☆本日、ほぼ日本全体に黄砂が降ります!
今年も黄砂の季節がやってきました。
遠くはカザフスタンの砂漠から。
そしてモンゴルから。
また中国のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠に黄土高原。
このあたりで強風に巻き上げられた砂塵、通称、黄砂。
これが本日、ほぼ日本全体に降っています。
さて今日は、この黄砂についてみて行きましょう。
☆空を飛ぶ砂:黄砂(こうさ)
これは3月28日の黄砂の様子です。
大陸に濃い濃度で飛んできています。
赤いほど濃く、橙や黄色のうすい状態に行くにしたがって、濃度は薄くなっています。
それが上空を西から東に向かって吹き続けている偏西風に乗って、今日(30日)の正午にはこうなると予測されています。
☆黄砂の性質
大きさと飛行距離
さて、飛来する黄砂の平均直径ですが、主流は4ミクロン(μ)。
これは、花粉症を引き起こすスギ花粉の大きさが20~60μですから、黄砂の方がスギ花粉よりも五分の一から十五分の一の細かさです。
この小ささだけ見ても、やっかいですよね。
普通に、肺の奥まで入る小ささですから。
ちなみに1ミクロンは、1ミリの千分の一。
こうなると砂ではなく、もう粉ですよね。
こんな黄砂が、あちらの砂漠で強風にあおられ一気に舞い上がる。
上空5千メートルまで舞い上がると言うんですから壮大。
そしてここで、10ミクロン以上の大きめな黄砂は、重力に負けて、比較的早く地上に落ちてくるんですが、細かいものは舞い続けます。
浮力が重力に勝つんです。
なのでフワフワと。
そして先ほども申しましたが。
上空には偏西風という強い風が、常に中国大陸から日本に向けて吹き続けています。
これで黄砂は少しずつ地上に舞い落ちながら東へ東へと飛び続けることになるのです。
より細かいものは、アメリカ西海岸にまで飛び、記録としてはさらに先、グリーンランドにまで届いたこともあるという記録も残されていますね。
驚くほどの飛行距離です。
近年の問題
ただ、100年以上前の黄砂と現代の黄砂では性質が違うんですね。
発生源の砂漠と日本の間に、中国のかなりひどい大気汚染がありますので、そこで有害な化学物質もくっつけてくるんです。
なので、黄砂はこの時期、ずっと昔から日本に降り注いでいた風物詩でもあるのですが、現代においては注意が必要です。
特に呼吸器系に疾患をお持ちの方や、赤ちゃんや私を含めた高齢者は、注意が必要です。
ところで、リアルタイムな大気汚染の状況は、こちらが参考になると思いますので、載せておきますね。
世界の大気汚染:リアルタイム大気質指数
黄砂対策
そこで黄砂対策のマスクですが、どうせならN95レベルのしっかりしたマスクが良いです。
このN95マスクと言うのは、1~3μの粒子の95%をカットできる高性能マスクの事です。
ホームセンターあたりになら、置いてある所もあると思います。
「N95」を頭の片隅に置いておいてください。
N95ではありませんけれど、昨日コンビニに行ってみたら、販売されてるマスクのすべてが黄砂対応と書いてありました。
一応ご参考までに。
そして、目です。
黄砂が降っている時は、なるべくならコンタクトレンズは避けた方が良いと思います。
レンズと目の間に黄砂が入り込み、角膜を傷つけるからです。
出来れば、黄砂が降るときは、メガネをお薦めします。
また外出から帰ったら、脱衣所でなるべくそっと服を脱ぎ、すぐにシャワーが良いです。
室内に黄砂をまき散らすことになりますからね。
これは杉花粉対策と同じです。
また同じ理由で、外に洗濯物を干すとか、窓を開けっぱなしにするとかは避けてください。
とにかく昔と違って、化学物質も含んだ微粒子の砂です。
くれぐれもご注意くださいね。
< 在中国日本国大使館HP 大気汚染関連
黄砂の恵み
一方で、良い面もあるという事にも触れておきますね。
黄砂自体はミネラルを含んでいます。
ミネラル分を含んだ黄砂が降り注ぐことにより、メリットがあるんです。
それが、植物や海洋生物への栄養補給。
地球の自然史に組み込まれた天然の肥料と言った側面があるんですね。
春に黄砂が降り注ぐことによって、地上の植物に微量要素の鉄などが補給されます。
土に混ざると、肥えるんですね、肥沃化させるんです。
それと海に降り注いだものは、植物プランクトンのエサになります。
その結果、植物ブランクトンが増え、魚のエサも増えるので魚も増えます。
また、植物プランクトンが増えることで、海の二酸化炭素吸収量が増え、わずかですが温暖化防止にもつながります。
生態系と同じで、長い地球史に組み込まれた自然現象の一つである黄砂。
けして、ただの厄介者では無いのです。
☆黄砂量の増大
最後に。
日本には約7万年前から黄砂が飛来していたと、地層の研究などから判明しています。
そして近年では、黄砂の量が増えているという報告もされていますね。
確かに、私の子供の頃より多い気がしています、たかだか50~60年内の話ではありますが。
実はこれには、中国の黄土高原にある植物(樹木)の減少や、陸地の砂漠化が進んでいる事が関わっているという事があるようです。
また、気象の変化もそこに関わっているとも。
海を挟んでの離れた土地での話ではありますが、自然現象にも国境はありません。
小さな変化が大きな代償を伴う事もままありますので、そういう変化にも心を傾けていたいと思います。
さて、今年の黄砂は、多いでしょうか少ないでしょうか?
それとも例年並みでしょうか?
気になるところです。
ということで、本日ここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐