キョン大増殖と、哀しさ

キョン 喫茶~言の葉
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☆外来種の脅威

キョン

千葉県で、外来種で体調30~40cmの小型の鹿、キョンがかなりの数で増えているというニュースが流れました。
面白い名前ですよね。
キョン

元々は中国や台湾に住んでいる動物で、あちらでは高級食材だとか。
性格は穏やかで草食。
積極的に人に危害を加えるという事はしないんですが、ひどい事をされそうなときは噛みます。
オスには牙がありますから、大怪我につながりますよね。

また、繁殖力も旺盛。
繁殖は年中で、妊娠期間は7ヶ月。
一度の出産で一頭生まれるそうです。
そして早いものでは生後1年で繁殖期に入るというデータもあります。

そして、千葉県でキョンが拡がった原因とされているのが、勝浦市にあった行川(なめがわ)アイランド。
1980年代に、この観光施設から逃げ出したキョンが、令和4年の統計では7万1500頭生息となっていますので、今はさらに増えているはずです。

ちなみに、伊豆大島のキョンは1970年の台風で、都立大島公園の動物柵が壊れて脱走した10数頭のキョンが増えたもので、あの島に今では1万7000頭ほど野生化しているという事です。(令和4年度)
キョン
キョンは、この赤い部分で広がっています。
千葉県からポンポンと飛んで茨城県にも赤い部分がありますよね。
という事はその中間の場所でも広がっている可能性が高いという事です。
そう、外来種キョンの北上が始まっているんです。
キョン分布

キョンの害

おとなしく、しかも草食のキョンなら、増えても良いじゃないかと思われる方も多いでしょう。

ところが、です。
元々日本にいる動物達と植物達の量のバランスは取れていました。
そこにキョンが外から来て多量に繁殖を続けるとなると、そのバランスが壊れてしまい、元々住んでいた日本の動物や植物が滅んでしまう危険があるのです。

もちろん、農作物への被害もありますが、それは何とか人間でも、それなりに対処できる部分が多いでしょう。
でもやはり野生の世界となると、なかなか人の手は行き届きません。
現に日本鹿とのエサ場の取り合いや、希少植物への食害も報告されているんです。

そこで、千葉県や東京都などでも積極的に駆除が行われているんです、、が、、、。
キョン

キョンの命乞い

色んな罠を仕掛けたり、猟友会も出てきているんですが、駆除数より繁殖数の方が勝っている状況が続いています。

そして有名なのが、キョンの命乞いと言われるもの。

捕まったキョンは、哀しい目で捕獲者を見つめ、仲間に助けを求めて泣き叫ぶそうです。
こういう現場を目の当たりにする猟友会の方は、情が移って本当におつらいのだとか。

人間が商売のために日本に導入して、管理が悪く外に逃げ出したのですから、キョンは全く悪くないのです。
でも外来種。
日本の生態系を守らなければ、元々の自然が壊されます。
本当に、人は罪深い事をしたものだと思います。

中には。
キョンを捕獲したら人里離れた遠方の山へ離すのが良いと主張してるグループもありますが、問題の根本も何もわかってない目先しか見ていない意見です。
こういう考えが、今のキョンの大繁殖と補殺を生み出したのだという事が、何も分かっていないんでしょうね。
キョン

キョン料理

現在、捕獲された多くは、処理されて廃棄だと聞きました。
しかし、キョンの地元の台湾では高級食材です。

せめて、命を有効に使わせていただくのが、人の罪滅ぼしだと思うんです。
ただ、食材として大々的にやってしまうと、それをまた商売にして飼育する人も出てくるんですね、これまでのこういう問題を見ていると。

ただ、せめて命を奪わなければならないのなら、どうにか食べ物として頂きたいものです。
廃棄だなんて、哀しすぎます。

また、皮は、剣道の小手とかに非常に良いそうですね。
とにかく、何につけても心が痛くなるキョンの大増殖問題であります。

ちなみにキョンは、国立環境研究所の侵入生物データベースにも記載があります。
キョン

という事で本日はここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
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