☆1883年3月13日生
高村光太郎さんは、1883年に生まれ1956年4月2日にお亡くなりになった詩人であり彫刻家です。
高村さんの彫刻はまだ見たことはありませんが、詩集は買いました。
小学生の頃に、国語の教科書に載っていた高村さんの詩、「ぼろぼろな駝鳥(ダチョウ)」に触れまして、そこから中学にかけて読み漁ったものです。
ぼろぼろな駝鳥 高村光太郎
何が面白くて駝鳥を飼うのだ。
動物園の四坪半のぬかるみの中では、
脚が大股過ぎるぢゃないか。
頸があんまり長過ぎるぢやないか。
雪の降る国にこれでは羽がぼろぼろ過ぎるぢゃないか。
腹が減るから堅パンも喰ふだらうが、
駝鳥の眼は遠くばかり見てゐるぢゃないか。
身も世もない様に燃えてゐるぢゃないか。
瑠璃色の風が今にも吹いて来るのを待ちかまへてゐるぢゃないか。
あの小さな素朴な頭が無辺大の夢で逆まいてゐるぢゃないか。
これはもう駝鳥ぢゃなゐぢゃないか。
人間よ、
もう止せ、こんな事は。
駝鳥への優しいまなざしと人間の横暴さが浮かび上がり、衝撃的でしたが、年を重ねると駝鳥が駝鳥だけでなく自分に置き換えて読めたり。
今では駝鳥は、自分の子を含めた若者たちと社会に重なって伝わってきます。
人にや、道程や、レモン哀歌はその後知りました。
奥様である智恵子さんの心が壊れていく様子。
夫、光太郎さんの苦悩。
まだ中学生だった私には重すぎましたが、今でも大切な作品として心に大事に仕舞ってあります。
出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」
岩手県花巻市と言えば宮沢賢治さんですが、高村光太郎記念館もここに在ります。
いつか再び尋ねたい場所です。
高村光太郎記念館
出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」 (https://www.ndl.go.jp/portrait/)