南米の悪魔:ジャンボタニシ

ジャンボタニシ 植物最新情報
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☆昨夜、農水省からの通達がありました

昨日、外来生物法:カミキリムシで日本からサクラが消える?と言う記事を書きました。
そうした中、昨夜、農水省からX(旧Twitter)で、こういう投稿がありました。
関連がある事なので、気になって覗いてみると、、、。

農水省 X
#ジャンボタニシ 放飼は止めてください!】

あの農水省から、夜間の、いわば緊急投稿です。
ジャンボタニシに関する農水省の投稿
これはいったい何事かと、すぐに調べてみました。

もともと、ジャンボタニシが関東以南で被害を出してる外来種なのは有名でした。
しかしなぜ、官庁の仕事が終わっている夜間に投稿だなんて。
これは相当な何かがあったという事だからです。

☆南米の悪魔

ジャンボタニシと言われている生き物は、正式にはスクミリンゴガイという南米原産の淡水性の巻貝。
別名、南米の悪魔。

スクミリンゴガイ ジャンボタニシ

c_sukumiringogai.pdf (env.go.jp)

日本には食用として1981年に業者が台湾から輸入。
1983年には全国で500ヶ所の養殖場ができたらしいです。
しかし翌年には廃業が相次ぎ、業者が廃棄、それらが野生化。
同時にこの年には、有害動物に指定されました。

このスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)が一体何の被害を出しているのかと言いますと、ズバリ、稲です。
この画像をクリックすれば、農水省のジャンボタニシ関連の広報に飛べますので、ご利用ください。
農水省 ジャンボタニシ リーフレット

この事からも分かるように、儲け話に簡単に飛びつく人の大部分には、自分が育てようとしている新たな生き物の性質や国内環境への影響など、基本的な知識をもとうとしないという特徴がある事が分かります。
また、行政はほとんど常に、後手後手です。

こう言う事をずっと繰り返して来てるんです。
こんな風景、現場で嫌と言うほど数多くのパターンに直面してきました。

それで、その外来種被害対応策に投入されるのは多額の税金です。
私たちが汗水たらして納税したものです。

最初からちゃんと、業者も行政も簡単な勉強でもしていれば、そんな税金の使い方をしなくて済んだはず。
システムが根っこから間違っているのです。

☆なぜ、農水省は昨夜緊急の投稿を行ったか?

驚いたのはここです!
この期に及んで、ジャンボタニシを使って、田んぼの草取りに使いましょう!と奨励してる輩が出てきてるんです。

全然、勉強してない。
もうフィーリングだけ。
生き物つかうなら、農薬でないので、エコだみたいな。

もう、哀しくなります。
しかもです。
そう言う一派の一人は、有機農法を推進している政治家と言うんですから、開いた口が塞がらない。

今、誤解が無いようにと実際に見に行きました。
福岡三区、参政党の議員さんですが。

投稿自体は何らかの制限が掛かっていて見られませんが、その投稿のコメントに支持者から来てた文面がこれ。
支持者

このコメントに対して、参政党議員ご本人からはこんな返答をされてました。
議員の答え

まてまてまて。
日本全体をごらんなさい、議員さん、元教師。
自分の田んぼと収穫だけしか見ていない。
そりゃあ、草取りは楽でしょう。
でも先日のニジマス養殖業者の話もありますが、天災で外来種が逃げても、責任取れないし、取ろうともしないしないでしょ。
それなら、最初から、やっちゃダメなんです。
これは、農水省が夜に緊急的に発信するわけです。

☆ジャンボタニシの、人体への危険性

繁殖力が強い。
そして水流を通して幼体が拡散しやすい。
だから、ジャンボタニシ農法をやってる人だけの田んぼで収まる話、とは言えないわけです。

実際に、新規就農者がどうも講習会で得た浅い知識からジャンボタニシを撒き、それを安易にSNSで発信し問題になっています。
(どうも特定のグループが、積極的に奨励しているようです。)
これも、撒いて責任が取れない出来事。
そもそも新規就農ですから、技術もまだまだ未熟でしょうから、ジャンボタニシをコントロールできるわけがない。

そしてイネなどを食害していくわけです。

しかも、体内には「広東住血線虫」がいます。
これにヒトが感染すると発症までは 12日から28日。

体内に侵入した幼虫の多くは、中枢神経系へと移動。
そして出血、肉芽腫、好酸球性脳脊髄膜炎などを引き起こされます。

酷い場合は、死亡事例も報告されているんです。
また、卵も有毒です。

もし仮に、見かけた方は、絶対に素手で触らないでください。
そうしたほうが安全ですから。
ジャンボタニシ

☆無実のタニシもいます!

ジャンボタニシはダメですが、日本に昔から住んでいるタニシ。
これは大事にしましょう。
ジャンボタニシがダメだから、タニシ全部を駆除というのも絶対にダメ。

日本古来のタニシには、以下の4種があります。
マルタニシ
オオタニシ
ヒメタニシ
ナガタニシ

丸・大・姫・長ですね。
このうち、ナガタニシは琵琶湖固有種です。
これら固有種は、水中の濁った中にある微生物死骸や生物由来の物質の破片、排泄物も含むそれらを漉しとって食べています。
なので、水がきれいになるんです。
こちらのタニシは大事にしなければなりません。

これらが暮らしていたところに、外来種をわざわざ入れたのですから、間抜けです。
いやはや、困ったものです。

農水省も政治家も、こういう物は先手先手に対策を立てて未然に防いでいってほしいですね。
不勉強な頓珍漢が、多くの人や環境を巻き込んで行きますから。
そして必ず、騒動を起こしてそこに税金も無駄に消費されるものです。
まったく困ったものです、今回はほとほと呆れました。

あなたの周りに、こんなピンクの卵の集団、見かけませんか?
ジャンボタニシの卵

という訳で、本日ここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日を💐

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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