☆秋気が本格的に漂い始めるころ
今日から二十四節気は白露に入ります。
この意味は、日中はまだ夏の余韻があるのだけれど、朝晩は秋らしく冷えこみ始めるという意味です。
本州ではまだ猛暑が続いているようですが、どうでしょう、朝晩はいかがですか?
少しひんやりしてきているのではないでしょうか。
札幌では今朝が15℃。
朝4時半に起きて朝露の写真を撮ろうと思ったのですが、寒かったので温かいお茶を淹れてボーっとしていましたら6時になってしまっていました。
こちらは我が家の玄関先の、朝露の名残り。
午前7時に撮影したものです。
☆白露の期間
今年の場合、今日から9月21日土曜日までが白露です。
この期間に急速に秋が深まっていくはずです。
札幌ではそれが顕著。
本州の暑い地域でも意識していると肌に秋を感じられるようになっていくはずです。
さて、二十四節気をそれぞれ三つに分けた七十二候ですが、白露の場合は以下のようになります。
写真は、今朝の我が家の軒先に咲いたツユクサ
初候:草露白(9月7日~9月11日)
「そうろしろし」とか「くさのつゆしろし」と読みます。
晴れた日の朝、野草のうすい葉の上に朝露がおりて、その輝きがきれいに光って見える時期です。
この、きれいに光るというのがなんとも深いと思うのです。
と申しますのも、これからだんだん寒くなっていきますと、朝露の光というものは寒さを身に沁みて感じさせるものへと変わっていきますから。
朝露の光がきれいに見えるという受け取り方は、日中が温かいからできる事なのだろうなぁと私は思うのです。
次候:鶺鴒鳴(9月12日~9月16日)
「せきれいなく」と読みます。
小川や沼などの水辺で、鶺鴒(セキレイ)が鳴きはじめる時期を表します。
水辺が好きな野鳥で、セキレイのなかでも何種類かあります。
特徴は、長い尾を上下に振ること。
また日本神話のイザナギ・イザナミの二神の国生みに深くかかわっている鳥でもあります。
そこから婚礼時の床飾り、鶺鴒台が作られました。
末候:玄鳥去(9月17日~9月21日)
「げんちょうさる」とか「つばめさる」と読みます。
この事からも分かる通り、玄鳥というのはツバメのことです。
でも一説には、鶴をさすとも言われております。
東南アジア辺りで冬を越し、春先温かくなってから日本にやって来て営巣・子育てをしたツバメも、いよいよこの時期、また南に向けて飛び立ちます。
その旅立ちが、暦の上ではそろそろこの時期という事です。
ちなみにツバメは農家にとって益鳥で、稲の害虫などを食べてくれる大切な鳥です。
また、人家の軒先や倉庫などを好んで巣を作る鳥ですが、ツバメに巣を掛けられた家は幸運を招くとも言われ、大切にされていました。
と申しましても、ベタベタとかわいがるのではなく、巣をかけても一切構わないのです。
どうぞどうぞ巣をかけてください、私達はあなたたちをそっとしておきますからね、という感じでした。
☆朝露について
さて最後に、白露のおおもと、朝露について少々。
朝露がなぜ、草に付くのか、その理由です。
まず朝露が生まれるのは、温度差。
空気には水分が含まれていますから、まだ夏の余韻が残る日中では空気に含まれている水分がわりあい多いんです。
その水分を多めに含んだ空気が、夕方から朝方にかけて冷えていきます。
段々冷えてくるので、冷え込みは朝方がピークとなりますよね。
空気が冷えると、空気に含まれていた水分も水滴として外に出てきやすくなるんです。
真冬にメガネをかけてラーメン屋さんなどに入ると曇る、あれです。
朝方空気が冷え込んでくると、葉のうすい野草は、その薄さ分はやく冷えやすいのです。
そこで、周囲の物より早く冷たくなった葉の厚みがない野草に露として、空気に含まれた水分が付くのです。
これが朝露の仕組みです。
尚、朝露に似たもので、出液(しゅつえき)とか溢泌(いひつ・いっぴつ)というものがあります。
これは、朝露の正体が空気の中の水分だったのに対し、植物の体の中から出てきた栄養分を微量に含んだ水分の事です。
これは日中に水分を取りすぎた植物が、夜に光合成など活動を抑えるために余った体内の水分を、葉から外で出すものです。
という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐😊