遺伝子組み換え技術~光る魚・光る花

遺伝子組み換え 植物最新情報
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☆光る魚で販売業者逮捕のニュース

昨日、時事通信のニュースで知りました。
東京江戸川区で、遺伝子組み換え技術で作り出された光る熱帯魚を販売。
それで、販売業の社長と店長が逮捕されました。
罪状は、遺伝子組み換え生物規制法違反。
両者とも容疑を認めているという事です。

今日はこちらがとても気になったので、この関連に話について少し触れておきます。

☆光る魚

さて、気になるのがこの魚、熱帯魚の「ベタ」と言う種類だそうです。
この遺伝子を組み替えて、紫外線を当てると緑色に光るように改良してるんだそうです。

何でもタイの業者から輸入しての販売だったとか。
今回たまたま東京の不勉強な業者が仕入れて、もしくは確信的に仕入れて販売。
それを購入した客がコンテストに出品して発覚したというのが事件の内容。

しかしなぜ、そのタイの業者がこんなものをなぜ販売してるのか?不思議なんですよね。
実際に、海外の一部で、ひそかに日常的に、不法に販売されているとしたら、、、。
珍しい物には高値が付きますので、喜んで買う業者も現れます(今回のように)。
さらに喜んで買う客もいますから。
怖いんです。

ではどうして怖いのか?
これからお話させていただきます。

遺伝子組み換え
画像出典:時事通信

「光る魚」飼育容疑で2人逮捕=コンテスト出品で発覚―警視庁 (msn.com)

☆交雑と言う危機

この遺伝子組み換え生物は、自然界に「存在しない命」なんですよね。

人類の進化でも触れましたが、長年の進化でゆっくり調和を築いて進化してきた自然界です。
そこに異分子の、「無かった命」が突如そこに割り込むわけですから怖い。
「存在してきた命」と混ざり合ったらどうなるか、がまったく見えないんですね。
これがとても危険な可能性が大きいんです。

何が危険なのかと言うと、交雑です。
そしてこの交雑(命や遺伝子が混ざり合う事)は、割合簡単に起こりやすい。

例えば、人工的な新しい種と自然界の種が親となり、子を成すのも交雑。
それと、こういうパターンもあり得ます。
これも例を挙げるなら、遺伝子組み換え植物があり、その樹液を吸った昆虫が居たとします。
その昆虫が、遺伝子組み換え植物の樹液を口に付けたまま、他の植物の汁を吸う時にも交雑が起こる可能性もあるんです。
こうなると、もう防ぎようがありません。

遺伝子組み換え生物は、自然界に存在しない生き物と書きました。
その生き物が自然に増えていくとなると、人類の予想外のところで大規模な自然破壊につながって、それがある一定のレベルを超えると、人類は壊滅かそれに近いダメージを受けることになりますから。

だから、その状態に陥るのを防ぐために、遺伝子組み換え生物規制法ができました。
今回の東京江戸川区の業者は、この遺伝子組み換え生物規制法を知りながら違法販売していたのだから悪質ですよね。

☆遺伝子組み換え生物規制法(カルタヘナ法)

この遺伝子組み換え生物規制法は、日本独自の法律なんですが、この元となってるのが国際条約「カルタヘナ議定書」です。

「カルタヘナ議定書」とは、2000年に採択された国際的な生物の安全性に関する最初の法的枠組みのこと。
中身を大まかに言うなら、遺伝子組み換え生物の移動が、自然界の生物多様性に及ぼすかもしれないリスクを最小限に抑えることです。

このカルタヘナ議定書を基にできた日本の法律が、遺伝子組み換え生物規制法(カルタヘナ法)です。

さらに言うと、このカルタヘナ議定書を基に、多くの国で、それに準じた法律が制定されています。

☆遺伝子組み換え生物~既に使われている作物たち

その遺伝子組み換え技術について、植物の方面で見てみますと、こういうのがあるんです。
有名どころを4つほど挙げてみますと、、、、。

大豆:耐草剤性や害虫抵抗性を持つように改良されており、世界中で広く栽培されています。
トウモロコシ:耐草剤性や害虫抵抗性を持たせており、特にアメリカで広く栽培されています。
綿花:害虫に対する抵抗力が強化されている品種が栽培されてます。
菜種:耐草剤性を持たせていて、油の生産に広く用いられています。

ちなみに、対草剤性とは、除草剤をかけても枯れないという薬剤抵抗性の事をいいます。
そして遺伝子組み換えは、観賞用の花でも行われています。

☆遺伝子組み換え生物~光る花

・青いバラ

さて、遺伝子組み換えの観賞用植物で有名なのは、青いバラですね。
これは、通常のバラには自然に青い色素が存在しないため、とても大きな需要があるんですね。
つまり、大きな利益が発生します。
ところが、これだけ技術が発達した現在でも、「完全な青」のバラは、まだ生まれていません。

ちなみに、既に「青いバラ」という品種は出てきていますが、、、うう~ん、、、これが青なのねと思うのは、私の心が汚れているからでしょう。
しかしそのうちに、完璧な青いバラも出てきそうな気がしています。

サントリーの青いバラ

開発ストーリー|世界初!「青いバラ」への挑戦|私たちの研究・技術|サントリーグローバルイノベーションセンター (suntory.co.jp)

・光る花たち

最後に、光る花についての情報を挙げておきます。
一つは、体内に蛍光物質を取り込むように遺伝子組み換えされた植物。
これはトレニアと言う植物なんですが、農研機構から発表されています。

遺伝子組み換え

遺伝子組換え技術により開発された「光る花」の論文を公開 | プレスリリース・広報 (naro.go.jp)

あと、同じく農研機構から菊。

遺伝子組み換え

世界で初めてゲノム編集によりキクの性質を変えることに成功 | プレスリリース・広報 (naro.go.jp)

そしてつい先日の千葉大学から発表されたのが、光る胡蝶蘭です。

遺伝子組み換え

ブラックライト下で輝く「光るコチョウラン」を開発 2月7日(水)~ 「世界らん展2024」で世界初公開 | 国立大学法人 千葉大学|Chiba University (chiba-u.jp)

こうしてこのまま世の中、色んなものが光るようになる時代が来るんでしょうか。
なんか、2011年には遺伝子組み換えで、光る猫も生み出されたらしいです。
どうなったんだ、その猫は???
とりあえず、ホタルに夜光虫にヒカリゴケ、そしてホタルイカ、がんばれ!!と願う私です。

という事で本日ここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
それでは今日も佳い日でありますように💐

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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