☆川辺の植物忘備録
緑白色のユリ
関東から九州にかけて咲く花でウバユリというのがあります。
森に自生していて、高さ1mほど。
夏場に花を2~4輪咲かせます。
このウバユリに近い品種に、オオウバユリという植物があります。
こちらはウバユリとは逆で、本州の中部から北にかけて自生しています。
また、ウバユリよりも高く伸びて、花を咲かせる時期には1.5m~2mほどに生長。
花の色が印象的で、白黄色~黄緑色~緑白色、この範囲のどこかの色に落ち着きます。
私は、緑白色がたまらなく好きです、良い色ですよ、ほんと。
そうそう、それと、一度に10~20個の花をつけるのもこの花の特徴です。
花の期間は、おおよそ5日。
名前の由来
ユリの名が付きますが、ユリではありません。
球根がしっかりと生き続けて、花を何年も咲かせるのがユリです。
ところがこのオオウバユリは、種から芽を出して7年ほどかけて少しずつ生長し、その年の夏に一気に花をつけます。
そしてその花を咲かせることと、種を結ぶことに全生命力を集中させて種ができると力を使い果たし、球根さえも枯れてしまうのです。
こういうのを、一回繁殖型植物とも言います。
このように、花を咲かせる頃には全ての力を花に向かわせますから、花から遠い、地面に近い部分の葉から枯れ落ちやすくなります。
なので、葉が無いであり、歯が無いにつながる。
それで、おばあさんという意味の姥(うば)の名が付けられたのだと言います。
ちなみに、母乳の出の悪いお母さんの代わりに、赤ん坊にお乳を与える役割の女性を乳母(うば)と言いますね。
武家社会でのこの乳母は、子が乳離れしたその後も、その子の教育係として就くこともあったと言います。ここから生まれた信頼関係は一生続くことも多かったそうですから、元々乳母と姥は似たような意味では無かったかと私は思っています。
好きな場所
直射日光が長時間当たる場所では枯れます。
つまり、日陰(落葉樹の陰)が好きで、しかも湿り気の多い土地が好き。
その上で、風通りの良い場所が好きです。
というのも、オオウバユリは熟した種を、開花後の枯れあがった茎にの上(蒴果)に残し、風の力を利用して子孫をなるべく遠く飛ばそうとするからです。
飛ばされた一部が、うまく好みの土地にまで飛んでくれればという作戦のために、先ほど申しましたようにウバユリは一気に高い位置まで伸びて、花を咲かせるというわけです。
食用
オオウバユリは食用にも利用されてきました。
地下にある丸い部分、球根からデンプンを採ったのです。
当然このデンプンは、オオウバユリの願いでもある次の世代を生きる種のための物。
それを人間が頂いているという事です。
ちなみに、オオウバユリの球根というのは、もう少し詳しく申しますと鱗茎(りんけい)。
球根というから、根っこがプ~~~~~って膨れて球根になったと思われる方もいらっしゃいましょうが、いくつかのパターンがあるのです。
またそれに関しては日を改めて述べることにしますが。
オオウバユリのように茎が地面の中にググっと縮まって球根の形をとるものもあるんです。
身近な所では、玉ねぎもそうですね。
という事で今回はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き時間をお過ごしくださいませ💐😊