹木が茂ってくると段々と衰退していき、やがては消え去って行くのですが。
こうして先駆植物と言われる草木が荒れ地にまず生えて、次にそこに他の植物が入ってきて草原や森を形成していくという、植物の品種によるバトンタッチが行われる自然の妙。
そういうモノを頭の片隅に入れて観察しますと、森であれ草原であれ、よりイキイキと生命力をこちら側に伝えてくれるものです。

観察が一段と楽しくなるのですよね。

さて話は戻って。
私が森の調査断念時に、もたれかかって休ませてくれたあの白樺の木。
白樺

下の方に枝が一本もなく、ツルンとしておりますでしょう。
これはクラドプトーシスと言う現象でして。

この現象がどういうモノかと申しますと。
光が好きな白樺は、周囲の樹木とも光の争奪戦を演じるわけですが、下側の方は弱い光しか届かないわけです。
白樺
白樺の生存戦略では、こういったライバルに邪魔された下側の弱い光なんて、集めるだけエネルギーの無駄と言う訳で、自分から光合成効率の悪い下の枝を落としてしまうんですよね。
この現象が、クラドプトーシス。
白樺

クラドプトーシスは白樺同士の日光の遮りでも起こりますから、白樺の林はあんな独特の美しさを醸し出すのです。
白樺林

ちなみに。
白樺にクラドプトーシスが起こって、元々そこにあった枝を落とした跡はハッキリ分かります。
それがあの樹皮に残る独特の「へ」の字模様と言う訳です。
白樺林

と言う事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
喫茶~言の葉
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