☆江戸時代から伝わる伝統の花
花菖蒲四系統
花菖蒲という植物があります。
この花は、江戸時代に多くの品種が作られ、大きく江戸系・伊勢系・肥後系・長井古種に分けられます。
なんでも、葉の形が剣のようで勇ましいというので、好まれたという事もあったようです。
また、徳川の将軍(特に初めの三代)が園芸好きという事もあり、我先にと珍しい植物などを献上したのが、江戸に園芸文化が大きく花開いた理由だとも言われています。
それで、幕府のある江戸の町で品種改良されたのが「江戸系」
神社の総大社、伊勢神宮がある今の伊勢市あたりで盛んに改良された品種が、「伊勢系」
肥後、今の熊本で内々に改良されていったのが、「肥後系」
その三系統のいずれにも属さない、原種に近い品種群が、昭和半ばになってから山形県長井市で確認されました。これらはすべて江戸中期以前からあったということで、ここにあった品種を「長井古種」
花菖蒲はおおよそこの江戸系・伊勢系・肥後系・長井古種に分けられます。
このそれぞれの系統ごとに、たくさんの品種が生み出されました。
一部はもう途絶えてしまいましたが、令和の現代にも、まだまだ多くの品種が伝わっています。
またこの四系統以外にも、外国種(日本から持ち出して、主にアメリカで改良された)もありますね。
花菖蒲、雪がとけたら燃やしましょう!
こうして江戸時代にたくさん作られた花菖蒲の品種ですが、同じ場所で数年は元気に育ちます。
そんな中、春までに地面の際に花菖蒲を好む蛾の幼虫が巣くうことがあるんです。
そうなると大変。
春になって柔らかい芽が出てきたら、蛾の幼虫の食べ物になって、あらあらと思っているうちにダメになってしまうんですね。
そこで我が家では、プランター上にしている花菖蒲の株を燃やします。
株自体は地面の際に埋まっていますから、それ自体は傷みません。
燃やすのは、地面から上の枯草になった部分です。
この根本あたりに幼虫が居ることがあるので、サッとここだけ燃やします。
ただ燃やす前に、枯草になった部分を10㎝ぐらいの長さに切りそろえておきます。
そうしないと火が大きくなって危ないですから。
そして燃やすときは、風のない時。
近くには、消火用の水を用意しておきます。
これに私はバーナーで着火。
あっという間に、よく燃えます。
そしてこんな感じになりました。
表面だけしか燃えないので、こういう状態になっても、しばらくすると元気に育ってくるんですよ。
ちょっと不思議な感じがしますよね。
☆葉菖蒲とは?
ところで、5月の端午の節句で、菖蒲湯と言うのをしますよね。
あの時使うのが、菖蒲です。
葉菖蒲と言ったりします。
葉菖蒲と花菖蒲は別物ですから、ご注意ください。
たまにいらっしゃるんです。
花菖蒲の葉を切って、その時期、お風呂に入れる方が。
実際に何十人にも出会いました。
言葉が似てますからね、そして葉の形も。
菖蒲は、勝負に通じるということで、縁起が良いとされたんですね。
それで、葉の形も似ているし同じに「菖蒲」と名づけたんでしょう。
葉菖蒲には、薬効があります。
また、良い香りがするんです。
古来より、植物の良い香りは、魔除けの効果もあるとされていました。
なので、葉菖蒲を用いるんです。
端午の節句の菖蒲湯をされる際は、葉菖蒲をお使いくださいね。
このように、同じく薬効と魔除けの効果があるとされたヨモギも添えて売られたりしています。
良いものですよ、菖蒲湯。
という事で、本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐