☆情報の食べ過ぎ
スマートフォンやパソコンは、情報を手に入れるツールです。
現代ではコミュニケーション手段として、私たちの生活に欠かせない存在。
ですが、これらの過度な使用は、心身に様々な影響があると科学的に実証されています。
ここ20年ほど、急速に発達したパソコンやスマホ。
そしてインターネットは、私たちの脳にかなりの負担をかけています。
実際に私の周囲にも、情報過多で夢を持てない人も多くいるんですね。
そう。
情報過多なんです。
例えばこういう話を聞いたことがあります。
現代の私達が一日に受け取る情報の量。
これは、平安時代の平均的日本人が受け取る情報の一生分に匹敵していると。
そうなんです。
単純な話、生き物って、そう簡単に進化できません。
そして私たちの脳も例外ではありません。
大量の情報を食べ過ぎた脳が、もう消化不良を起こしてる。
まるで、脳の胃もたれですよね。
つまり、これはもう、食事制限が必要なんですね。
しかも、丈夫に楽しく行える情報の食事制限が。
☆デジタルの食事制限
・デジタルデトックスとは?
スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器を意図的に使わない時間。
これを設け、それにより心と体の健康を保つことを目的とした行動のことを指します。
“デトックス”とは元々、体内に蓄積した有害な物質を排除することを指す言葉。
この言葉を応用したのがデジタルデトックス。
これは、「スマホやパソコンなどから一定時間距離を置く」行動です。
その結果として得られる主な7つの効果は以下の通りです。
①気分爽快になれる。
②幸福感が増す。
③ストレス激減。
④脳疲労を取り除く。
⑤眼精疲労回復、そこからくる肩こりの改善。
⑥睡眠の質改善。
⑦感受性が豊かになる。
☆デジタルデトックスの効果と、その生理的背景
①気分爽快になれる。
リアルな自然に向き合う時間が増え、そのためにセロトニン(気分のホルモン・幸福ホルモン)の分泌も増加し、気分が良くなります。
実際に、対人関係も含めた自然界とのつながりを感じることで、セロトニン分泌が増えます。
これは、オキシトシンにも言える事ですが、これらのホルモンは、私たちが他者(人以外も含む)とのつながりを感じ、支えられていると感じさせ、結果的に幸福感や充実感を向上させることができます。
②幸福感が増す。
実際に人や自然と向き合う時間が増え、そのためにオキシトシン(愛のホルモン・絆のホルモン)の分泌が増加し、安心や信頼感を生み、幸福感が増します。
このホルモンは、社会的な行動や集団の結びつきを強めますので、つまりは孤独が解消され、幸福感につながります。
③ストレス激減。
デジタル機器に接する時間を減らす、そのためにコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌量も減少。その結果にストレスが減ります。
このストレスの原因は、以下の4点です。
1、デジタルスクリーンからのブルーライトによる眼精疲労
2、情報過多に対応する脳
3、ブルーライトやデジタル思考からくる睡眠の質低下
4、SNS上の特殊な人間関係
④脳疲労を取り除く。
画面からの情報処理負荷(人類の脳はこれに不慣れ)の減少が、ドーパミン系をリセット。
これによって、脳疲労が軽減します。
ちなみに、ドーパミンは、幸福ホルモンや快楽ホルモンと呼ばれています。
さて、そんなドーパミンをリセットすると、なぜ脳疲労が軽減されるのでしょうか?
その理由は、デジタル機器から人間の脳の処理能力を超えた情報量が押し寄せてくるからです。
そうなると、ドーパミンが常に分泌されることになり、この過程は脳にとっても重労働。
結局、長時間のドーパミン分泌は脳を疲れさせてしまうんですね。
つまり、ドーパミン系のリセットが、脳の疲労軽減につながると、こうなる訳です。
⑤眼精疲労回復、そこからくる肩こりの改善。
視覚ストレスと自律神経
視覚のストレス低減が自律神経を安定させ、筋肉の緊張を緩和します。
私たちがデジタル機器の画面を見ていると、目は常に張り詰めた状態となっています。
つまりこれは交感神経刺激です。
その結果、目への過度な負担(視覚ストレス)が、ストレス反応を引き起こす一因となります。
筋肉の緊張と自律神経
交感神経が過剰に活動すると、筋肉は張り詰め、これが肩こりや頭痛を引き起こす可能性があります。
一方で、副交感神経がしっかりと機能していれば、リラックスした状態が保たれ、筋肉の緊張も和らぎます。
以上の事から、私たちの視覚をデジタル機器から離す時間が必要!となるわけです。
⑥睡眠の質改善。
ブルーライト削減でメラトニンの分泌が適正化し、質の良い睡眠をサポートします。
メラトニンは、「睡眠ホルモン」として知られています。
このホルモンは、私たちのサーカディアンリズム(体内時計)を調整します。
つまりは眠りに誘う重要な役割を果たしてくれるんです。
デジタルデトックスで、デジタル機器が発するブルーライトを意識的に遠ざけることで、メラトニンの分泌を促し、結果として睡眠の質が向上します。
大事なのは、せめて入眠1時間前には完全なデジタルデトックスをすること、です。
それによってメラトニンが正常に分泌され、熟睡の条件が一つ満たされます。
デジタル機器の代わりに植物を5分眺めれば、セロトニンとオキシトシンも分泌され、コルチゾールが減少します。
つまりは、睡眠効果が数倍増となって行くのです。
⑦感受性が豊かになる。
新しい体験が脳のノルアドレナリン系を活性化させ、感受性や好奇心が増します。
この新しい体験というのが、デジタル情報から解放され、実世界の細かな美しさや感動を直に感じる、ことです。
このノルアドレナリンは、別名「快活ホルモン」とか「活動ホルモン」とも呼ばれることもあるようです。
私たちの感情や行動、特に注意や興奮、ストレス反応、そして学習や記憶に関わっています。
そして、私たちが何か新しいことを学んだり、何か面白いものを発見したりしたときに放出されることが多いんですね。
また、このホルモンは、私たちの好奇心や学習意欲、記憶力も高めてくれます。
そして、デジタル機器からの情報過多から解放され、私たちの脳がリラックス。
その結果、新しいことや自然な環境に対する感受性が高まると、こういう訳なんです。
☆まとめ
このように、脳内物質や各ホルモンは、私たちの感情や行動に密接に関わっています。
そこで今の時代、デジタルデトックスが、これらの物質のバランスを整えることなり、心身の健康をもたらします。
もちろん、私の説明よりも、実際の心理・生理のメカニズムはもっと複雑です。
その点はどうぞ、ご理解くださいませ。