☆菖蒲の節句
いよいよ今日から夏。
春が終わって、いよいよ夏の気配が立ち始める日、立夏です。
立春、立秋、立冬と併せて、四立と呼ばれる四季の始まりを表す節目であります。
札幌などは朝6時で、外の気温が9.6℃。
ひんやりしておりますが、日中は18℃まで上がる予報です。
さて、立夏に関しては昨年詳しく書きましたので、そちらをご覧いただければと思います。
< 暦の上では、今日から夏です
そして今日は五節句の内の、端午の節句です。
この端午の節句に関しては、こちらの記事を書いておりましたのでご興味ある方はどうぞとご案内申し上げます。
< 菖蒲の節句
こいのぼりも、あちこちで見られていますよね。
こういう風習は大事に大事に、次の世代へと受け継がれて行ってほしものでありますね。
☆2025年立夏の七十二候
文部省唱歌茶摘みと、立夏
先の八十八夜から四日。
季節は夏となりました。
太陽太陰暦(旧暦)では、今年は六月が二回来る閏六月の年。
その分夏が長くて暑いようですから充分ご注意くださいね。
さて、昔はよく茶摘みが歌われていました。
「夏も近づく八十八夜」
そんな歌詞も、今ではなるほどなぁと感心します。
八十八夜の新茶時期のすぐ後には夏が来るという季節感。
以前は、多くの日本人が知っている歌でした。
明治45年(1912年)に文部省唱歌として発表されましたが、作詞作曲を誰が行ったのかは不明。
と申しますのも、文部省唱歌は、作品が個人の所有物(著作権)とならないように、作詞作曲委員会というところで色んな人が関わって仕上げられたものだからです。
私はこの時代の美しい歌の数々が教育的にも素晴らしいと、思うのです。
では、立夏の七十二候を見て行きましょうか。
立夏七十二候
初候:蛙始鳴(5月5日~5月9日)
「かわずはじめてなく」と読みます。
田んぼに水が引かれその暖かな水の中で、冬眠から覚めた蛙が卵を産み元気に活動を始める時期です。
札幌でも昨日、開拓の村のニシン御殿前の池で、蛙が鳴いておりました。
札幌でさえそうですから、本州の方ではより盛んに鳴いているのではないでしょうか。
稲作を行う場合、蛙は害虫を食べてくれる味方の生き物。
蛙の大合唱は、秋の豊作に向けた頼もしい声援だったのかもしれませんね。
また、アマガエルは、雨蛙。
作物にとって重要な、雨を呼んでくれる生き物としての意味合いがあったようです。
また、神社などにも蛙のお守りなどがあるのをたまに見かけます。
あれは、無事に帰るという言葉にかけてのモノだったりしますが、その大元は農業神。
カカシというのがありますよね、鳥追いのために田んぼなどに立てられている人形ですが。
あれは元々田んぼの神様の依代(よりしろ)であります。
そのカカシが古事記では神として記されております、その名が、久延毘古(くえびこ)。
日本神話でその久延毘古に、最初に声を掛けたのが多邇具久(たにぐく)、ヒキガエルの神様でした。
次候:蚯蚓出(5月10日~5月14日)
「みみずいずる」と読みます。
ミミズも活発に動き始める時期です。
ミミズの食べ物は、土です。
土とは言っても、正確にはその中にいる微生物や有機物等がお目当て。
それらを食べて糞をしますが、それがまた土を大変豊かにするのです。
ですから、ミミズが出てきて活発に活動するというのは、農業にとても助かることなのです。
ちなみにこちらの写真が、我が家の庭先で撮影したばかりのミミズの糞です。
粒々になっていますよね。
余談ながら、ミミズは、目見ずから来ている言葉のようです。
目が見当たりませんから。
しかし、あの体の表面には視細胞というのが散らばっておりまして、明るさ暗さは分かるようです。
凄いですね。
末候:竹笋生(5月15日~5月20日)
「たけのこしょうず」と読みます。
タケノコは漢字で書くと「笋」だったり「竹の子」だったりしますが、こういう一文字を使ったりもします。
それが「筍」。
竹冠に旬と書いて、筍。
九州の私の実家には、竹林がありました。
その竹で、家具を作ったり、器を作ったり。
でもやはり楽しいのは、タケノコ掘りです。
出始めを見つけては、唐鍬(とうぐわ)でポコンと掘り出すのです。
但し、タケノコは生長が早い。
それであの「筍」という漢字となったのでしょう。
竹の旬。
旬は上旬中旬下旬とあるように、元々は十日を表す時間の単位でした。
おおよそその十日間だけ最高に美味しく味わえる季節の食べ物を、旬の物と言ったりしますよね。
つまりそう言った食品の中でも特に生長が早い筍は、最高の時期を一日でも間違えないようにと古人たちが気を張っていた名残りの文字なのでしょう。
と言う事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊