☆4月にアメリカで、光るペチュニア数量限定発売
先日、こんなニュースを目にしました。
「4月(再来月)にアメリカで光るペチュニアの販売開始」
なんでも販売数が50000株で、一株29ドル、日本円で約4300円。
夜にホタルみたいに発光するペチュニアだなんてメルヘンの世界ですから、きっと即完売になるんじゃないかと思います。
この商品は、アメリカのLight Bio(ライトバイオ)社が産み出したもの。
そのサイトがこちらです。
Glowing plants by Light Bio
これは、ホタルペチュニアと訳されています。
そのうち日本にも入ってくるんでしょう。
前にも申しましたが、やはり私としては珍しさより自然界に及ぼす影響が心配です。
とはいうものの、2023年9月に米国農務省動植物衛生検査局(USDA)の承認が下りてますから。
私がどうのこうの言う事ではないのかもしれませんね。
USDAの見解では、「この改変ペチュニアが他の栽培ペチュニアと比較して植物害虫のリスクを高める可能性は低い」とあります。
そしてこう続いています。
「植物害虫のリスクの観点から、このペチュニアは米国で安全に栽培および繁殖できる可能性があります。」
しかしですね、、、どうも、リスクがない!とか安全に栽培できます!とか、断言されてないのが怖いんですけど、、、。
ごめんなさい、古い人間なので新しいものに警戒感を持ってしまうんです。
米国農務省アブラムシ |APHISが規制状況の審査を発行:ライトバイオペチュニア (usda.gov)
☆光る植物は、キノコの力で作られた
光る植物の開発については、世界各地で行われているんです。
光るペチュニアの前には、ロシア科学アカデミーの生物有機化学研究所、MRC(医学研究評議会)ロンドン医科学研究所、オーストリア科学技術研究所の共同研究で、光るタバコが開発されています。
そもそもタバコとは、ナス科タバコ属の熱帯原産植物。
これがタバコの畑。
こちらを育てて収穫して乾燥させて、あのタバコになるんです。
漢字で書くと、煙草。
もうそのまんまですよね。
ちなみに日本には1601年に宣教師が長崎にもたらしたようです。
そしてこちらが、煙草の花。
共同研究チームがタバコを選んだのは、遺伝子的に単純で、その上に生長が早く、その結果研究成果が出やすいという理由のようです。
このタバコに組み込まれたのが、発光キノコの遺伝子でした。
「キノコの生物発光と、植物の代謝の間には類似性がある」研究者たちは、この一点を突破口に、光る植物の開発を成功に導いたとのことでした。
☆ホタルペチュニアの場合
話を戻しまして、このホタルペチュニア(発光ペチュニア)。
こちらに使われているのも発光キノコの遺伝子です。
タバコもナス科ならペチュニアもナス科。
ナス科だから組み込みやすいという事があるのかもしれませんね。
前にお話した光る花たちについては、海のプランクトン由来や、植物自身の蛍光タンパク遺伝子の加工、そして紫外線による発光などからの発光でした。
ホタルペチュニアでは、私が調べた限りでは今のところ、数種類の発光キノコが関わっているとしか分かりませんでした。
この数種類の光るキノコの遺伝子が組み込まれたペチュニアが、お月様ほどの明かりの緑色に光ると言います。
日中に数時間太陽光を当てることで、夜間の発光につながるようですね。
グローウェイ!生物発光性観葉植物が初めて米国市場に登場 (nature.com)
あ、そうそう。
それと、なぜペチュニアが選ばれたかですが。
その理由は、ナス科植物であると同時に、ペチュニアが広くガーデニングにも使われているからだそうです。
つまり、ガーデニング素材としての需要を見込んで、という事です。
☆ペチュニアについて
ペチュニアは、日本でも多く作られている植物です。
花壇用苗としては、ベスト5に入っているくらい。
サントリーが、ペチュニアから作り出したサフィニアも有名ですよね。
このペチュニアの特徴としては、花の時期が長いことが挙げられます。
札幌の場合ですと、5月から10月ぐらいまでは、手入れさえきちんとしてあげたら、花を咲かせ続けるんです。
北国以外であれば、夏の暑い時期や冬の寒い時期に、移動が簡単な鉢植えにしておけばもっと持つんじゃないでしょうか。
これだけ花の時期が長いと、やはり人気です。
☆ホタルペチュニアについて、気がかりな事
人気でるだろうな、ホタルペチュニア
発光キノコの遺伝子を取り入れたペチュニア。
あちこちのガーデニング現場で重宝されて人気のこの花が、夜に光るんですから。
そりゃあ見てみたいし、育ててみたい方も相当数いらっしゃるでしょう。
夜に蛍光グリーンに光ってくれたら、かなりの癒し効果もあると思います。
予約販売も決まった今、いずれ日本にも入ってくると思います。
ところで心配性なA型の私。
今、二つの気がかりなことがあるんです。
気がかり①~育てやすさ
元々ペチュニアは花の時期が長い上に、育てやすいんですよね。
ちょっとした手入れをしてあげれば、草姿全体のバランスもキレイに保てます。
ところが、基本的に改良を加えれば加えるほど、気難しく、弱くなる傾向があるんです。
例えば、野生の雑草はかなり逞しいですが、園芸品で売られている植物はそれに比べて弱い。
また強すぎたら困るんですね。
強すぎるとどうなるか?
確かに育てやすいですが、雑草化するんですね。
園芸種として改良されたものなら、ある程度強く、かつ、ある程度弱いものが良いんです。
さて、ホタルペチュニアは?
強すぎたら雑草化、、、まぁこの強いという可能性は少ないかなとは思いますが。
弱すぎたら、育てにくいんです。
お高い苗ですから、枯らしたくはないですよね。
まずはしっかり、通常のペチュニアを育て上げる腕を磨いておくのが間違いないと、私は思います。
気がかり②~アブラムシ
それとペチュニアは、生育初めの頃から、アブラムシが付きやすいんです。
このアブラムシと言うのは、厄介で、一般的に知られているのが、植物の汁を吸う。
これがまた一旦つくと、増えるんです、茎が見えないぐらいにビッシリと。
虫が付けば付くほど、吸われる量が増えますから植物が傷む。
弱るんですね。
だから農薬をまくことになります。
ここまではまぁ、知られている事。
さてアブラムシの困った習性。
これが困ったことに、節操が無いんです。
植物が有ったら、とりあえずクチバシ(?)専門的には「口吻」といいますが、針状の口をまず刺すんです。
そしてとりあえず植物の汁を吸ってみる。
それで不味かったら、次の植物に移っていくんです。
ペチュニアは、アブラムシの大好物ですからね。
ホタルペチュニアにも付くでしょう。
そこでホタルペチュニアの汁が付いた口吻で、次の雑草なんかに口を刺したら、そこで遺伝子が移っていく可能性があるんです。
自然界に無い、操作された遺伝子が自然界にバラまかれ始めたら、実はそれからどういう変化が起きるか誰にも分からない事なんです。
だから私は今から、なんとなく怖いなと感じているんです。
☆まとめ
前回の記事「遺伝子組み換え技術~光る魚・光る花」からそんなに間をおかずに、ホタルペチュニア予約販売開始のニュースに触れました。
まさに日進月歩ですね。
魚にせよ、植物にせよ、蛍光物質を取り込んだ物が次々出てくるようになってきています。
もちろん、販売する側は安心を謳っています。
でもちょいと冷静に振り返ってみると分かるんですが、売り始めは安心安全を謳うのが決まりです。
ハブを退治するために輸入されたマングースが、近年慌てて害獣として駆除対象になるだなんて、導入当時あまり言われませんでした。
マングース | 奄美野生生物保護センター (env.go.jp)
農業の現場で、トマト受粉のためにセイヨウマルハナバチを積極的に導入されたとき、農業の専門家たちが疑いもせずに普及に努めました。その結果、セイヨウマルハナバチは日本の生態系破壊に一役買うまでになってます。今では特定外来生物として駆除対象になっています。
セイヨウオオマルハナバチ(特定外来生物) – 環境生活部自然環境局 (hokkaido.lg.jp)
光る植物がこれからも次々と出てくる時代の入り口なのかもしれませんね、今は。
楽しみではありますが、ちょいと冷静に見ておこうと、私は思っておりますが、皆様はいかがでしょうか?
という訳で本日ここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしください💐