元旦めでたい話~お正月の松の話⑦

お年玉 古典園芸
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< お正月の松の話⑥より続く

☆歳神様来訪

・新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。
札幌からは幸いに、雲に切れ間から初日の出を拝むことができました。
清々しい気持ちになれますね。
更に嬉しかったのは、帰り道でエゾリス二匹に出会ったことです。
さて、これから三箇日。
松に絡めてお正月の話を続けます。
松の木

・歳神様来訪

さて、歳神様。
大晦日の日没にいらっしゃるという地方と、元旦の日の出とともにいらっしゃる地方があると前に書きました。

参考までに、本日の日の出の時刻を記しておきます。

元旦日の出時刻は、札幌が7時6分、東京6時50分、福岡7時22分、沖縄7時17分。
※国立天文台 暦計算室データより

☆お年玉

・鏡餅のおさらい

松の生命力に神聖なモノを感じた日本人。
そこで我々の遠いご先祖は、松をカミの依代としたと前にもお話しました。

大晦日か元旦に、玄関の門松に降臨される歳神様。
そこで一旦足を止めて。
次に、室内の松飾りを経由して、あるいは直接に、鏡餅にいらっしゃる。
そしてそこで松の内の期間、家に留まるんですね。
つまり鏡餅から、一年分の家族のしあわせや利益などの種をまかれるんです。
お屠蘇

さらに歳神様の魂遷しで、鏡餅自体にもその霊力がそなわる。
その霊力が宿った鏡餅を、松の内が明けて、砕いてお汁粉などにして体内の取り込む。
そうすると、私たち自身にもその年の歳神様の霊力が備わるという仕組みです。
※お正月の松の話⑤:魂遷し:鏡餅
お年玉
これらの話は、この前までの一連の記事で書いたことですが。

・歳神様のおちから配り

さてここで、もう一つ言い忘れていたことがおりました。
鏡餅を砕いた破片の事です。
歳神様が依代にした鏡餅は、ある意味歳神様の霊力そのものと言う意味にもなりますよね。
昔の日本ではその霊力を、魂と呼んだりもするのです。
この場合、魂は「たましい」とも読みますが「たま」と読んだりもするんですね。

つまりお年玉とは、本来は「お歳魂」なんです。
魂遷しのところでご説明した通り、縄文時代の自然観が色濃く残る神道の考えでは、魂は火のように移せるし増やせるものなんですね。
だから砕かれても、数が増えるのみなんです。

そうやって砕いた鏡餅の破片を、御歳魂として配ったり頂いたりしたのが本来のお年玉なんですね。
そう考えると、硬いお餅もありがたいものに思えてきますね。
お年玉

さて、2024年始まりました。
今年がより佳き年になりますように。
ではまた明日。

< 三箇日めでたい話~お正月の松の話⑧へと続く

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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