☆旧暦が教える桜開花の遅れ
今朝、高知県で、平年より6日遅れで桜が咲いたとニュースがありました。
また東京では予想より遅れていて、予想日を過ぎてまだ桜が咲いてないとも。
これ、陰暦を見ると、そうなることは予測されているんです。
春の到来が遅く、夏の到来は昨年よりは早いけれども割合短く、しかもその分、秋と冬の到来が早い。
はい、これは、昨年に比べての話です。
つまり、春の到来が遅いわけですから、当然桜の開花も遅れるという事です。
そして今度、旧暦が示すように、夏が早く来るけれど短く、秋も同じように早く来て短く、冬が長くなるのか、注目しておいてください。
さて、どうなりますやら。
☆二種類の桜餅
雪割り
札幌は暖かくなりました。
それで一気に雪解けが進んでいます。
そして昨日は大変な力仕事ですが、最後の雪割りをやりました。
雪割りと言うのは、降り積もって硬くなった雪の表面にスコップなどで垂直に割れ目を入れて、雪が早めに解けて無くなるようにすることです。
割れ目に春の暖気が入り、けっこう効果的なんです。
桜餅
力仕事でありまた、春の彼岸明けでもあったので、おやつに桜餅を買ってきました。
北海道では有名な菓子メーカー2社のを一つずつ。
そしてスーパーで売ってる安いのを一つ。
こうして並べると、それぞれ個性がありますね。
私は九州育ちですので、桜餅と言えばこの形なんです。
ところが本当は、二種類あるんですよね、桜餅には。
それが、長明寺桜餅そして道明寺桜餅と、それぞれに命名されているんです。
長明寺桜餅
長明寺は、比叡山の天台宗系列のお寺で、東洋の墨田区にあります。
こちらの桜餅は、白玉粉または小麦粉など、それで餡を二つ折りに包んだ物。
筒状にする場合もあるらしいですね。
中に使うのはこし餡で、別名、関東風桜餅。
長命寺は隅田川近くにありますから、江戸時代初期に幕府が進めた桜の植樹で花見もにぎわったところです。
そこで、豊富な桜の葉を利用してできたのが、この長命寺桜餅だったのだとか。
この長命寺桜餅は東京を中心に、東北、山陰、静岡や山梨で主に親しまれているようです。
道明寺桜餅
この道明寺桜餅、道明寺餅とも言いますが、別名が関西風桜餅。
私が見慣れているもち米を使った桜餅です。
道明寺
道明寺は関西にある真言宗のお寺。
菅原道真公にゆかりのあるお寺と言うのもまた歴史を感じさせます。
そして、関西風桜餅になぜ道明寺の名が付いたかと言えば、そこに用いられているのが、道明寺粉だからなのです。
道明寺粉
道明寺粉。
これはもち米を荒く挽いて、米の形をやや残したもの。
この道明寺粉はもともと保存食なんです。
干飯(ほしいい)、乾燥させたご飯粒の意味です。
かつて賞味期限は20年と言われていたスグレモノ。
干飯は、糒とも書きます。
「米編に備える」です。
苗字にも、九州では飯干さんと言う方が多いですよね、特に宮崎県に多い。
なにか関係してると思われます。
この道明寺粉を蒸して餡を包んだものが、道明寺桜餅なのです。
こちらは、関西を中心に東海地方、山陽、四国、九州、そしてなんと北海道。
この北海道と言うのは、津軽三味線と同じく、関西から北前船で日本海側ルートを通って広まったという事なのでしょうね。
☆桜の葉、食すべきか食さざるべきか?
好みの問題
桜餅に使われている桜の葉。
これは大島桜の葉を塩漬けにしたもので、実に良い香りです。
私はこの葉ごと食べるのが好きですが、中にはわざわざこれを剥いて捨てる方がいらっしゃる。
尋ねると、葉はふつう食べないよと仰る方が多い。
まぁ結論から申しますと、自由です、食べても食べなくてもよろしい。
でも私は、この葉を一緒に食べてこその桜餅だと考えています。
塩味の葉は、餅の甘さを引き立ててくれますし、第一香りが良い。
しかも、葉に含まれるクマリンが良い。
クマリン
このクマリン、多量に食べると良くないのですが、普通に食べる分には全く問題ありません。
そしてあの独特の桜の香りの正体です。
ですので、桜餅を食べるからには、塩漬けの大島桜の葉は、春を体内に迎い入れるという感じがして好きなんです。
クマリンの効果としては、抗酸化作用やアンチエイジング、むくみ予防、そして脳機能の維持などがあります。
明日葉、シナモン、イチゴ、パセリ、緑茶、人参、ハッサクなどにも含まれている物質です。
こうしてみると、季節の行事やお祝い事に、植物を体内に取り込んできたご先祖様たちの感性が本当に素晴らしいと言わずにはいられませんよね。
という事で、長くなりそうなので本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐