自宅でつくる、甘茶の美味しさ

アマチャアジサイ お手軽栽培術
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☆昨日は灌仏会

昨日4月8日は、灌仏会(かんぶつえ)。
仏教でいう、お釈迦様の誕生日とされている日です。

このお釈迦様の誕生日に、釈迦誕生仏像へと甘茶をかけるんですが。
これは産湯を表しています。

なんでも以前は、陰陽五行説からくる五香水と言うのをかけていたそうです。
それが江戸時代に入ってから、甘茶になりました。
甘茶でしたら、参拝客にふるまえますし。
こうして庶民の間に根付いていったんでしょう、灌仏会。
灌仏会

ちなみに、物ごとが駄目になることを「オシャカになる」などと申しますね。
これも同じ江戸時代に生まれた言葉だそうです。

江戸言葉と言うのは、「ひ」と「し」が入れ替わって発音することがあります。
東が「しがし」
潮干狩りが「ひおしがり」と、こんな風に。

それで、鍛冶屋さんたちが火を起こすでしょう。
あれ、温度が大切だと聞いてます。
低すぎても高すぎてもいけない。
でもまぁたいていは火を起こして、鞴(ふいご)で気合入れて風を送るので高くなりやすい。

火の温度が高すぎると、結局、鋳物(いもの)が駄目になるんですって。
それで、「火が強かった」これを江戸弁で申しますと「しがつよかった」

そこから、4月8日だということで。
物ごとが駄目になることを、お釈迦になるというようになったのだそうです。
鍛冶屋

☆甘茶

甘茶って、なに?

さてこの灌仏会で釈迦誕生像にかける甘茶ですが、これは何かと申しますとアジサイの一種「アマチャ」から作られた純度100%のアジサイ茶です。

アマチャアジサイと言う名で販売されていますので、ご興味ある方は是非、お育て下さい。
良いものですよ。
アマチャアジサイ

このアマチャ。
アマチャヅル茶とか、中国茶の甜茶(テンチャ)も同じように、甘茶として扱われたりしています。
なので混乱しやすいですが、本当の甘茶は、アマチャアジサイ茶のみを言います。

今では多くが海外からの輸入品。
もちろん国産のも売られていますので、手軽に楽しめます。
楽しめますが、自分で作るのはもっと楽しいんです。

家庭で簡単に!甘茶の作り方

アマチャアジサイの性質は大変強く、とても育てやすいです。
外植えだと、理想は午前は日当たりが良く、午後は日陰となる場所。
私は大きな木の近くに鉢植えを置いてます。

また、水はけのよい場所が好き。

鉢植えだと、なるべく大きめで、でも持ち上げられるぐらいの大きさのものが良いです。
ただ、水は好きなので、暑い夏などは特に水はたっぷりあげてくださいね。

そして秋の初め。
アマチャアジサイの葉を収穫します。
この時、全部取ってしまうと株が弱りますから、私は全体をまんべんなく半分の量になるように取っています。
収穫する葉は、緑色のきれいなものだけ。
色がくすんだり、少し赤っぽくなったものは美味しくありませんので収穫はしません。
甘茶

その葉をサッと水洗いして天日干し。
晴れた日なら2日です。

それを今度は霧吹きで湿らせて、ムシロなどをかぶせて1日発酵させます。

次にそれを、手でよく揉みます。
強い力でよりも、私は両手で軽く1分ほど揉んでます。
全部揉み終わったら、自然乾燥させて完成です。
甘茶

甘茶の淹れ方

こうしてできた自家製甘茶ですが、淹れ方が大事です。

簡単な事ですが、絶対に濃くしないこと。
分量があるんです。

水1リットルに対して、茶の葉2グラム以下にすること。
多くても、3グラムまでにすることが大事です。

この茶葉を1リットルの水でおおよそ4分煮だしますと完成です。
甘茶

甘茶はなぜ、濃くしてはいけないのか?

甘茶を濃くして、その甘みをもっと出そうとしたいところですが、そこは我慢。
先述の分量をお守りください。

と申しますのも、濃いと嘔吐したりすることが有るんですね。
こちらは厚生労働省が公表している資料です。
「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:アマチャ」
甘茶

こちらによると、アマチャ自体に中毒物質は確認されてないと記載されています。

なので、甘茶は分量を守って薄めに、が鉄則です!

☆グッスリ眠れる甘茶の力

こうしてできた甘茶ですが、これがほんのり甘くて美味しい!

それで甘茶は、アレルギーとかに効くというので私は飲むようになったのですが(たまにですよ)。
生薬としての働きがあるんですね。

抗酸化作用
利尿作用
整腸作用に口臭防止作用。
そして抗アレルギー作用。

それと、夜、寝る30分前ぐらいに飲むと深く眠れるんです。
なにかのリラックス効果があるというのが私の体感。
体に合ってるんでしょうか?

成分としては、イソクマリン関連化合物。
砂糖の400倍甘さがあり、糖尿病患者や肥満症の人への砂糖の代用に甘味料として使われているそうです。
< 熊本大学薬学部薬用植物園植物データベース:アマチャ

ともあれ、自宅で育て、作る甘茶、なかなか美味しいものですよ。
縁起物でもありますしね♪
灌仏会
という事で本日ここまで。
最後までお読み下すってありがとうございました。
どうぞ佳き一日をお過ごしくださいませ💐

Ψ~ 緑の命 ~Ψ
執筆者
毎日をワクワクに変える植物教育研究家
kazuhiko
略歴
園芸の生産・流通・販売・教育と多岐にわたり都合45年勤務。
植物がもつ癒し力や、ちょっとミステリアスな植物の物語を、色んな年代の方に届けています。

現代は、デジタル時代。毎秒おしよせつづける情報に、私たちの脳は、年中無休の疲れ気味。 そこで身近な植物を使った、効果絶大わずか5分の、カンタンな心身癒しをご提案中♪
お手軽栽培術
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