☆札幌は紅葉真っ盛り
・紅葉と黄葉
秋に気温が下がってくると、落葉樹はその葉を緑色から黄色~紅色に変えていきます。
どの色に変わるのかは、種類によって違うのですが、そこにまた趣を感じますよね。
そして同じ品種であっても、その木の状態(体調)や、植わっている場所(環境)によっても微妙に違ってくるのが面白い所です。
写真はすべて昨日の撮影ですが、本当に飽きないです。
様々な色づきを楽しめる秋の森散歩。
ですが、この時期特有の強い季節風や冷たい雨で一気に終わるその切なさがあります。
これもまた、味わい深さに深みを添えますよね。
・なぜ秋になると広葉樹の葉は色づくのか?
ところで、昔懐かし理科の話。
葉っぱに光を浴びて、栄養を作り出すのが光合成。
そこで作られた栄養は、葉から枝へ。
枝から幹へ。
幹から根っこへ。
そんな風に樹木全体に行き渡ります。
つまり通常は、そうやって栄養や水が行き来できる通路があるんですね。
そしてやがて、秋になり気温が下がってくると、葉っぱの根元に「離層」という壁が作られます。
これは、樹木本体が、これから来る厳しい冬に向けて、じっと耐えるための準備なんです。
「離層」が作られると言っても、ある瞬間にパッとできるわけではなく、徐々に作られていくんです。
葉っぱの根元に、枝につながる根元に、壁ができる。
そうすると、これまで葉っぱで作られていた栄養は、根っこまで届かず葉っぱに溜まっていくことになります。
栄養がドンドン溜まっていくと、葉の色が緑から紅や赤や橙や黄色に変わるんですね。
これが、紅葉(黄葉)の仕組みです。
あ、これは、冬前になると葉っぱが落ちる広葉樹に関しての話です。
杉や松などの針葉樹では、冬になっても、葉をつけたまんま。
寒さなんかに負けないぞと葉をつけたまんまで過ごしますので、離層は作られません。
でもその代わり、葉を針のようにとがらせて寒さから身を守るという訳です。
☆昔の考え「葉を戻してあげる」
先日、森から落ち葉を少しもらってきて物を育てるという事を書きました。
森から葉っぱをもらってくるだなんて変なの、と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
この事を少し説明しましょう。
私の植物育てのお師匠さん方は、口々にこう仰っていたものです。
「最近は、公園なんかの木は可愛そうだ。落ち葉を根こそぎ持ってかれるもんなぁ。」
「あれじゃ、森が死ぬよ。」
私のお師匠さん方がお若い頃は、秋になると落ち葉を集めてましてね。
それで、特に大事な木の根元に埋め戻してやっていたそうなんです。
この時に大事なのが、木の根っこを傷つけない事。
だからあんまり木の近くは、いけないんだそうですね。
少し話したところに埋める。
そうすると、森が生き生きしてくると言ってましたね。
ここで面白いのが、森の木全部に埋め戻すんじゃないそうです。
「そりゃあなた、そんなことしてたらこっちの身が持たないよ。」って笑ってらっしゃいました。
言われてみればなるほど、そうです。
葉っぱを戻すのは、森の大事な木。
ここが面白いポイントです。
☆落葉は、栄養の塊
秋の葉っぱの話を戻しますが
季節が進みそして離層が完成すると、そこから葉っぱがハラリと外れて、地面に落ちるわけです。
そしてその時の落葉には、栄養が溜まって色も鮮やかに変わっているわけです。
上手くできていますね。
広葉樹は、次の春に向けて大地に栄養の貯金をするわけですから。
そう考えると、私のお師匠さん方が、秋に大事な木の傍に落ち葉を埋め戻していた理由も見えます。
さて、これも昨日の話。
業者さんがきて、大きなトラックに公園の落ち葉を綺麗に集めてました。
良い香りが立ち込めていましたが。
ほれ、こんなにたくさん。
☆落ち葉についての考え方
私がかつて一緒に仕事をした方の中には、落ち葉はただのゴミで、樹木には化学肥料だけ与えていればいいんだという方も居ました。
まぁ、そちらの方が楽で便利でありますが、私はどうも好きな考え方ではないですね。
昨日の業者さんも、公園の美化を請け負って、落ち葉を回収されていただけなんですが、なんとももったいない。
落ち葉を、ゴミとみるか、自然を豊かに変える贈り物ととるか。
見方を変えるだけで、人生も自然もかなり豊かになるんですが、時代でしょうか?
そう言えば、町内会単位でも、落ち葉は回収ゴミに分類されていますから。
こういうのは少し税金使ってもいいから、ドンと集めて山深い所にヘリコプターかなにかでドバッとまいてもよろしんじゃないかと思うのです。
というわけで、こんな扱いを受けている広葉樹の落ち葉。
美化を兼ねて森の周辺に吹き出されて回収されるのを待つだけの落ち葉。
少しいただいて、身近で大切に育てている植物にプレゼントしても罰は当たりますまいと思うのです。
さて、また長くなってしましました。
最後までお読み下すってありがとうございました。
今日があなたにとりまして佳き日でありますように💐
さて、今日のお昼当たり、また森を散歩してきます。
5分程度ですが、良いものですよ。