風物詩を、自宅で育てる楽しみ  

楓のタネ お手軽栽培術
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☆もみぢ

・紅葉(黄葉)

いよいよ秋がやってきたようです。
こうして寒さを感じるころ、街は紅葉のシーズンを迎えます。
例えば街角の公園や山々、どこを見ても色とりどりの葉っぱたちが目を楽しませてくれますね。
そんな中でも、紅葉や黄葉というのは、私たちの心を特別に暖めてくれる存在です。

さて、「もみじ」という言葉があります。
この言葉、古くは、「もみぢ」と書いたそうです。
紅花を揉んで布を染めると血のように赤くなることから、もみぢ、だそうです。

・もみぢという現象

そして秋になって色づいた紅葉や黄葉のことを、「モミジ」と言いますね。
これは、秋になって気温が下がってくると、植物の葉の色が緑から赤や黄色に変わる「現象」が起きますが、まさにこの現象の事を指すんです。
けして、染色の事でも、特定の植物のことでもなく、「現象」の事です。

例えば、そうですね、柿紅葉もあれば、銀杏黄葉という言葉もある。
またそれぞれに「かきもみじ」「いちょうもみじ」なんて読みます。
そんな中で、楓紅葉は有名。
いわゆる、もみじの代名詞だったりしますね。
そうして一般には、もみじと言えば楓を連想するのも、日本文化が楓を、紅葉する植物の代表みたいにとらえていたからなんです。
紅葉

・楓紅葉

そう。
楓という樹木は、まるで秋の代表。
そんな秋の代表植物の楓を、自分の手で種を取って育てることができるってなったら、素敵だと思いませんか?
はい、できるんです!

自分で蒔いた種から、鉢植えとして育て上げることの満足感。
それはもう筆舌に尽くしきれないものがあります。
そこで今回は、そんな楓の育て方(タネ取りから芽を出させるまで)をご紹介したいと思います。
紅葉

☆楓のタネ取りから、芽を出させるまで

1. 楓のタネを探して

まず実際に、近くの森にある楓を見てみましょう。
楓の木の枝を見てみると、プロペラのようなものが吊り下がっています。
観察すると、一つのプロペラに、丸いのが二つ。
これが楓の種。

春先にはもう下がっているのですが、栄養をたっぷり含ませて元気いっぱいになってもらうため、秋までそのままにしておきます。
そして秋の終わりごろになったら、なるべくフックラと育っている種を採取です。
ただ、どなたかのお宅の木や、公共の場での直接採取は厳禁です。
熟れて自然に落ちたモノであれば、一言断れば気持ちよく下さるはずです。
それぐらいたくさん、タネは落ちますので。
楓のタネ

2. 羽を取り除いて水浴び

タネが無事に手に入ったら、次の段階に進みます。
まず、種についているプロペラ部分を取り除き、一晩~三晩、水に漬けておきます。
これによって種は、適切な水分を吸収し、芽を出すための最初の準備を始めます。

3. 黒土と楓の種、共演開始

水に漬けこみ終わったら、次の段階です。
まず土を入れた容器に、楓の種を1cmの深さに埋めます。
使用する土は、そんなに高価な土を買わなくても結構です。
畑の土があれば、それで構いませんし。
もしご購入であれば、「黒土」と「鹿沼土」を同じ分量で混ぜたもので良いです。

そうそう。
容器は、、、私の場合、市販のプリン容器を使ってました。
あの、プッチンする奴です。

さてこの時点で、楓をサポートする環境が整いました。

4. 自然の中での冬の過ごし方

やがて来る季節、冷たい冬、この寒さが楓の種の発芽を後押しします。
こうしてタネを、寒さにあわせることが大切ですので、外に放置しましょう。
そうです、雪や雨がかかる場所に容器を置いて、冬越しです。

寒さを経験することで発芽しやすくなるという自然の仕組みには、いつも感心させられています。
本当に、命って不思議ですよね。
楓のタネ

5. 春、新しい命の訪れ

さて翌春、暖かくなってきたら、土があまり乾き過ぎないように水を与えましょう。
但し、水のやりすぎはタネを腐らせますので、ほどほどに。
一番良いのは、一日一回、容器を手で持ち上げてみる事です。
乾いてくると軽くなるし、例え表面が乾いていても、水分がしっかり入っているなら重さを感じます。
大事なのは、「適度な水分」という事です。

そういうお世話をしていると、やがて緑の芽が顔を出してきます。
この瞬間の喜びと言ったらありません。
こういった、蒔いてすぐに芽が出ない植物時間を、是非楽しんでください。
そしてこの芽が数ヶ月かけて20㎝ほどに育ったら、それに適したお気に入りの鉢に植え替えて育てあげましょう。
楓のタネ

☆楓育ての効果

一から自分の手で楓を育てることで、特別な愛情が湧き上がります。
そのことが、日常のストレスを緩和してくれることでしょう。
また、心の安らぎやリラクゼーションをもたらしてくれること間違いなし。
自分だけの楓の木を育てて、四季の移り変わりを感じる楽しみもなかなかのものです。
ご興味ある方は是非、チャレンジされてみてください。

では、本日も最後までお読み下すってありがとうございました。
今日があなたにとって、佳い一日となりますように。

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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